記事ARTICLE
  • 記事
  • 機材・インプレッション

2021年09月11日

【ELITE】バーチャルがよりリアルに。世界初のステアリング&勾配再現アイテム、RIZERをテスト&チェック!

トレーニングに打ち込む熱心なサイクリストにとって、バーチャルトレーニングはポピュラーな存在となった。もはや実践していないことがディスアドバンテージとも言える。バーチャルトレーニングに付随してトレーニングメニューの開発も進み、ますますクオリティの高いトレーニングが可能になった。

その可能性のひとつとして「しょせんバーチャル」と、もはや片付けられなくなるようなアイテムが発表された。
バーチャル空間で自身のアバターを操作するステアリング機能と、勾配変化を実際のインドア環境で再現するというもの。その唯一無二の存在こそがELITE RIZERである。
ライバルメーカーの先行品で、勾配変化を再現するものはあるが、ステアリングを兼ねているものは世界初といえる。バーチャルとのボーダーレスへの第一歩、となるか。

入荷時期は10月でエリート・デモ機設置販売店の他、全国のプロサイクルショップで予約受付中。
https://www.riogrande.co.jp/shoplist/shoptag/670

INDEX(項目をクリックすると記事に飛びます)


▷スペック
▷ビジュアル
▷チェック&テスト
▷他社製のトレーナー
ELITE RIZER

▷スペック

税込価格:131,000円
可動域:20%(上昇)/-10%(下降)
互換性:Direto XR/XR-T、Suito/Suito-T、Tuo
サイズ:728x345x387mm(HxWxL)
付属品:クイックリリース、アダプター(QR、12×100、15×100、15x110mm)
重量制限:最大120kg

入荷時期は10月、エリート・デモ機設置販売店の他、全国のプロサイクルショップで予約受付中です。
https://www.riogrande.co.jp/shoplist/shoptag/670

価格だけで判断するとお手頃とか、リーズナブルといった表現はお世辞にも使いにくい。しかしそのスペックを鑑みた後ではまったく別の印象をもつことに。

クイックレバー、スルーアクスルとホイール規格を選ばず使用することができる。

▷ビジュアル

円柱状で70cmほどのタワーを、前後にスライドするベース板で支える構造。
一見すると無骨に見えるが、機能美を最優先したシンプルなデザインと受け取ることができる。余計な装飾を省くことで足元のスペース的に余裕(フロントの足元にはサーキュレーターなどを置くこともあるので)を保っている。
4本の足で高さ調整ができ、がたつき防止や水平をとることができる
スマートトレーナーと同期するなどの作動中にはランプが点灯する。
ハンドルを左右に切ることでステアリング動作を可能にするフォークマウント部。なおステアリング機能は現時点ではZWIFTのみ正式対応。
本体の上部にあるカギのマークを長押しすることで、スマートトレーナーと連携できる。
ELITEのラインナップで互換性があるのはDireto XR/XR-T、Suito/Suito-T、Tuoの5機種。

▷チェック&テスト

縦横の動きがあることで、ライドに集中せざるを得なくなる(いい意味で)

バーチャルフィールドの勾配は、スマートトレーナーを介して負荷として滑らかに再現されているが、傾斜シミュレート機能によって上下の動きが加わった。自分の意思で操作するステアリング機能も加わると上下左右の動きによって、気分的にリアルでライドをしている緊張感を楽しめた。勾配の変化はバーチャル空間のそれに同期しているが、トレーナーから送信されるパワー値を元に再現。よってパワー値によってスピードがゆっくりであればゆったりと滑らかに勾配が変化していく。
傾斜の変化によってポジションが変わることで、ペダリングやフォームにも変化がおきる。実際に峠を上っているフォームが再現しやすく、脚力だけでなく全身の筋力を動員したライドが可能だろう。

Zwiftとの同期はあっという間(当然ですが)。
RIZERの傾斜シミュレート機能はROUVYなど多くのトレーニングAPPにも対応し、他社製トレーナーでも利用できる場合も。

『せざるを得ない』はむしろポジディブな意味合い。

バーチャルだとどうしても数時間というサイクリングのような走り方は不向き(やっている人もいるけど)なので短時間かつ集中して走りたい。そんなゾーンの入った状態はいわゆる没入感というものに近い。そういう意味でもRIZERがあれば、いわゆる「ながら」インドアトレーニングをすることなく、バーチャルレースやワークアウトメニューにしっかりと打ち込むことができるだろう。

マニュアルの昇降機能が意外と使える

スマートフォンアプリ「RIZER」でもマニュアル操作ができる

バーチャルフィールドに連動させる方法以外にもマニュアルで勾配変化をつけることができる。ユーザーの指定の勾配で固定するという機能であり、一定の角度に保つことができるので、独自のトレーニングメニューをこなす場合などに活躍しそうだ。

ステアリング操作においては、すでにSTERZO SMART ステアリングブロックが存在しているが、それと同様にハンドルを意図的に左右にきることで、バーチャルフィールドのアバターを操作することができる。
ハンドルは元に戻ろうとする力が働くので実走感により近い感覚が得られる。
おもにZwiftで使用することができる機能だ。

▷傾斜シミュレート機能は、他社製のトレーナーでも使用可能かもしれない

耳寄り情報としては他社製トレーナーでの利用も可能だという。
『傾斜の再現はトレーナーから送信されるパワー値を元に再現されています。
他社製トレーナーでの利用も可能ですが、その場合は、自転車が上下した時にフレームとトレーナー本体が干渉しない事、トレーナー本体からパワーデータがANT+FE-Cで送信されている事が利用条件となります。
パワー値が送信されていない場合、スピードとケイデンスからパワー値を演算して傾斜を再現しますが、正確性は低くなります。
他社製トレーナーでRIZERが使用できるかどうかは、トレーナー各社へお問い合わせください。』メーカーより


お問い合わせ:カワシマサイクルサプライ
ELITE https://www.riogrande.co.jp/product/term/504

写真:小野口健太

関連記事

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする