2015年12月17日
3モデル インプレッション VOL.6 / SPECIALIZED編 プロローグ
3モデル インプレッション VOL.6 SPECIALIZED
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エンデュランスロードと3つのカ テゴリーを有するブランドをセレクトし、この3つカテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞ れのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。
第6弾はスペシャライズド。UCIワールドツアーチームのティンコフ・サクソ、アスタナ、エティックス・クイックステップという3チームに供給を行なうという、かつてない状況となったのはその優れた運動性能の恩恵に授かりたいから。いずれのチームもクラシックレースやステージレース問わず、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すことに成功しているのは、誰が見ても明らか。日本においてもシリアス・レーサーに圧倒的な人気を誇るのは言うまでもない。そんなコンペティティブなラインナップのスペシャライズドからは、スタンダードモデルとして、S-WORKS ターマック、エアロロードモデルとして話題のS-WORKS ヴェンジ バイアス、エンデュランスモデルとして、S-WORKS ルーベSL4をチョイス。さて、これらの3台からいったいどんなライディングフィールが得られたのだろう。
S-WORKS TARMAC DURA-ACE/デビューシーズンにグランツール2勝、世界選手権優勝を成し遂げた、スーパーカーボンバイク。サイズごとに剛性を最適化するように構造解析され、一様のライディングフィールを実現。日本人に多い54サイズ以下のモデルの改良も話題となった。価格:990,000円(シマノ・デュラエース完成車)、1,090,000円(シマノ・デュラエースDI2完成車)
S-WORKS VENGE VIAS DI2/その空力に特化したデザインは、完全に一体化されたスピードシステムといえる。ウィントンネルで最適化した空力性能、鋭いハンドリング性能によって最大限の効率化を図った最新鋭エアロロードバイク。さらにボディジオメトリーのコンポーネントをアッセンブルすることで快適性をも充実させている。価格:1.340,000円(シマノ・デュラエースDI2完成車)
S-WORKS ROUBAIX SL4 DISC/エンデュランスレース用に開発された数々の機構は、そのフォルムから明らかだろう。フォークとバックステーに配したZerts振動ダンピングインサートとCG-Rシートポストによって縦方向のしなやかさを実現。またFACTカーボンファイバーを採用したことで、パワー伝達性能も損なうことはない。価格:1,080,000円(シマノ・デュラエースDI2完成車)、490,000円(フレームセット)
スペシャライズドのイメージは……
小高:多くのプロチームに供給しているイメージがあって、あまりそそられませんね。
山本:実際に走って良いのはわかる。プロモーション上手だよね。過去10年くらいからロードに参入してきて、年々露出が美味くなっている感じ。海外のレースを観に行ったときも前々日くらいからスペシャライズドのバンが街を走り回ってる。イメージ作りがとても上手い。
菊地:今までは購入しないと思っていたけど、こっちが力負けしたかも。SL3までは性能が良くても、他のバイクに乗ったら忘れちゃってたけど、今は手がつけられないような魅力を放っているよね。
山本:コンペティション=ロードバイクっていう正しい定義をぶれずに打ち出せているブランド。いつでも運動性能のことを第一に考えてくれている。
菊地:さっき小高君が言っていたプロがたくさん乗っていてイヤだなっていうのは、僕も同感。資金力に任せてやっているイメージがある。けど、自転車の性能がそういう否定的な印象を打つ消すほど良い。いろいろなメーカーのプレスローンチにいくとターマックは必ず引き合いに出されていて、それが、いかにすごいかってのを表しているよね。
山本:最新バイクの良さを示すホワイトペーパーで、かならずライバルのモデルに入ってきますよね。てことは意識されちゃっているし、よそも良いバイクだって認めているところもあると思う。
小高:一番スポーティなイメージのあるブランドですね。悪く言うとスポーツ用品、速く走る道具っていう感じもしますね。
山本:道具は道具ですごくいいもの(笑)。だから割り切り方としてもアリだと思う。レース機材ってことで。ただ、今言ったように、愛でるように乗るのではなく、乗り倒すっていうイメージがしっくりきます。勝つために乗る自転車かな。
菊地:もともとがディストリビューターからスタートしているメーカー。で、上下関係をつける気はないけど、そういうところから叩き上げた最たるブランドだよね。まさにアメリカンドリームを掴んだという。なんかグローブやヘルメットも気がついたら同社の製品を使っているしね。
山本:いつのまにか良い製品ってスペシャライズド製だったっていう展開になっていますね。手っ取り早く速くなりたいだったらコレに乗れ、って断言できちゃう感じですね。
(写真:和田やずか)
スペシャライズドのお問い合わせ先
スペシャライズドジャパン http://www.specialized.com/ja/ja/home
TEL.046-297-4373
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。