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2017年08月08日

【2018 NEWプロダクツVOL.1】ORBEA / ORCA AERO

ORBEA / ORCA AERO

オルベアの最高級シリーズ“オルカ”に、空気抵抗を低減した“オルカ・エアロ”がラインナップに加わった。今シーズンから適用されたUCIの新ルールに則った最新のスタイリングを採用。
モンドラゴン大学と共同開発した風洞実験室を使ってフレームをデザインし、時速50㎞のタイムトライアルで27W、時間にして1分22秒のアドバンテージを築くという。また、ねじれ剛性は前モデルの94Nmから104Nmへとオルベア史上最強の剛性を誇り、パワフルなライディングスタイルにも負けない力強さを兼ね備えている。ブレーキはダイレクトマウント方式を採用して整備性を確保、エアロだけでなく総合的な高性能化を果たしている。

ORCA_AERO_BLACK


ORBEA ORCA AERO スペック
オルカ エアロ フレームセット 価格(税抜):480,000円、500,000円(MyO)

カラー 【MyO対応】:メタル-ブラック-サテングロス、オレンジ-サテングロス
サイズ:47、49、51、53、55、57、60
フレーム:オルベア エアロ カーボンOMP
フォーク:オルベア エアロ OMP

オルカ エアロ M11i チーム eTAP 完成車 価格(税抜):1,200,000円、1,220,000円(MyO)
オルカ エアロ M10i チーム デュラエース Di2 完成車 価格(税抜): 1,100,000円、1,120,000円(MyO)
オルカ エアロ M10 チーム デュラエース完成車 価格(税抜):700,000円、720,000円(MyO)
オルカ エアロ M20i チーム アルテグラ Di2 完成車 価格(税抜): 600,000円、620,000円(MyO)
オルカ エアロ M20 チーム アルテグラ完成車 価格(税抜):500,000円、520,000円(Myo)
オルカ エアロ M30 チーム 105 完成車 価格(税抜):450,000円、470,000円(MyO)

スクリーンショット 2017-07-26 22.31.28

IMG_4799サイドビューでは扁平率の高さが際立つため、ともすると剛性が低そうに見えるが、角度を変えるとダウンチューブやBB周辺の力強さが見てとれる

IMG_4713変速機を取り付けるリヤエンドは落車時にフレームの損傷を防ぐため分割構造になっている

IMG_4718空力&剛性面で優位性を誇り、流行の兆しを見せる一体型ハンドル。オルカエアロは開発段階からFSAを協力しメトロン5Dの使用を推奨している

IMG_4721
シマノの電動コンポDi2のジャンクションAをダウンチューブに内蔵できるICRプラス。スラム・eTapや機械式変速のケーブル処理もICRプラスで処理される

IMG_4724ボトルケージ台座用ボルトが3ヵ所あるマルチマウントシステム。小さなフレームサイズでエアロボトルを装着する場合などに活躍する

IMG_4731左右独立で、上下方向からワイヤベースを固定するシートポスト。セットバックは43㎜

IMG_4734空気抵抗を減らすとともに、バックステーの剛性を上げて加速性を向上させるダイナミックストラクチャーを採用

IMG_4739リヤブレーキ&シフトケーブルはトップチューブのギヤ側にインテークを設定している

IMG_4743フロントフォークはブレードが湾曲して気流の乱れが小さなフリーフローコンセプトを採用したデザインに

IMG_4754BBは高効率を実現しレースバイクでは高い定評を誇るBB386EVOを採用

IMG_4764制動力の高いダイレクトマウント方式のブレーキを採用。フロントフォークのクラウン部分を強度メンバーに加える構造で高いコントロール性を実現する

IMG_4781現在では標準的なクランプバンドとフレームを統合するデザインはオルカが先鞭をつけたもの

IMG_4786フォークコラムのサイズは上が1.125インチ、上が1.5インチと高剛性を狙った設計となっている


IMPERSSION8V3W5102

潔い設計のエアロロードフレーム★山本健一
このバイクのエアロダイナミクスを最大限に発揮しようものなら、少なくともドメステイック プロサイクリスト以上の走力が必要だろう。というのも設計段階ですでにそういった設計を施しているとエンジニアが語っているからだ。そういった意味で、まさにプロのためのバイクを一般ユーザーが手にいれて悦に浸ることができる。
この優雅なフレームワークから発揮される剛性レベルは、週末と平日のわずかな時間しか取れない筆者のヤワな脚を跳ね返してしまうような、いたずらな硬さではなく実にすんなりと前に進めるイメージだった。見た目やスペック上のアグレッシブさとは裏腹に走りやすいフレームの質感は、むしろ我々のようなホビーレーサーも楽しめるもの。もちろんヴィジョンのカーボンホイール、そして異彩を放つステム一体型ハンドルの影響も大きい。しかしながらフレームの性格は素直だろうと予測できる。
1人で走っている時間帯ではエアロの恩恵に授かる場面は少ないだろうが、このバイクの走りのセンスは楽しめるだろう。そういう意味で本当のレーシングスペックをもつロードバイクといえる。オルベアらしい攻めた設計で好感がもてる。


 

8V3W5158

カーボンディープホイール用に調律された剛性感★菊池武洋
左右のビンディングペダルをはめ、2~3回もスタンディングで加速をくれてやれば、誰でも“このオルカ・エアロ”のトラクションの高さに気がつくだろう。ひと言でいえば“硬い”というのだろうが、それでは大雑把と言わざるを得ない。リニアな加速の秘訣はフレームとパーツのバランスにある。ロードバイクの性能を語る上でホイールの担う役割が大きいのは知っての通りだが、万能薬はなく、相性が大切。ここで言う反応性の高さにしても、ヴィジョン・メトロン40との組み合わせあってのこと。加速のキレを重視するスプリンターやアタッカーなら、この組み合わせはまさに模範解答の1つ。オルベアが推奨するヴィジョンの一体型ハンドル“メトロン・5D”の硬質な感じも、さすがに推奨品だけあってバランスがいい。力でねじ伏せられる距離と時間であればペダリングも軽いので、ヒルクライマーにとっても魅力だろう。OMRも反応性に優れるモデルだが、それはリム高の低いカーボンホイール用にチューンされており、オルカエアロはカーボンディープ用に設えているようだ。この先、フレームメーカーがパーツを推奨して、自社製品の走行感を演出していくようになるのか興味深い。

 

このバイクは……
レース・エンデューロ・タイムトライアル向け
卓越したエアロダイナミクス。そして軽さなどはエンデューロやレースに適しているだろう。高スピードでこそそのフレームのセンスが発揮されるだろうから、スピードに乗るコースが向いているハズ。

・富士チャレンジ200(エンデューロ・200km/100km)

・東京エンデューロin彩湖(エンデューロ 4h)

関連URL:http://www.podium.co.jp/
写真:編集部
文:菊地武洋、山本健一

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