2025年11月28日

TOMOYAの「どすこい」サイクリング Vol.11 プロサイクリストにとって冬場の聖地？スペイン　カルぺの実態に迫る！

こんにちは、小山です。
いつもお読みいただきありがとうございます。

前回の投稿でもお伝えしたとおり、今年はオフシーズンの日本滞在を早めに切り上げ、ヨーロッパに帰ってきています。

来年の夏前くらいまで、地中海沿いに位置する、スペイン、バレンシア州アリカンテ県カルぺ（以下カルぺ）にアパートを借りて拠点としていく予定です。

日本からのアクセスで行くと、日本→マドリード→アリカンテと飛行機を乗り継ぎ、アリカンテ空港から車で約1時間で到着します。

11月で19℃、12月で15℃の平均最高気温からも見てとれる温暖な気候が特徴で、20℃を少し越える日も珍しくなく、実際に走っていると薄手の長袖でちょうど良い走りやすい気温です。

地中海沿いのリゾート地といった位置付けのカルぺは、冬場は閑散期ということもあり、家賃が控えめな点も長期滞在したいサイクリストにとってはありがたいポイントです。ただし日本からの視点では円安の影響をぬぐい切れません。

一枚目の写真がアパートから徒歩５分ほどのビーチからの眺めでしたが、反対側はこのような眺めになっています。

建設中の高層ビルが多々あり、今後開発が進んでいくようです。
夏場に滞在しているアンドラも、初めて訪れた3年前と比べるとかなり開発が進んでいたり、その点は似ているなと感じます。

今回例年オフシーズンを過ごしてきた東京都内周辺と、カルぺ周辺の練習環境に違いを、ストラバのマップを用いて比較してみました。

まずは、日本の自宅周辺

こうして可視化すると分かってはいましたが、上りが全くありません。

続いてカルぺ

それぞれの街をおおよそ地図の中心に設定して比較しているので、カルペの場合半分が海になってしまいましたが、中心から上りへのアクセス、バリエーションの豊富さは一目瞭然だと思います。

おそらくこの辺りで最も有名かつ、ポガチャルがKOMを持っていることでも有名なColl de Ratesへのアクセスも快適です。

全開でタイムトライアルをしたことはまだ無いですが、現状ポガチャルからは約10分の遅れ（汗）。
ポガチャルだけに留まらず、名実ともに世界トップのサイクリストたちと比較することができるのも、本場ヨーロッパの醍醐味のひとつかもしれません。

参考までにアンドラを中心地に設定して検索してみました。

前述の2拠点とは比較にならないレベルの山岳地帯といえます。また冬場は豪雪地帯なので、この時期にアンドラへ行くのは選択肢からは外れてきます。

東京の拠点は住宅密集地かつ道路事情から信号が非常に多く上り区間までのアクセスが難しいという点があります。一方でカルペでは走りやすい海岸沿いでストレスなくアクセスできます。
アンドラでは上りか下りしかなかったですが、カルぺは平坦もあるのも良いポイントです。

まだまだ自分自身もワンランク上を目指し続けている段階なので、偉そうなことは言えませんが、毎年最善の環境を模索しながら今日まで走り続けてきました。

新城幸也選手に助言を頂いてアンドラへ行ってみたことが最大の転機となったことは間違いないですが、それ以外にもつねに最善の環境を模索しています。
例えば、数年前のオフシーズンは沖縄に１ヶ月間滞在してみたりしたこともありました。

数年前の自分に言えるなら「夏はアンドラ、冬はカルぺがいいよ」と伝えたいです。
しかし実際に航空券のチケットを買って、アパートを契約して新生活を始めるのは、経済的にも、（学生なら）時間的にも簡単ではありません。

ただ世界でもっともプロサイクリストが集まる場所へ行ってみて、実際に走ってみるということは、その後ヨーロッパで走るか否かは別としても、大きな影響を与えてくれると思います。

特に選手を目指している場合、時間や体験・人脈など、今培ったものを10年後のお金で買い戻すことはできません。
こればっかりは、歳を重ねてからしかわからないことなので、当時の20歳前後の自分に適切な助言をしてくれて、導いてくれた方々には感謝しきれません。

もちろん、選手を目指している若手だけではなく、サイクリングの場所としても最高なので、年齢問わずおすすめです。

偉そうにこうして書いていると「ポジショントーク」と言われることも、実際に多くの方々の支えの中で今ここで走れていることも十分に理解した上で、今回この記事を書かせて頂いています。

過去の記事
Vol.1　自転車ロード選手・小山智也
 Vol.2 今シーズンまでの振り返り、そしてこれから
 Vol.3　バイク「BH ULTARALIGHT」ご紹介
 Vol.4 冬場のトレーニング振り返り
 Vol.5 怒涛の1月、2月
 Vol.6 今どきのプロはサイコンのこんな数値を見て走ってる
 VOL7.月の半分？レース三昧（前編）Tour of Hainan(2.Pro)
Vol.8 月の半分？レース三昧（後編）Presidential Cycling Tour of Turkiye(2.Pro)
Vol.9　2025年の振り返りと2026年の展望
 Vol.10 プロチームのウエア事情

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著者プロフィール

スペイン籍のUCI Pro Team「Burgos Burpellet BH」所属、プロロードレーサーダイエットで自転車を始めてすぐ出会った方々のおかげでヨーロッパを志し、今もヨーロッパでレース活動を続ける。