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2022年05月26日

【富士ヒルxドリームチーム】メンバーのバイクとトレーニングをチェック!

昨年に続き、今年も結成されたMt.富士ヒルクライム・ビオレーサー選抜「ドリームチーム」。5月初旬、そのメンバーが富士ヒルの舞台である富士スバルラインの試走会に参加。今回はメンバーのバイクや富士ヒルに向けたトレーニングについてチェックしていこう!

にんにんさん

バイクは、キャニオン・アルティメットCF SLX。「軽量オールラウンドで、どこでも乗れる。ドイツの工業製品という感じも好きです」。変速はアルテグラの機械式。「特にこだわりはなくて(笑)。換えるくらいなら、ローラー台を買った方がいいかな」。ホイールは富士ヒル用にカンパニョーロBORA WTOを新たに装着。WTOはウィンド・トンネル・オプティマイズドの略で、空力的に最適化された形状となっている。「タイムを比べると、以前使っていたホイールより短縮されている。富士ヒルにも向いていると思います」。

ハンドルはキャニオンのエアロタイプに変更。「富士ヒルはスピードが出るので、空力を向上させるためハンドル、ホイールを新しくしました。逆に軽量化はそれほど意識していません」。ブラケットもやや内向きに取り付け、エアロフォームが取りやすいように。
サドルはフィジーク・アンタレス・ヴァーサスEVOアダプティブ。座面が3Dプリントのパッドでクッション性が高い。

強豪ズイフターとしても知られるにんにんさん。富士ヒルは初参戦だが、好タイムが期待される。

「目標はゴールドで、試走タイムは料金所から63分でした。当日はゴールドのペーサーも務める予定です。体調や天候などのコンディションがよければ、なんとか行けると思います」

「平日はZwiftで、所属チームのEMUレースやSST(スイートスポットトレーニングの略、乳酸閾値付近でのトレーニング)ワークアウトを中心に行っています。同じ練習内容を共有してオンラインで会話しながら走ったり、いろいろしています。休日は実走で峠のセグメントをFTP走で繰り返し走るといったプランに取り組んでいます。地元で1人で走っています。本番まであと1カ月なので、現状のペースで続けていくだけ。これから変わったことをするつもりはないです」
「冬の体重は54~55㎏ですが、富士ヒル直前には52kg台に落ち着くように調整を進めています。急激なダイエットはせずに、摂取する脂質を少しずつ減らし『お腹が少し空いているなぁ』という時間を伸ばしていく自己流の減量方法を行っています。普段は甘党で運動した後はついつい食べちゃうんですが、食後のアイスやチョコレートは控えめにしています」。

「以前は趣味でスノーボードをしていたのですが、会社員しながら毎週末スキー場まで行くのが大変で、なかなか上達しないなと感じていました。自転車ならローラー台とZwiftがあるよと言われ、仕事しながらでも毎日練習できて上達も速くて楽しくなりました」

「もともとレースに出たい、競争したいという性格じゃないんです。ただ、コロナ前はちょこちょこ出ていました。ロードを始めたときに3年ぐらいの計画で集中して上達したい、3年目に年代別で表彰台に立ちたいと思って、榛名山ヒルクライム、戦国ヒルクライム、東京ヒルクライム檜原ステージなどで上位に入って、自分の中で大会はもういいかなという感じになりました。富士ヒルはそれ以来2年ぶりぐらいの大会。メジャーな大会なので記念にもなるし、一度出てみたいと思っていました」

「山は好きなので、大会がなくても1人で走っています。STRAVAのKOMを目標にゲームっぽく走ったりしています。Zwiftのレースも海外の強い人と争ったりするので。現実と変わらないと思っています。Zwiftで頑張ると、外で走るときも速くなったりするし、両方楽しみながらやっている感じです。リアルもバーチャルも両方好きで、両方ともないと嫌だなという気持ちです」

「去年の秋、東京~大阪間を中山道ルートで走るキャノンボールに挑戦しました。せっかくやるなら記録を残そうと、YOU TUBEチャンネルも始めました。23時間30分ぐらいで達成できたんですが、それもビオレーサーのおかげでした」

「最初はZwift用にインドアプレミアビブを買ったんですが、それのヴェイパーパッドが実走のロングライドでもいいことに気づきました。キャノンボールのときのレーパンも、ヴェイパーパッドじゃないと絶対無理と選んで走りました。それくらい好きです」

えーぞうさん

バイクは、ヒルクライマーに人気のルック785ヒュエズRS。「軽くてよく上ります。パリッとしていてバイクの振りも軽い」。重量は6.3㎏まで軽量化。タイヤも軽量なシュワルベPRO ONE TTを履く。
eecycleworksの軽量ブレーキキャリパー。鍛造アルミニウムを使用し、前後で177gと標準的なブレーキの約半分の重量。
上ハンドルを持っているときも変速しやすいようにDi2のサテライトスイッチを装着。

Zwiftを通して集まったチーム「EMU」の主幹として活動するえーぞうさん。昨年もドリームチーム選抜メンバーとして走り、シルバーを獲得した実力者。

「去年ドリームチームのメンバーとして、シルバーのペーサーとしても走りました。タイムはシルバーよりちょっと早い73分で、今年も自己ベストの70~72分ぐらいを目標にしています。ドリームチームのジャージを見つけてもらえば、誰でもトレインに乗ってください」

「トレーニングは、平日は1日2時間Zwiftをしています。火・木曜はEMUの公式イベントのバーチャルレースを開催し、人と競い合って高強度の練習。月・水・金は低強度で長時間の練習です。1週間のトレーニング時間は、13~15時間ぐらいが目標。1週間の中でL2、L3、L4(※L=パワートレーニングゾーンのレベル)それぞれの滞在時間の目標を決めてやっています」

「土日はチーム員や友人と誘い合って埼玉の都幾川あたりで、10~20分ぐらいの峠を実走TTしています。富士ヒルに向けて、5月末ぐらいにもう一度泊りがけで試走会をやる予定です」

  

「ロードに乗り始めたのは15年の冬で、最初はグルメライド中心。16年夏に乗鞍に出たら、4回ぐらい脚つって転んでタイムは2時間半ぐらいとほぼ最後尾でした。そこからもっと速く走れたら楽しいんじゃないかと思って、トレーニングをがんばり始めました」

「そのときローラー台を買ったんですが、『買っても続かないよ』と周りから言われたんです。でも、せっかく買ったんだからという貧乏根性で見よう見まねでパワートレーニングを始めて、速く走れるようになってきました。翌年の富士ヒルではブロンズが獲れました」

「最初はサイコンとにらめっこしながらトレーニングしていたんですが、当時Zwiftが出始めたぐらいで、ツイッターで誰でもいいから一緒にミートアップしようと呼びかけたら、200人ぐらい集まるようになりました。集まったらチームみたいにしたいと言われて作ったのが、EMUの成り立ちです。今の人数は約140人で、グルメライド好きな人から、大会で年代別や総合で上位に入るシリアスライダーまで幅広いです」

「トレーニングは1人ではつまらないし、つらい。楽しく練習できる環境作りたいというのがチームの理念です。地域的に1人で練習している人もZwiftを通じて知り合えるし、仲間がいることで継続的に練習でき、みんな楽しみながら強くなっていますね。だんだんリアルで集まって一緒に練習したり、大会に参加する機会も増えて、現在はZwift半分、リアル半分ぐらいの割合で活動しています」

EMUではビオレーサーをチームジャージとして採用。えーぞうさん自身もとても気に入り、チームメイトからの評判も上々だという。

「チームジャージは以前は他のところで作ったんですが、2年ぐらい前にビオレーサーが品質がいいと聞いて選びました。結果、とてもよかったです。ジャージだけでなく、キャップ、ネックウォーマーなどのアクセサリーも作って、チームメンバー以外でも欲しいという人がいて、かなりの数になりました」

「特にインドアビブは2年くらい毎日使っています。穴も開いていないし、外でも着れるし、ヘビーユーズしています。ヴェイパーパッドというパッドが使われていて、あまりにもよかったので、うちのチームジャージも追加料金がかかるけど全部そのパッドにしています。チーム員からも評判いいですね」

「ジャージで最近気に入っているのは、エピックのグラフェンワンピース。五輪選手も使っていたタイプで、炭素繊維が網目状に入っています。今までのより軽くて、ヒルクライムに最適です。伸縮性もよくて着てもシワが寄らないので、バタつきが一切なく、エアロ性能も高いです。もうひとついいのが、グラフェンの生地の空冷効果の高さ。夏の下りでも、日陰では寒いぐらいです」

「アクセサリーでは特にキャップがいいですね。今までいろいろ使ったけど、ビオレーサーは伸縮性があるので頭が痛くならない。また、つばが洗濯しても割れない。値段も他とそんなに変わらないし、耐久性もあります」

みつぱわーさん

バイクはカスタムペイントを施したアンカー。
トップチューブには「心を燃やせ」の文字。

88gと超軽量なカーボンサドルCATI

前回もドリームチームで走り、シルバー獲得・年代別2位の好成績をマークしたみつぱわーさん。今年は悲願の表彰台の頂点へ!

「今年初めはZwiftでベース練習をしつつ、実走派なので休日は外に出たかったんですが、4月ごろまで寒さと天気に恵まれず、ローラーも多くなりました。ローラーはL2、L3を中心にやって、実走はL4中心で10~20分の峠をTTしています」

「今の時期は引き続きベース練習しつつ、実走で富士ヒル、ハルヒルのコースを試走したりしてTTの時間を長くしています。実走でL5走をしたりと強度自体も上げています。強度が高くなってくる分、週の練習時間が少し減っていて、ボリュームが減って強度が高くなっているイメージです。ただ、今年は暖かくなるのが遅かったので、ガンとした強度が上げづらかったです」

「火・木曜はEMUのZwiftでの公式レースがあって、それは世界中の人が来るんですが、月・金は仲間内だけのちょっと緩い感じの『ゆっくりEMU』というミートアップを開催していて、L2、L3中心に回しています」

「自転車を始めたきっかけは『弱虫ペダル』で、今はマンガやアニメを見るより、自分が走ることに夢中になっています。富士ヒルは過去3回出ていて、去年72分で初めてシルバーを獲れて、年代別2位になれました。他はヒルクライム中心にエンデューロやクリテにも出ています。ハルヒルでも年代別2位を獲れたことがあるのですが、まだ優勝したことがないので、頑張りたいです!」

「ビオレーサーは去年から着始めたのですが、すごくいいですね! ビオレーサーのパッドは女性専用じゃなくて、ユニセックスだけど違和感ないです。他の女性サイクリストに『女性専用はないの?』って聞かれることもありますが、ユニセックスでも全然問題ないよと話しています。本番はワンピースを着る予定です。富士ヒルはエアロが重要になるので、袖もタイトでいいと思います」

かえんさん

バイクはサーヴェロR5。「この子に恥じない走りをしたい!」。
パワーメーターはローター製
ヒルクライマーにも人気のビッグプーリーは、RIDEA。チェーンとともにオイルスリックカラーでコーディネイト。

かえんさんも、昨年は年代別2位の実力者。今年は初のシルバーを目指す!

「富士ヒルは過去3回出て、去年は78分で年代別2位でした。80分切りたくて切れたので、今年はもうちょっと頑張ってみようかなとシルバーが目標です」

「去年のレースシーズンが終わって、冬の間は平日は2日ぐらいローラー、週1でパーソナルトレーニングで筋トレして、週末は100~200kmぐらいのロングライドをしていました」

「年明けからロングは控えて、朝は1時間~1時間半ローラー台でLSDをして、夜は週2ぐらいでSST強度、あとはベース練習を2時間ぐらいしています。1人で2時間はつらいので、時間を合わせてディスコード(ボイスチャットサービス)で繋いでみんなの様子を聞きながら、SST強度を織り交ぜながら長めにやっています。週末は実走で、今年はEMUのえーぞうさん、みつぱわーさんと一緒に埼玉で10~20分ぐらいの上り坂のTTを頑張ってついていっています」

「ロードバイクに乗り始めたのは、2018年ぐらい。もともとはレースするタイプじゃなくて、どちらかというとロングライド、ゆるポタ派。大会はヒルクライムばかりで、旅行も好きなので、地方のレースに出たついでに景色のいいところを走るのが好きです」

「ビオレーサーのチームジャージはまだ届いてなくて、今回初めてワンピースを借りて着ました。ワンピース自体着たことがなくて、しんどいのかなと思ったら着心地いいし、柔らかい。かつ、空気抵抗が少なくて走りやすいです」

さだっちさん

バイクは、スペシャライズド・Sワークス・ターマックSL7。「ヒルクライムよりエンデューロで使える仕様にしています」。この日のホイールは、富士ヒル用にマヴィック・コスミックSLRのリムハイト45mmを履いていた。「25Cのタイヤに合うホイールにしています。Roval Rapideも持っているので、どっちがいいか悩み中です」。タイヤはコンチネンタルGP5000のクリンチャー。
カーボンドライジャパンのビッグプーリー。

ロード歴3年目ながら、実業団レースにも参戦するさだっちさん。ヒルクライムは得意分野ではないが、富士ヒルではシルバーを目指す!

「エンデューロレーサーでもあるので、山練は2週間に一度程度。山練はなるべく複数で行い、ドラフティング、ペース保持を意識して富士ヒルと同じぐらいの獲得標高を峠数本で行っています。いつもは不動峠(筑波山)を14分前後で5本ぐらい上っています。あとはZwiftでベースアップのためL2走を増やしています。Zwiftは月1500~2000kmくらい走っています」

「食事はタンパク質、脂質、炭水化物の割合を意識し、なるべく筋力を減らさないように食べる量を減らさず、食べる内容を変えて体質改善をしています。タンパク質は胸肉200gとか食べています」

「ロードを始めたきっかけは、ダイエット。80㎏ぐらいあったので、痩せたいなと思って。『弱虫ペダル』を読んで自転車がちょうどいいなと。1年間はポタリングで、それ以降はロードチームに入って、今3つ目のチームが実業団で実業団レースにも出ています。今年、エンデューロでは筑波8耐の2時間のレースで、僕がリードアウトしてチームメイトが勝ち、自分も7位に入りました。富士ヒルは去年が初めてで、83分でブロンズ。今回はシルバーを目指します」

「ビオレーサーは個人的に好きで使っていました。パッドが他のジャージよりもしっかりしていて、フィット感も自分の身体のサイズに合いやすいと思います。デザインも好きです。去年の富士ヒルでは、オフィシャルジャージのデザイナーさん(奥村真美さん)と写真を撮りました」

大川さん

バイクはビアンキ・オルトレXR3、ホイールはマヴィック・コスミック。「特にヒルクライム用にしてないけど、ホイールだけ換えています」

大川さんはロードバイク歴はまだ1年半ながら、昨年初参加の富士ヒルでは99分。今年はブロンズへとステップアップを目指す。

「平日は、毎朝90分程度のバーチャルライド(Zwift/Rouvy)が日課。Rouvyを利用して獲得標高1000m以上の山岳コースをメインに選択し、実際の景色の映像を見て楽しみながら走っています。イタリア系の山のコース多いのもいいですね。割合的には8:2くらいでRouvyが多いです」

「週末はライドイベント参加や、ロングライド、ヒルクライムなど実車での走行中心。GWは高地トレーニングとして、渋峠を2日で3回上りました。群馬側から2回、志賀高原から1回です。食事や飲酒は特に制限せず、普段通りの生活を楽しんでいます」

「ロードバイクに乗り始めたのは20年末から。コロナで運動不足になってので。荒川が自宅から近いので、ロードの前はミニベロに乗っていました」

「ビオレーサーは、去年の大会オフィシャルジャージを記念に買って、着てみたらレーシーだなという印象でした。インドア用のビブも持っているんですが、パッドも厚みもあって着心地がいいです」

※※※

ドリームチームのメンバーの機材は、決して最新のハイエンドのものにこだわることなく、ヒルクライム向きや自分好みのものをチョイスしている印象。
トレーニングも特別な内容ではなく、Zwiftなどを活用して中程度の強度を中心に日々コツコツと積み重ねているようだ。みなさんも参考になるところがあるかもしれない。

関連URL:https://bioracer.jp/2022/03/01/bioracer-japan-fhc-dreamteam22/
EPIC ロードレースワンピースについて https://bioracer.jp/bioracer_epic167/
Mt.富士ヒルクライム公式ページ https://www.fujihc.jp/

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