2021年12月06日
【東海シクロクロス第2戦 iRC TIRE CUP】各カテゴリーで全力の走り! C1は畑中勇介が優勝!
2021-22東海シクロクロス第2戦iRC TIRE CUP(特別協賛:井上ゴム工業株式会社)が、12月4日、愛知県新城市の「ふれあいパークほうらい」で開催された。
コロナ禍で2年ぶりとなった今回は、キッズからマスターズまで400人以上のサイクリストが出場。最高峰のC1カテゴリーではロード元全日本王者の畑中勇介(KINAN cycling TEAM)が優勝するなど、各カテゴリーで熱戦が繰り広げられた。
全日本選手権(12月11~12日、茨城県土浦市)を翌週に控え、シクロクロスシーズンが盛り上がる中、開催されたiRC TIRE CUP。男子、女子、男子マスターズ、アンダー、キッズと計15カテゴリーが行われ、誰でも年齢や実力にあったレースにエントリーできる。
コースは、フラットな芝生広場と砂地のグラウンドを、短いアップダウン区間でつなぐ1周約3km。天気は曇り時々晴れで、日差しが出ると暖かさが感じられた。風はほとんどなく、コース上もおおむねドライの好コンディションだった。
最高峰のC1カテゴリーは、25人が出場。60分のレースは、序盤から畑中勇介、大町健斗、渡邉歩(愛三工業レーシングチーム)のロードレースのトップ3選手が抜け出す。レース後半、渡邉が徐々に遅れて先頭2人になり、さらにラスト2周で畑中が加速して単独トップに。しかしその直後、畑中が落車して大町が差を詰めるが、冷静にリカバリーした畑中が6秒差で逃げ切り優勝。2位には大町、3位には渡邉が続いた。
「渡邊選手をちぎって、大町選手と同調しようと思ったんですが、余裕があるのか、いつか行かれるのかなと思って、ラスト2周までは様子見ました。彼が辛そうだなと思って、ペースを上げ直して、1人になれました。このまま勝ちかなと思ったら、荷重を抜いてロード曲がりをしてしまい、ズルッといっちゃいました。転ぶのはよくあることですが、チェーンが外れてレバーが地面に刺さって泥が入り、泥を落としているうちに追いつかれて、観客を盛り上げましたね(笑)」
今年の全日本選手権シクロクロスにも出場する畑中選手。シクロクロスも全力で戦いながら、自転車の楽しみを伝えていきたいと語る。
「ロードシーズンが終わって、翌週から野辺山と琵琶湖に出て、2レースともフルラップ完走できました。UCIポイントが獲れていれば、全日本選手権は1,2列目スタートになるので、4、5位を狙いたかったんですけど、本番は楽しんで心臓を全力まで追い込みたいです」
「僕はロードレースを全力でやっているので、シクロクロスは自分の調子を合せてやるレベルじゃないけど、楽しんでやっています。今は年齢も重ねてきたので、自転車を楽しむ生活を発信していきたいですね。もちろん、シクロクロスも走っているときは勝とうと思って全力でやっていますが、1年中自転車に乗っているのが楽しいよということを伝えたいです。仕事が自転車で、趣味も自転車という感じです(笑)」(畑中)
ロードレースではeNShareRacingTeamチームに所属する大町選手は、プライベート参戦。久しぶりのシクロクロスながら、最後まで優勝争いを繰り広げた。
「今年初めてのシクロクロスで、去年1年コロナ禍で出ていなかったので、ほぼ2年ぶりでした。全日本ロードが終わってからオフに入って練習していなかったので、今日のような結果になってしまいました。もうちょっと早く乗ってしっかり練習していれば、見せれる動きができたかなと思います。正直、情けないです」
「畑中さんが余裕あるのはわかっていたんですけど、最初はついていけて、行けるかなと思ったけど、やっぱり脚が違いましたね、(渡邉)歩さんは調子がよくわからなくて不気味な感じでしたが、最後は畑中さんとの勝負になるかなと思っていました。全日本は出ないで、次も東海シクロクロスに出る予定です」(大町)
「僕は砂でのコーナーのペースがあまりよくないので、畑中選手たちに前を引っ張ってもらいながらお勉強して、芝は僕の方がペースがあったので脚を貯めながら走っていこうと考えていました。序盤、畑中選手がミスしてバイクトラブルあったけど、そこで大町選手と2人で抜けていたら、勝つためには楽だったかもしれません。畑中選手のペースが速くて、さすがでしたね。後半、自分がミスをしたタイミングで遅れて、詰めようとしたけどペースが乱れて、3位に落ち着きました」
「今年、シクロクロスは前橋から毎週出ていて、全日本のエントリーもギリギリ通ったので、お勉強しに行きます。目標はフルラップ完走です。コースはここの芝に似ているそうなので、芝と割り切って準備する予定です」(渡邉)
シクロクロスは趣味として楽しんでいる渡邉選手だが、トレーニングとしても効果的で、脚力だけでレースが決まらないところも魅力だと語る。
「シクロクロスは、ぶっちゃけ趣味です。自転車が好きなので、いろんな人と触れ合えるのも楽しい。トレーニング的に一番は、心拍数ですね。今日は1時間平均175ぐらいでしたが、ロードレースではこんなに上がらない。TTと同じくらいの強度に持っていける。なかなか高い心拍数で長時間トレーニングできないので、シクロクロスはしっかり走れるいい環境です。楽しいし、練習もできる。これ以上のものはないですね」
「自分は選手なので地脚はあるつもりですが、シクロクロスだと年配の人や体の大きな人にもコーナーで置いていかれて、自分でがんばろうとしても詰まらない。今日のコースなら脚で引き離せますが、泥とかがあると時間帯でも走り方が変わるし、モータースポーツっぽいところもあって、奥の深い競技だなと思いますね」
写真と文:光石達哉
関連URL:東海シクロクロス http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/
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著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。