2016年03月30日
3モデル インプレッション Vol.13/NEILPRYDE編 プロローグ
3モデル インプレッション VOL.13 NEILPRYDE
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エン デュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3カテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブ ランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。
第13回はニールプライド。1970年に創業した、ニュージーランドのレーシングヨットのセールメーカーで、ヨーロッパのヨットビルダーにセールを供給していたという。長年にわたるヨット業界で培ったのは複合素材の開発だけでなく、エアロダイナミクスにも及ぶ。卓越した技術は競技用自転車と親和性が高く、サイクリストに受け入れられるために、それほど多くの時間は必要なかったのだろう2011年にメジャーデビューを果たし、BMWグループデザインワークスUSAとコラボレーションしたモデルは大いに話題となった。これまでの歴史を積み重ねることによってブランド地位を確立する常套的な風習から外れた、セオリーをもったブランドなのである。今回テストライドしたモデルは、スタンダードモデルとして、ビューラSL、エアロロードモデルとして、ナザーレ2、そしてエンデュランスモデルとしてゼファーをチョイス。
BURA SL/フルモデルチェンジを果たしたビューラSL。フレーム重量はわずか710g(S/510mm)だが、加えられた力を推進力へと変換する効率を考慮したうえで、実現したのがこの重さであるという。■フレーム:C6.9 TORAY UD■フォーク:C6.9 TORAY UD■試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエース■ホイール:フルクラム・レーシングゼロ■完成車実測重量: 6.6kg(ペダルなし)■カラー:ブラック×マット、ブラック×ブルー×ホワイトグロス■サイズ:XS、S、M、L、XL■価格(税別):799,800円(シマノ・デュラエース9000完成車)、599,800円(シマノ・アルテグラ完成車)、429,800円(フレームセット、シートピラー付属)
NAZARE2/エアロダイナミクスを追求したフレーム形状はまさにニールプライドの真骨頂。さらにチューブやジョイント部分で発生する応力についても解析し、さらなるスピードを求めたモデルだ。さらにエアロフレームながらも920g(L/560mm)と軽量だ。■フレーム:C6.9 TORAY UD■フォーク:C6.9 TORAY UD■試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエース(クランク:ローター・3D)■ホイール:GSアステュート・カーボンホイール■完成車実測重量: 7.0kg(ペダルなし)■カラー:ブラック×グリーン×グレイマット、ブルー×ホワイト×ブラックグロス■サイズ:XS、S、M、L、XL■カラー:ブラック×レッド×ホワイトグロス、ブラック×ブルー×ホワイトマット■サイズ:XS、S、M、L、XL■価格(税別):649,800円(シマノ・デュラエース9000完成車)、499,800円(シマノ・アルテグラ完成車)、359,800円(フレームセット、シートピラー、デュラエース 9010ブレーキセット付属)
ZEPHYR/長距離ライドに適したジオメトリーを採用したエンデュランスロード。さらもパワー伝達性能と、フレームのしなりを完璧なバランスを実現しており、競技指向からサイクリングまで幅広く対応する。■フレーム:C6.7 TORAY UD■フォーク:C6.7 TORAY UD■試乗車のコンポーネント:シマノ・105(クランク/FSA・ゴッサマー)■ホイール:ニールプライド・カーボンホイール■完成車実測重量: 7.6kg(ペダルなし)■カラー:ブラック×グリーン×グレイマット、ブルー×ホワイト×ブラックグロス■サイズ:XS、S、M、L、XL■価格(税別):419,800円(シマノ・アルテグラ完成車)、309,800円(シマノ・105完成車)、234,800円(フレームセット)
NEILPRYDEのイメージは……
山本:最初はエアロをうたっていたブランドでしたね。最近の展開はややおとなしめで、ここいらでガツンと響くモデルが欲しいところ。
小高:初めて見たときにカッコいいな! と思いました。デザインのバリエーションが少ないのでちょっとシンプルなイメージもありますね。
菊地:僕は結構好きなブランドなんだよね。みんながあまり注目していないこっそりとした(失礼!)良いブランド。値段のわりに走るし、モデルチェンジも少ないし。自分が乗っていたバイクがすぐにモデルチェンジをしてしまったらやっぱり嫌だよね。……って考えるとニールプライドはおすすめ。
小高:特定の色が付いていないし、乗るスタイルを固定されなくていいかもしれません。
菊地:どこのメーカーのウエアでも着て走れるよね。意外性もあると思うし”なんでニールプライドに乗っているの?” って聞かれそうでしょ。まあ、あとは自転車の好きな方向性が違うんだよね。さっき心に響くモデルが欲しいと言っていたけど、よしあしの評価は似てくるかもしれないけれど、レーサーとしてのヤマケンと、自転車愛好家としての僕では、評価にも違いはあるだろうね。
山本:とはいえ実用的ではあると思います。カラーリングもシンプルであわせやすい。だからよく乗る人がすすんで選んでいるイメージはある。
菊地:人に薦めるのにもいいよね。不安要素が少ない。
小高:オーソドックスで使いやすそうですよね。極端なギミックを用いていないので。
山本:ニールプライドにときめいていたのは最初の一瞬だったというのは正直なところ。でも群雄割拠のなか新興ブランドとして、かなり頑張ってプロモーションをしているのは感じますね。プロチームにも供給を行なっているし、このように3シリーズ揃っているし。乗ってみて印象が変わるタイプのブランドだと思います。そういう意味ではみんなも気になるブランドになるのかな?
菊地:さっきメーカーのカラーの話もでたけど、固定のイメージがなく無色透明感があるからどんなパーツで組んでも良さそうだけど、知識がないとどうやってかっこよく組めるのかわからないという悩みはありそうだね。
山本:王道的な組み方でもいけるし、サードパーティで攻めた組み方をしても面白いかも。いずれにしてもガンガン乗ってキズを気にすることなくライディングを楽しめるブランドっていうイメージに落ちつきましたね。
(写真:和田やずか)
ニールプライドのお問い合わせ ジオライドジャパン
http://www.neilprydebikes.net/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。