2018年08月09日
【CANNONDALE】キャノンデール史上最速のロードバイク NEWシステムシックス
スピードへの憧れを持ち続けているすべてのライダーのための至高のマシンとして、システムシックスが生まれ変わった。
「新型SystemSixは超高速走行を実現するために生まれたロードバイクです。空気抵抗は、シリアスレーサーだけでなく、誰もが立ち向かわなければならない最大の敵です。新型SystemSixは、すべてのライダーがあらゆる環境下でより速く、より遠くへ走れることを目指し、世界最速という高い目標をクリアしたのです」
R&Dデザインエンジニアのネイサン・バリー
NEWシステムシックスは、フレーム、フォーク、ハンドルバー、ステム、ホイール、そしてシートポスト、バイクを構成する重要な6つのエレメントを1つのパッケージとして統合的にデザインしている。またディスクブレーキ専用設計となったことでリムブレーキだったことによる設計上の制約から解放され、設計の自由度が高まった。そして、フレームとフォークがシームレスにつながったことにより加速の壁となる空気抵抗を抑えているという。さらに、ブレーキならびにシフターケーブルを完全に内蔵することで、滑らかな外見だけでなく、世界最高の剛性と乗り心地をキープしながら空気抵抗を究極まで抑えることに成功した。
グランツールの山岳ステージでも上りの平均斜度は7〜8%。NEWシステムシックスは6%の勾配まではクライミングバイクよりも速く走ることができるという。優れた空力特性のなせる性能だ。
このバイクのパフォーマンスの例を挙げると、時速48kmで走行した場合、通常の軽量バイクと比較して50ワット以上のパワーセーブを実現している。ドラフティングをしていたとしても最大60%の恩恵が受けられる。時速30kmで走っていたとしても10%エネルギーセーブできる。
また勾配5%の下りを時速60kmで走行する場合、通常バイクでは300ワット以上ものパワーが必要だが、NEWシステムシックスなら200ワットで到達できるという。
システムシックスはフレーム重量は981g(サイズ56)。剛性面でもヘッドチューブ剛性、BB剛性はスーパーシックスEVOハイモッドとほぼ同じ値を実現している。
新たにシステムインテグレーション思想の到達点としてKNOT64ホイールとKNOTシステムバーをリリースする。
リムハイト64mmのKNOT64ホイールは、ワイドタイヤ化によって一般的には増加すると考えられる抵抗をむしろ軽減するように設計されている。そして、高い快適性、低い転がり抵抗、高いグリップ力なワイドタイヤによるアドバンテージのすべてを兼ね備えた高性能ホイールセットだ。21mmのワイドなリム内幅によりエアボリュームが増加。23Cタイヤを装備した場合、26mm相当の幅になる。リム外幅は32mmで前方からの気流をスムースに流す。
推奨タイヤは700X23Cとなるが、それ以上のワイドサイズも使用可能
KNOTシステムバーは、ハンドルバーとステムを一体として設計することにより空力性能を高めたスマートなルックスと、ツーピースシステムならではの調整幅の広さが特徴です。ハンドルバーは、独立して±8°のピッチ調整が可能なため、ステム交換は不要。簡単にパーフェクトなポジションを実現できる。
ハンドルバーから伸びたケーブルはヘッドチューブ正面のスペースからヘッドセットベアリングの外側を通り、フレームに内蔵される。なお、ケーブルの損傷を防ぐために、ステアリングストップ機構(50度を超えてハンドルが切れるのを防止する)が施されている
ハイモッドにはパワーメーターが標準装備される。使用するためにはPower2MaxのWebサイトにログインして、1回限りの料金を支払う必要がある。そしてスマートフォンと同期して、よりスマートなトレーニングを始めることができる
その他、その他、ホイール交換をよりスピーディーかつイージーにするスピードリリーススルーアクスルを採用。また、ケーブル類は、ヘッドセットベアリングの外側を通っているため、調整は容易となる。
スピードリリーススルーアクスル。スルーアクスルながらリアホイールの着脱を容易にする、従来のロードエンドのように切り欠きが入った独自のリアエンド。同様にフロントもアクスルを引き抜くことなく素早くホイールの着脱ができる
DEMO機能はショップの工数を減らす画期的なアプリ。ヘッドチューブ裏には2次元バーコードが貼られている。これをアプリでスキャンし、画像をバイクに重ねることで、ケーブルルーティングなどの内部構造をアニメーション化することができるなど、組み付けのサポートが受けることができる
ダウンチューブにはボトルの取り付け穴が3つある。ボトルを一つしかつけない場合は下二つを使うと、空気抵抗がより抑えられる
タイムトライアル用のようなコンパクトなサドル・プロロゴ ディメンションナックを標準装備
価格(税抜)
システムシックス ハイモッド デュラエース Di2 / 1.050,000円
システムシックス ハイモッド アルテグラ Di2 / 790,000円
システムシックスカーボン デュラエース / 640,000円
システムシックスカーボン アルテグラ / 420,000円
システムシックス ハイモッド フレームセット / 460,000円
キヤノンデール待望のエアロロード。メジャーブランドとしては後発となったが、さすがは業界のトレンドそのものを動かすような製品をリリースしてきたキヤノンデールらしい先駆的なフォルムとテクノロジーをもっている。これまでラインナップにエアロロードが存在しなかったという事実を打ち消して、差を一気に埋めてしまうようなインパクトがある。
このバイクを構成する6の要素をインテグレート化するという、近代スポーツバイクらしい構成で、バイク全体に一体感があるのが好ましい。
ホイールメーカーのHEDと共同開発を行なったカーボンディープホイールのライディングフィールが色濃く現れているのを実感した。そしてスピードが上がるほどペダルが軽くなっていくようなライディングフィール。振動吸収性も高く乗り心地も悪くない。
前後ホイールとも64mmという比較的リムハイトが高い設計なので、ハイスピードでダウンヒルをしているときに横風の影響を感じる場面もあったが、乗り込んでいけば慣れていくだろう。
ホワイトペーパーでは上り勾配6%ならばシステムシックスとスーパーシックスEVOの性能が拮抗しており、勾配6%以下ならシステムシックスの方が有利であるという。これは緩斜面なら登坂抵抗よりも空気抵抗が優位であることを示しており、エアロロードバイクのパフォーマンスを数値で示すものだ。
実際のライドでは6%の上りならば“脚が残って入れば”20km/hほどのスピードで巡航することも可能で、抵抗になる風圧を感じる。集団走行であればより顕著で、積極的にローテーションに加わるなら集団自体のスピードを上げるような動きもできるということだ。速く走れば走るほど、よりエアロ形状の恩恵に授かれるということだ。逆に脚力が足りないと思うライダーは、バイクに見合うよう、ライドを重ねるモチベーションに置き換えることもできる。
またエアロロードのフォルムながらも軽量に仕上げており、重量剛性比もスーパーシックスEVOハイモッドに匹敵する高い値だという。
個人的にはロープロファイルのホイールがチョイスできるといい。いずれにしてもキヤノンデールのエアロロード第一世代はライドする動機付けにもってこいのバイクであった。
そのほか注目の2019年 ロードバイク&ファブリックの新作アイテム
ニューバイクとして注目なのが、グラベル向けのトップストーンだろう。ピュアでシンプル、優れた万能グラベルロードだ。
トップストーン エイペックス1
キャノンデールの本社近くにあるお気に入りのオフロードループにちなんで名付けられたTopstoneは、これぞ本物のグラベルバイク。大きなエアボリュームのタイヤ、安定したライダーポジション、スポーティなハンドリングでどんな状況にも対応。裏ルートも躊躇することなく駆け抜け、新しい道を開拓する。もちろん朝の通勤だって快適にすることができる。
ポイントは5つ
余裕たっぷりのタイヤクリアランス
最大42mm幅のタイヤまで対応する充分過ぎるクリアランス。快適でグリップ力に優れ、大胆なライドに最適。
アウトフロントステアリングジオメトリー
寝かせたヘッドアングルと55mmのフォークオフセットの組合せにより、高速走行での安定性と、切れのあるハンドリングを両
立。これで冒険ライドに必要なすべてが揃った。
安定したライダーポジション
Topstoneは、Synapseと共通のスタック&リーチで、安定感抜群のスポーティなライディングポジションを提供。
フルカーボンフォーク
全モデルにフルカーボンフォークを採用。テーパーステアおよび12mmのスルーアクスルにより、軽さと快適さ、精密なステアリ
ングを提供。
アドベンチャーライドへの準備完了
3本のウォーターボトルを装備できるマウントと、トップチューブストレージ用マウント。Topstoneならいつでも遥か彼方を目指
せる。ダウンチューブマウントの複数のボトルケージポジションにより、大き目のフレームバッグも装着可能。
価格(税抜)
トップストーン エイペックス1 / 220,000円
トップストーン 105 / 190,000円
トップストーン ソラ / 115,000円
インテイク Mips 価格(税抜)11,000円(カラーはモックアップ)
Mipsを搭載しながらもリーズナブルな価格に。空気抵抗を軽減する形状ながらも13個のエアベントを搭載。重量は280g (S/Mサイズ) 。サイズは2種類。カラーは3種類
ウルトラライトハンドルバー 価格(税抜):13,000円/ウルトラライトステム 価格(税抜):7.500円
要望の多かったオリジナルハンドルバーとステム。信頼性の高いアルミ製で軽量。
ハンドルバーはサイズは400、420mm(リーチ75mm、ドロップ125mm)重量は240g
ステムは90、100、110mmの3種類。重量は98g(90mm)。ガーミンマウント付属
豊富なカラーバリエーション
2019年のカスタムラボに変更が加わる。新しい色とデカールカラーが追加される。
昨年の夏に8色が加わっているので34色。今年は10色加わっている。カスタムラボで選べるカラーは44色となった。
デカールカラーは新色が2色加わり、暖色系が多かったが今回はブルー系が追加となる。またプレーングラフィック専用デカールも用意される。ベースカラー透過タイプのデカールも展開し、落ち着いたカラー仕上げにしたいニーズに応える。
“カーボンキラー”と称される高性能アルミフレームCAAD12をベースにしたカラー展開。CAAD12カラーは昨年リリースされた22色展開(新カラーは6色)となる。今年はさらに魅力的な価格になった。さらにフォークの同色化も実現できるようになったのもうれしい。パーツのグレードも変更され、価格を最適化。価格は125,000円(税抜)、フレームサイズ: 44, 48, 50, 52, 54, 56, 58となる
自分だけの一台を。そんな希望を叶えるカスタムラボもよりバリエーション豊富となった。ニューグラフィックは6色。完成車は532,500円〜、フレームセットは470,000円〜(いずれも税抜)
fabric/ファブリック
ガーミンマウントに取り付けることができる、画期的なライト“ルーマレイ”。照射範囲は270度、30ルーメン。価格は3,500円
耐水コーティングを施した耐久性の高いPVC 素材を使用したサドルバッグ。大きさは3タイプ(0.443L、0.955L、1.33L)。価格(税抜)は2,800円(0.443L)、3,300円(0.955L)、3,800円(1.33L)
快適性を追求したスクープ スポーツに“フラット” “ライン” “シャロー” (奥から)が登場が登場。選択肢が広がった
関連URL:キヤノンデールジャパン https://www.cannondale.com/ja-JP/Japan
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得