2015年11月24日
3モデル インプレッション Vol.3/TREK編 総論
トレック★総論
菊地:やっぱりレベルが違う。
山本:菊地さんがライド中におっしゃっていた、3台とも性能のズレがなくてすべてが最新、っていう表現はまさに言い得て妙ですね。この3モデルが同時期に存在しているって企業規模の大きさを痛感させられる。しかもMTBの開発も平行して行なっているし。
菊地:クロスバイクもあるしね。……3モデルも集めると、他のブランドではちょっと古めかしさを感じるバイクが1台あったりすることもあるけど、そういうのを感じることがないのがトレックだよね。
山本:ここ何年か見ているとトレックはまさに追従される側。ちょっと先行された感のあった近代のエアロロードだって、このマドンをリリースしたらもう集団を置き去りしてしまった。
菊地:ここ10年の、ロードバイクの乗り味のオピニオンリーダーはマドンといっても過言ではないよね。数年前にフランスの別のローンチで会ったじゃん?「このバイクどうだった」っていう話をしたんだけど“マドンみたいでした”って返されて、あー、マドンみたいかって通じちゃうみたいな。新しい節目ではマイルストーンになり続けているよね。
小高:てっきりエモンダに主軸を置くのかと思っていたら、マドンをフルモデルチェンジして。マドンの名前は残すんですね。
菊地:総論としては、やっぱりエモンダなんだよ。マドンはユーザーが分解や組み立てをすることを考えると、ちょっと躊躇するよね。クルマを持っているならまだいいけど、ローカルバイクになってしまうよね。
小高:海外に持っていこうと思ったら、構造をかなり学習しないと輪行ですら大変ですね。
菊地:そういう意味で、本当の総合力ではエモンダだなって。マドンは特殊用途な気がする。
山本:現在の嗜好がそっちに向いているのかもしれないけど、僕はドマーネが理想的でしたね。“競争のツール”とした上で快適性を付加価値にしたモデル。あくまでもレーシング寄りで快適だという。エンデュランスバイクの姿はこうあるべきだと思います。ロードバイクだったらスピードを失ってはいけないですね。
菊地:ドマーネって、BMWのM6みたいな超高性能スポーツセダン。セダンで4人乗りでスポーツカーも追い回せるけど、ホテルに横付けしたときに、正しい服装をした人が出てくるような万能感がある。話を戻すと、いろいろなブランドで3本のフレームを試したとき、どれか1本は少し過去の雰囲気を感じたりすることがあるけど、トレックに関しては山に合わせたい、競争だけじゃない、とにかく軽い走りをしたいという要求に対して、コレねってオススメすることができる。
小高:実際、ドマーネでレースもできるし、エモンダでファンライドもできますね。
菊地:テイストが違うだけで、3モデルの守備範囲ってすごい被りかたをしているよね。点数を付けたら3台とも同じような高得点を獲得できている。あと、この数年はグラフィックの発色が良くなった。こんな綺麗に出せるなら良いね。
山本:プロジェクトワンのスタイルはいいですよね。自分でデザインするっていうとハードルが上がるけど、こういうデザインパターンから選べるとすごく良い。
菊地:俺ね、2世代前のマドンからいつ買ってもおかしくない状態(笑)。それでも最新モデルは別格だよね。バイクから降りたらすぐに別のことを考えちゃうことが多いけど、一回振り返って“いや〜良かったなあ”って思ったのは。
山本:2016年のマドンってすごく扱いが大変だけど貴重な気がしますね。ここまで構造を複雑化したバイクはそうそう存在しない。ひょっとしたら開発が進んでこの機構を簡素化できてしまうかもしれない。そうなったときに、2016マドン、オレ乗ってんだぜ、って威張りがきくかも……なんて考えているなんて、チョット病気かも(笑)
(写真/和田やずか)
お問い合わせ先:トレック・ジャパン http://www.trekbikes.co.jp/jp/ja/
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著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。