2024年06月11日
篠さんの日本縦断ギネス世界記録挑戦記 <本編・0日目〜3日目>
2日目 北九州市門司港~岡山県備前市
サポートメンバー:黒木、水口、しょっとこ
走行距離/375km
獲得標高/2239m
グロス平均速度/20.3km/h
経過時間/18時間27分
走行時間/15時間29分
活動時間/6:00~24:27
睡眠休憩/5時間3分
2日目の着用ウェア【ASSOS】
【天候】晴れ/気温 18~32℃/湿度 81%
DYORA RS JERSEY S9 TARGA
DYORA RS SUMMER BIB SHORTS S9
SEEME VEST P1
SUMMER NS SKINLAYER P1
ARM PROTECTOR
RS GLOVES TARGA
R SOCKS S9
INGO RS HELMET
自分の気分は自分でアゲる
5月22日朝5:30のアラームで目覚め、よし、今日も走るぞ!と自分に言い聞かせた。
昨晩体をタオルで拭いたあと、ジャージを着たまま寝たのがよかった。朝の用意で一番だるい「着替え」をしなくて済んだのは大きい。
日焼け止めを塗り、髪の毛を結び直して、軽くだけどメイクしました。眉毛とアイシャドウとリップ。
チャレンジの最中は顔なんてどうでもいいが本音ですが、何となくちゃんと鏡を見て笑うとシャキッとする気がして、それを毎朝のルーティンに取り入れ、最終日まで続けました。
午前6:01に2日目スタート。
サポートチームは朝のコンビニで交代。
牧瀬さん、百家さんと入れ替えで黒木さん、水口さんが入ります。
6時10分に関門トンネル人道入り口に着いたら、出迎えてくださるばんばんさん一味がいらっしゃいました。
朝早くに来てくださって本当にありがとうございます。
サポートカーが通れない道は認定員が歩行もしくは自転車でライダーについてくる必要がある為、関門トンネル人道は認定員資格保持者の黒木さんの立ち会いで渡りました。
関門トンネル人道下関側の入り口でサポートカーと合流した後、6時24分に走行開始。
遂に、本州に足を踏み入れた!昨日のこの時間は九州最南端にいたのに『今、本州に入っているんだ……自転車すげぇ!』と、サイコンの地図を眺めながらテンションが上がります。
国道2号線の洗礼。交通量と排気ガスとストップアンドゴー
全行程振り返っても2日目が一番大変でした。
国道2号線を「ただひたすら走り続ける」一見単純なルートですが、とにかく交通量が多い上に、大型トラックがひっきりなしに通る。
路肩広い区間もあれば、片側一車線区間も長いですが、車の通過スピードは高速道路に近いので、周りの交通の妨げにならないよう後続車に気を遣っての走行は丸一日続きました。
あらかじめルート案内をサイコンに入れても、国道2号線はバイパスが入り組んでいるため、ミスコースしやすい。
実際ミスコースが原因のタイムロスはこの日が一番多かったです。
自転車通行可のバイパスは多いですが、有料道路にそのまま繋がる道もあるので、各分岐ではしっかり標識を目視確認した上で進むように徹底しました。
特に広島市内はかなり大変でした(苦笑)。
また、地元の方の情報より、竹原市の田万里バイパスは、トンネル抜けた後の下り基調の途中から自転車通行不可のバイパスに切り替わるため、初見では見落としがちな初見殺し仕様。
そこはカメラマンカーに先回りして側道に入る分岐を示してもらうようにして、無事切り抜けました。
初日一気に距離消化したぶん、2日目は抑えめの375kmに設定しましたが、2日目かかった時間が初日とほぼ同じなのは、やはり信号の多さが一番影響していると思います。
日本縦断ギネス世界記録は交通ルール遵守が大前提の挑戦で、今回のチャレンジも当たり前ですが、昼夜問わずすべての信号と二段階右折を守った上で、全行程遂行しました。
2日目の福岡県北九州市~岡山県備前市までの区間は3回のコンビニ停止を併せても1時間かかりませんでしたが、合計の信号停止は2時間11分もありました。
信号のタイミングに合わせて手前から減速してクリート付け外す回数を減らし、再スタートはインターバルがかからないように抑える工夫しましたが、チリツモで疲労は溜まっていきました。
蓄積疲労と補給の変化
身体的疲労の濃さは2日目が一番だったと思います。
実は朝起きた際、Maxレベルに浮腫んでいて『これ走れるコンディションではない』と笑っちゃいましたが、考えないようにしました。
どうせ今日も明日も走り続けるんだから、考えるだけ無駄です。
前日の熱中症気味を引き摺ってて、気温30℃超える12時~15時の時間帯になるとパフォーマンスが下がります。
初日から小休憩ポイントごとにおにぎり3つ(赤飯、塩、焼き)を持ち歩いて食べていましたが、この日は100km近く進行しても1.5個しか食べられませんでした。
『暑さで食欲、下がっているのでは……?』
体を冷やしたくて、初めてサポートカーにアイスボックス(贅沢な方)を買ってくださいと連絡を入れました。
2023年7月末の真夏に大阪東京キャノンボール走った際もそれを首後ろの窪みに入れて走っていました。
ゆっくり溶ける上に、溶けた後は果汁が飲めるので有能です。
ただ少し体冷やしても、何故かおにぎりを食べる気になれず……
国道2号線をダラダラ走っていたら、大きな看板が目に飛び込んできました。
“マクドナルド 4km先 ドライブスルー”
「あ…ハンバーガー食べたい」
と、唐突にそう思ったのです。
今までの自分なら、絶対補給に選ばないであろうジャンクフードのハンバーガー。
『暑さで頭やられたのかな……』
でも直感と欲求には素直に従った方がいいから、ひとまずサポートカーに連絡を入れて、看板を指差しながら大袈裟にジェスチャーしました。
「ハン・バー・ガー!」
正直、コンビニ休憩でハンバーガーを受け取って食べるまでは本当に食べられるのか半信半疑でしたが『秒』で完食。過去一ハンバーガーが美味しく感じました……。
暑さで食欲がないと思っていましたが、どうも体が求めていたのはおにぎりではなかった。
驚くことにハンバーガーを食べたあと、体がよく動くようになりました。
自分の変化に戸惑いつつも、走りながら思考整理しました。
『日本縦断に向けての準備期間で、脂質をエネルギーに転換する能力を高めたので、初日は主に脂質を消費して走行したはず。
にもかかわらず、糖質メインで補給をしていたせいで、体が脂質を補充しようとしていたのではないか?』
ハンバーガーは糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素をまとめて摂取できるので、実はかなりバランスのいい補給食なのでは? という仮説が自分の中で立ちました。
2日目は24:30に終了。
前半の205kmはORCAを使用、後半の170kmはXELIUSに乗り換えました。
信号が多い区間を考慮して予定ではAve.20km/hを想定しましたが、26km/h前後で走り続けてもまったくAve.が上がらず、ずっと追われている感覚でした。
何とか予定より42分の貯金がある状態で走りきれてほっとしています。
翌日のことは考えないようにして、オートミールを入れた暖かいスープを飲んで胃腸を温め、さっさと眠りに就きました。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。