2018年07月20日
「みんなのタイムトライアルジャパン5thステージ」シーズン大詰め! 暑くて熱いTTバトル!
誰でも参加できるタイムトライアルのシリーズ戦、「みんなのタイムトライアルジャパン」。2017-18シーズンもいよいよ終盤戦となり、全6ステージ中の5thステージが、7月16日(月・祝)、千葉県成田市の下総フレンドリーパークで開催。猛暑に負けない、熱い走りが繰り広げられた。
1秒以内の表彰台争い! ランキング争いも佳境へ
全国的に猛暑となったこの日、成田市も最高気温35.1℃まで上がり、暑さと日差しが参加者を苦しめた。コースは、今シリーズ4度目となる下総フレンドリーパーク。コーナーやアップダウンもある1周約1.5㎞をセミクラシックは3周=約4.5㎞、クラシックは6周=約9km走る。
TT用機材が使用可能なクラシック男子は、今回もハイレベルな争い。その中で、香野祐一さんが各ラップを2分00秒~01秒台に抑える安定した走りで、平均44.76km/hをマーク。2位のアンディさんに22秒差をつけ、2戦連続3勝目を飾った。3位には、山倉幹丈さんが続いた。
ノーマルバイクによるセミクラシックの男子は、1位から3位まで1秒以内の接戦。初参戦の佐藤史明さんがこれを制し。2位に加藤哲史さん、3位に西川正隼さんが入った。
平均時速を元に算出するポイントランキングは、ここまで全戦出場しているアンディさん(2177ポイント)と山倉さん(2128ポイント)がデッドヒートを繰り広げている。
次回、いよいよシリーズチャンピオンが決定する最終戦は、9月8日に富士スピードウェイで開催される「富士チャレンジ200」(http://www.fujichallenge.jp/)と同時開催。もちろん、ダブルエントリーも大歓迎だ。
ゴール後、優勝の香野さんと2位のアンディさんが健闘を称え合う。この日はアイウエアが壊れたアンディさんに香野さんが予備を貸すフェアプレー精神も見られた
TTJお馴染み、東京千駄ヶ谷の自転車ショップ兼カフェの「盆栽自転車カフェ」の出張屋台。猛暑のこの日は、アイスコーヒーやコーヒーフロートなど冷たいドリンクが人気。自慢の手作りブラウニーもご賞味あれ
日本コンピューター・ダイナミクスのブースでは、ニッスイのスポーツEPAを紹介。魚の脂から救出したスポーツ用サプリで、EPAの含有量が多く、リカバリーに効果がある。HDビデオカメラ付きGPSサイクルコンピュータ「X5-Evo」も展示された
じゃんけん大会の賞品は、ニッスイ「スポーツEPAウルトラピュア」。これで最終戦に向けてのトレーニングもばっちり!
表彰式
◆クラシック男子
優勝:香野祐一さん(中央)
2位:ウッド・アンディさん(右)
3位:山倉幹丈さん(左)
前回と同じ顔ぶれの表彰台となったクラシック男子。優勝した香野さんは「今日は最高の出来でした。タイムは前回よりちょっと遅いけど、この暑さでは想像以上。試走でタイムはちょっと落ちると予想していたので、その範囲で抑えられたので100点です」と満足の走り。
2位のアンディさんは「香野さんに負けないように平均45km/h出す練習をするつもりでしたが、実際は43km/hでした(笑)。9月の富士スピードウェイまで頑張ります」と脱帽。
山倉さんはこれが4度目の3位表彰台。「今回は(4位の)白鳥さんに負けたと思ってました。限界まで追い込んだので、これ以上は無理でした」
◆セミクラシック男子
優勝:佐藤史明さん(中央)
2位:加藤哲史さん(右)
3位:西川正隼さん(左)
1位~3位までが、0.981秒差の接戦となったセミクラシック男子。佐藤さんは初TTながら、見事な優勝。「初めてのTTで、最初の1周オーバーランしそうになったけど、2周目以降は抑えて走れました。なんとか優勝できてよかったです。暑さでたれたのが悔やまれますが、平均してまとめられました。TTは慣れてないので、勉強、改善しながら頑張っていきたいです」
2位の加藤さんは「全力まで追い込んだので、気持ちよく走れました。僅差だったけど、あそこをああすればというところはなかったので、しょうがないかな」と、納得の2位。
一方、3位の西川さんは「前回と同じ3位で、コンマ数秒差で2位だったので、もうちょっと詰められたかなあ」と悔しい表情。
◆セミクラシック女子
優勝:石井美絵さん
1stステージから皆勤賞の石井さんが、開幕5連勝。「暑い中、精いっぱいやりました。顔見知りの参加者も増えてきて、挨拶も出るようになってよかったです。富士スピードウェイも行こうと思います」
◆セミクラシックU-18男子
優勝:ウッド・ルークさん(右)
2位:ウッド・マークさん(左)
みんなのTTJの人気者、ウッド兄弟対決となったこのクラス。お兄ちゃんのルークくんが、弟のマークくんに貫録勝ち。表彰式ではご両親も一緒に記念撮影!
参加者の声
セミクラシックに初参戦の河原慎一さん。「試走の感覚だと3周息が続かない感じがしたので、突っ込み過ぎないようにと思ってましたが、気がつけば踏みすぎてました(笑)。ヒルクライムやエンデューロは出たことがあるんですが、TTは自分の新しいチャレンジで参加しました。今の時期は暑いので、短い距離で全力を出せるのがいいですね。1回でやめるかと思ったけど、またやってみたいです」
浪川祥弘さんも、セミクラシックでTTJ初参戦。「そんなにTTはやったことないけど、どれくらいのパワーが出せるか勉強がてら出ました。自分には無駄な動きがあると思うので、クラシックの人の走りを見て、ライディングスキルを勉強できたらと思います」
セミクラシック2回目の参戦の岡村好晃さん。「3周のうちどこで力を入れて、どこで抜くかわからないまま終わりました(笑)。もう50歳なんですが、常連の小川さんに感化されて、一緒に走ってみようかなと思って参加しました」
セミクラシック参戦の川島昭次さんは、スタートで並んでいるときにディスクホイールに装着したタイヤがパンクし、急遽ノーマルのホイールに交換して出走。「パンクは目の前が真っ暗になりました。タイムが伸びなかったのは、装備よりも気持ちの問題の方が大きいです(笑)。エントリーフィーもそれなりに安かったので、練習のつもりで手軽に出られるのがいいですね」
初参戦ながらセミクラシック男子で優勝した佐藤史明さん。「自転車歴は3年ぐらいで、ここはエンデューロ、ロードレースで走ったことあるけど、TTは一発勝負。ペースが違うし、コーナリングや巡航のスピードを試走で確かめて走りました。コースが走りやすくて、出し切れたのは満足。10分以内の全力走が一番きついので二度とやりたくないと思ってましたが、疲れが抜けると病みつきになりそう!」
クラシックに初参戦の角山卓さんは、職業が本田技研のエンジニア。「データをマネージメントし、それに対して確かめ算しながら走ったんですが、意外と行けなかったですね(笑)。ホイールはホンダ栃木のプロチームからの借りものです。このサイコン『X5-Evo』は画面が大きくて、情報が見やすかったです。以前、利根川河川敷のTTJに参加して楽しかったので、続けていただいたらまた出たいですね。暑い中、運営スタッフのみなさんもありがとうございました」
ハルヒル前日のTTにも参加したことがあるという岡田雄気さんは、クラシックに参戦。「やっぱりTTはきつかったですね。体力を使い果たしたし、アップで汗がダラダラになりました。3周目には力が入らなくて、長期的にパワー出せる練習をしないといけないですね。TTは好きなんですが大会が少ないんで、開催してもらえるとうれしいです」
高山雄太郎さんは、新車のラピエールのTTバイクでクラシック初参戦。「TTは初めてでつらかったです。実はTTバイクを買ったのが先で、このバイクを展示会で見て買いたいと思って、ショップ経由で注文しました。おそらく日本にまだ1台のはずです。まだ私の力不足だけど、平地は楽ちんなので乗り込んでいきたいですね」
フォトギャラリー
5thステージ リザルトはこちら ⇒ http://www.timetrial.jp/archives/info/5th-result
6thステージおよび富士チャレンジ200のエントリーはこちら ⇒ https://runnet.jp/parts/2018/182353/entry.html
(写真/光石達哉、FUNRiDE編集部)
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。