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2020年12月01日

【MCT 中鎖脂肪酸】MCTとサイクリストは相性抜群!

さて、前回の記事でサイクリングのようなスポーツにはMCTが最適ということをお伝えしました。

MCTについてくわしく知りたい方はこちらの記事へ
https://funride.jp/feature/mct-1-2020/

そこでサイクリストと相性が抜群である、という根拠をご紹介したいと思います。

▷消化吸収がよくエネルギーになりやすい

前回の記事の繰り返しだが、MCTは消化吸収がよくエネルギーになりやすい。
一般的な油に含まれる長鎖脂肪酸は、小腸で消化・吸収されたあと、リンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ、必要に応じて分解・貯蔵される。
これに対して、中鎖脂肪酸は分子が小さいため、小腸から門脈を経由して直接肝臓に入ってくる。そして肝臓ですばやく分解され、短時間でエネルギーになります。中鎖脂肪酸が分解される時間は長鎖脂肪酸の4〜5倍も速く、脂肪として蓄積されにくいのだ。

MCTはミトコンドリアの機能を高める

ミトコンドリアを「理科の授業で聞いたことはある」という方が多いかもしれない。
実はこのミトコンドリア、細胞の中で酸素を使ってエネルギーを作り出す、いわば有酸素運動の際の発電所のような働きがある。
ミトコンドリアは脂肪酸を取り込んでエネルギーに換える働きがあるため、脂肪酸の利用を高める上で重要な役割を担っている。

中鎖脂肪酸を継続摂取したマウスの骨格筋では、ミトコンドリアの量と相関があるとされる酵素活性(クエン酸合成酵素はそのうちの一つ)が上がっており、これが持久的運動のパフォーマンス向上に役立っている可能性があるという。

▷良質なエネルギー補給でダイエットのサポートにも

「肥満」や「メタボ」は、必要以上のカロリーを摂取し、体脂肪として蓄積された結果、摂取した栄養が正常範囲内で代謝されないことにより起こる。
改善のためには、食生活を改めて摂取するカロリーや栄養成分等を適正にすること。そして、運動等の身体活動により、体脂肪や体重を減少させることが必要となる。
摂取カロリーを減らそうとする際に、注目されることが多いのが「油」
油は他の栄養素に比べて重量当たりのカロリーが大きいため、摂取量を減らそうと考えがち。
しかし、極端に油を減らすと、皮膚の弾力や、身体の潤滑油としての働きまで損なってしまうことになりかねないのだ。そんなときに役立つのも一般的な油と比べて分解されやすく、短時間でエネルギーになる「中鎖脂肪酸」である。

こんな試験結果も。
体脂肪の中でも内臓脂肪が減少しており、それとともにメタボの判断指標とされるウエストも一層細くなっていたのである。
さらに、CTスキャンによる皮下脂肪や内臓脂肪の面積でも減少が確認されている。一般的な油(長鎖脂肪酸油)から、中鎖脂肪酸を11%程度含む食用油に替えて、12週間使用した方は、試験終了時に内蔵脂肪の減少が認められた。

内臓脂肪の減少によりからだが軽くなれば、サイクリストにとってパフォーマンスアップにつながっていくはず。

▷今注目のケトン体はMCTから効率的に作られる!

身体に蓄えた脂肪を使い、さらにその脂肪をもとに肝臓でケトン体をつくり、それを各細胞のエネルギーとして利用する仕組みになっている。
身体のエネルギー源として、優先的に使われるのはブドウ糖。そのため通常、体内にブドウ糖が十分にあるときは、ケトン体が作られにくい特性がある。
しかし、ブドウ糖が体内にあるときでも、ケトン体を効率的に作り出す成分がある。その正体は、摂取後、直接肝臓まで運ばれる「MCT(中鎖脂肪酸)」!
血中ケトン体量の変化を調べたところ、一般的な油(LCT)に含まれる長鎖脂肪酸と比べて、同量のMCTを摂取したときのほうが、約10倍も多くのケトン体が作り出されることがわかった。

MCTで体質改善を! 

そこで、実際にMCTの“持っている能力を引き出す”油のパワーを実際に試して、体験してもらおう。

アイアンマントライアスロンを嗜み、日々サイクリングのトレーニングを楽しむ湯尻淳也さんにお試しいただくことになった。すでにアクティブな日々を過ごされているが、食事については「日々おいしいとおもったもの」を積極的に摂取している。
その食事の写真を集めているご自身のSNSは仲間たちに「茶色い」と言われてしまう始末で、それにはご本人も苦笑い。

湯尻淳也さん。1968年生まれ。身長180cm、体重は76kg。職業は弁護士でアイアンマン・トライアスロンがライフワーク! 元競泳選手でがっちりとした体格の持ち主。
通勤ライドは週に2〜3回、往復のルートによって65〜70kmを走る!

今回は栄養管理の側面から医師でサイクリストのラン先生に、湯尻さんの食事についてご意見を伺った。

ラン先生は Mt.富士ヒルクライムにも出場経験のあるサイクリスト!

「油って一言で言っても味方になるものもあれば、健康を害するものがあります。それをちゃんと見分けられる目をアスリートの人たちには持って欲しいですね。油も揚げ物油ばかりではダメです。最近は動物性油がよいと見直されていることもありますので、植物性と動物性をバランスよく」とラン先生。
「食事の考え方はこれじゃだめ、ということではなく選択肢を広める考え方のほうがいいですよね。おいしいもの食べたいし」と湯尻さんのおっしゃることは正論だ。

「とりわけエンデュランス系のアスリートは、食事をおそろかにしがちというデータが様々な文献にでています。湯尻さんも結構トレーニングをなさっていますので、ちょっとくらい許されるだろう、という自分への甘やかしというのがでちゃいますよね?
だからといって過酷な節制生活をしろというではなく、健康を害するようなものを避けてくれさえくれれば、自由に選んでいいんです。他にも選択肢はあると」
アスリートでもあるラン先生、どうしても節制生活に陥ってしまうのはパフォーマンスアップを目指すが故のエンデュランスアスリートのさが。それをラン先生は変えたいという。

湯尻さんのSNSを見るラン先生。これは…….すごい迫力!

湯尻さんのSNSをチェック。食事中心にまとめられたアルバムはすごい迫力だ。
「よく食べられますね、私は胃腸が受け付けられないです」とラン先生。
「全く問題ないですね。ガッツリ系のラーメンも少し前はスープも飲み干していましたね昼にたくさん食べても夜は普通にお腹がすいてますし」。と湯尻さん。

「食べ物を消化する、そしてそれを吸収する効率の良さは遺伝的素質が関係します。湯尻さんはこれだけの揚げ物をペロリと食べられるので、強靭な消化管をお持ちと推測されます。
またご本人含め、ご家族の中に脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)の方がいらっしゃらないということなので、油の吸収や代謝に関しても恵まれた体質だといえます。羨ましい限りです(笑)。

しかし、油中心の食生活は血管の病気(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など)を引き起こす誘因のひとつです。
食物繊維を含む炭水化物やタンパク質をバランスよく、また油分の質にも注目して「良い油」を摂るように意識してみましょう」
。と、ラン先生はいう。

たしかに偏った食生活によって三大疾病や生活習慣病などのリスクも高まってしまうだろう。
とはいえ、お昼はほぼ外食の湯尻さんが食生活をガラリと変えるのは難しい。だが、選ぶことはできる。
バランスの良い食事を心がけ、MCTをとりいれて燃焼しやすいカラダ作りのサポートをしていくことで、長時間の運動に適したカラダにもっと近づくことができそうだ。
次回はMCTを使ってみた感想を聞いてみよう。

写真:小野口健太

(グラフや図に関する資料引用)日清オイリオMCTサロンhttps://www.nisshin-mct.com/

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