2024年06月11日
篠さんの日本縦断ギネス世界記録挑戦記 <本編・0日目〜3日目>
3日目 岡山県備前市~石川県白山市
サポートメンバー:三島さん、網野、しょっとこ
走行距離/395km
獲得標高/2226m
グロス平均速度/21.2km/h
経過時間/18時間39分
走行時間/16時間33分
活動時間/5:30~24:09
睡眠休憩/5時間12分
3日目の着用ウェア
【天候】曇り→晴れ/気温 15~29℃/湿度 87%
【ウエイブワン】
MAS×SAURUS TEAM JERSEY
【ASSOS】
DYORA RS SUMMER BIB SHORTS S9
SEEME VEST P1
SUMMER NS SKINLAYER P1
SPRING FALL KNEE WARMERS EVO
RS GLOVES TARGA
R SOCKS S9
JINGO RS HELMET
気分は少年誌主人公、進むに連れて仲間をかき集めていく大冒険
5月23日、朝5時起床。
3日目です。
言うまでもなく、めちゃくちゃだるいです。
ここで予定表を見てみましょう。
昨日、375km、要求Ave.19.9km/h、制限時間19時間10分。
3日目のノルマは395km、要求Ave.20.3km/h、制限時間19時間22分。
昨日より距離もペースも上がるんかーいっ! と思わず頭抱えたくなります(笑
)。
恐らく精神的に一番しんどいであろう3日目、そんなこともあろうかと、あらかじめ用意したものがありました。
今回のスポンサーになってくださった企業様のロゴや個人名を入れた日本縦断ギネス世界記録チャレンジVer.。
株式会社ウエイブワン様、ジャージ作成の御協力ありがとうございます。
応援してくださる皆さんの名前を背負っていると思うと、不思議と力がどんどん湧き上がってくるものです。
予定より17分遅れで、5時28分に走行開始。
サポートチームが交代で、黒木さん、水口さんと入れ替えで三島さんと『網野』が入ります。
姫路に前泊の網野とは、本日の65km地点のコンビニで合流することになっていました。
このようにきっちり一日交代ではなく、交通の便も考慮して臨機応変にサポートチームの調整をしていきます。
今回サポートメンバー初対面の方も多い中、長い付き合いで気の知れた網野の加入は心強い。
今日無事走り切れれば、ロングライド大先輩の『ふぃりりん』との合流も控えている。
本州区間の後半は仲間をかき集めていくワクワク感がありました。
スタッフ紹介
網野:2019年からの知り合いで、Cycle Media輪の立ち上げメンバー、基本なんでもそつなくこなす有能さでいるだけで安心感。今回の企業スポンサー「ツール・ド・ニッポン」の中の人でもある。
ふぃりりん:2018年岩木山ヒルクライム後の新青森駅までの自走ライド以来、彼からブルベに勧誘されている。日頃からブリを持ち歩いており、「イキリっぷ」という同人誌のモデルになっている。
本州一周TT(約3300km)8日17時間45分、日本縦断(2619km)7日4時間42分、大阪東京キャノンボール21時間42分、RAAM8人チーム完走
『網野』と『ふぃりりん』そして『しょっとこ』は親しみを込めて敬称略です。
400kmは100kmライドを4回やるだけ
17分遅れでスタートしましたが、1回目の小停止地点ローソン山南町草部店に着く頃には5分遅れまで巻き返していました。
市街地から離れているコンビニなので、流石に応援は誰もいないだろうと思ったら、モニグラ~さんがGR86で颯爽と現れてびっくりです(笑)。個人スポンサーありがとうございます。
走行のペースは初日と比べて下がったものの、これより上がることはないけど、下がることもない下限値を維持し続けている感覚です。
疲れはありますが、一箇所にダメージが集中することなく、あくまで『正常の疲労感』に留まっているおかげだと思います。
2回目の小停止地点ローソン高浜町和田店では、まさかの関東民のとっしーさんが出迎えてくれて「なんでここにいるの!?」と声出して笑いました。
友人のこういうサプライズは本当に嬉しいものです。
おかげ様で蒸し暑さにやられかけた頭がスッキリしました(笑)。
今回のチャレンジは毎日おおよそ100kmごとにワンストップ。
最初から400kmカウントダウンするのは気が遠くなるから、細かく分割して1個1個クリアしていくイメージでスケジュールを組んでいます。
『100km』は普段よくこなす距離ゆえに、その時の体感での走行時間が予測できて、ペース管理が容易。
自分の場合だと、よほど長い休憩をしなければどんなにゆっくり走っても5時間はかからない距離です。
「次の休憩まであと4.5~5時間足を回し続ければいい」
と、どんどん思考をシンプルにしていって『無』の状態で走り続けました。
マップ上の自分の現在地を見るのは楽しかったです。
『九州の最南端から本州に突入し内陸を抜けて日本海まで。
足を止めなければ、ちゃんと前に進み続けるからロングライドはシンプルで最高』
唐突なサムライマックと、一生忘れられない夕陽
昨日から急に湧き上がったハンバーガー欲が今日も続く。
敦賀市内の信号停止でサポートカーを呼び止めて、「サムライマック食べたい」と伝えた時は2回ほど聞き返された。
ちょうど日が暮れるタイミングで越前海岸に突入。
海岸線のアップダウンを淡々と走りながら、沈み行く夕陽をずっと眺めていました。
雲ひとつなく最高によい天気。水平線に太陽が消えていって、空の色が変わりゆき、次第に交通量も減っていって、広い海岸線沿いの道と海と夜空を独り占めした気分に浸りました。
今まで生きていて観た中でも一番美しい夕陽でした。
3回目の小停止地点ローソン越前海岸店に着いたのは19時50分。
応援に来てくださった方とお話しながら、暖かいコーンスープとともに、買っておいたサムライマックを堪能しました(ポテトはしょっとこが食べました)。
スペース配信・日本縦断なう(車と無線接続中)
ローソンを出たのは20時7分、この日のゴール地点まで残り90km。
今思うと20時の時点で残り90kmは普通におかしいけど、その時は「もう305km走ってきたから残り90kmしかないんだ」ぐらいの感覚でした。
コンビニで今回サポートカーと連絡用にインカムを導入したのに、3日目にして未だに活用できていないことを思い出す。
眠気防止にもなるから、海岸線区間はインカムを繋げて会話することにしました。
「待って……話せるってことはさ……スペースできるんじゃない?」
世紀の大発見である。
幸いサポートカーに網野がいるから、私の無茶ぶりに答えてくれるだろうと踏みました。
「なう」は死語だよ…という突っ込みは置いといて、日本縦断の走行中にスペース配信はなかなか面白いものでした。
ほぼL1(低強度)で走っており心拍はずっと100bpm未満で、喋っても息切れることがないから、インカムのバッテリーが保つならずっと喋っていたいぐらいでした。
今回の縦断中はSNS断ちしていたから、SNSを見てくださっている方と交流できたのは初めてで癒されました。
3日目は0時08分に終了。
予定より26分早い到着でした。
序盤以降は信号の少ない道が多かったため、ORCAの走行距離350km、XELIUS の走行距離は44kmでした。
翌朝からサポートに入るふぃりりん、わらばんしさん、オゴウさんがゴール地点で出迎えてくれた。
ふぃりりん:「まさかオンタイムで来るとは思わなかった。めちゃくちゃ速い。びっくりした」。
久しぶりに会ったけど、こんな早口オタクだったっけ……とちょっと面白かったです。
このペースで走れるイメージははっきりとあったけど、ここまで順調に進行できたことは自分でも意外でした。
少し余裕できたのでこの日は車中泊をやめて、ルートインに宿泊。なんとチャレンジ開始してから初めてのお風呂である……。
頭をシャンプーで洗い、大浴場で3分ほどサッと湯船に浸かることで人権を取り戻しました。
お風呂は世界を救う。
部屋に入ってアラームセットした後の記憶がない(笑)。
髪の毛乾かす前に寝落ちて、せっかくの3日ぶりのベッドだったのに、布団を被らずに眠ってしまった……。
めちゃくちゃ勿体ないことをしました。
篠さんの日本縦断ギネス世界記録挑戦本編 4日目、5日目は<中編>でお届けします。
写真:Nobuhiro Toya 文:篠
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著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。