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2019年04月06日

【BIORACER】梶原悠未選手に聞くインディビデュアルスーツとは

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梶原悠未(かじはらゆうみ)選手は世界最高のレベルで戦える日本の女子自転車競技選手だ。現在はトラック競技に専念をしているが、ロードレースでもジュニア時代に世界選手権で4位に入るなど、類まれな才能を発揮している。
そして2018-19年の世界選手権のオムニアムでは惜しくも4位(同種目では日本人史上最高位)という成績を収め、世界大のスポーツの祭典、2020年の東京オリンピックでの活躍も期待できる日本人選手の一人だ。その梶原選手が愛用し続けるウエアがある。世界でもっとも多くカスタムウエアを製造しているのがBIORACERだ。
3年前の高校卒業前に一度、インディビデュアルスーツのフィッティング場面の取材を行なったことがあるが、今回はさらにアップデートを行うということで、再びフィッティングの場に同行取材を行うことになった。フィッティングは、日本国内初の【BIORACERスピードセンター】をオープンしたばかりのトライアスロンコンセプトショップ・アスロニアで実施された。

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「1cm四方のマス目が描かれた採寸用スーツを着用して、乗車姿勢での各マス目の伸び縮みの大きさを見ながら各部を調整します」とフィッターの林さん。「リニューアルされて、前回よりも採寸する箇所が増え、さらに洗練されていますね。ビオレーサーのウエアはつねにアップデートされ続けています」ファスナーは背中に、袖口も切りっぱなしになった。風洞実験などによって解析し、部位によっていま考えられる最適な素材を配置している。

ウエアのしわが大きな空気抵抗となる。それを極限まで削減するのがこのシステム最大のメリットだ。
世界選手権やW杯に出場するトラック競技選手やタイムトライアル競技では多くの強豪国がこのシステムを採用している。このウエアを導入しないことにはもはやスタート地点に立てない状況ともいえる。それほどまでに信頼と実績が積み重ねられたウエアなのである。

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もちろん市販もしているので、一般ユーザーもオーダー可能で手に入れることができる

サイクル用スーツとトライアスロン用スーツがあり、サイクル用としては以下の通り。
・タイムトライアル用長袖
・タイムトライアル用半袖
・トラック用・低速レース向き
・トラック用・高速レース向き
以上の4タイプ。
さらにオプションで首回り(ハイカラー/パイピング)、ファスナーカラー、ナンバーポケットの有無、パッドは4種類から選択できる。
価格は17万円(2着)。採寸から完成まで制作期間はおよそ8週間となる。

ウエアとして見れば確かに高額だが、エアロダイナミクスとして考えるとエアロフレームや、ホイールと同等にパフォーマンスを最大限発揮してくれる「パーツ」だ。最高の結果を求めるなら、定番のパーツ同様にウエアにも投資すべきだろう。

梶原悠未選手 ショートインタビュー

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ーBIORACERのインディビジュアルスーツは今回で2回目の採寸ですか。

「3年(2016年)ぶりの2回目ですね。前回は高校を卒業する前に測定しましたが、当時はウエアのことをまったく気にかけていませんでした。大学へ入学してからBIORACERのシビアなウエアを着用するようになって、空気抵抗に対する考え方が変わりました。その間にいろいろなウエアを着用する機会がありましたが、BBIORACERのウエアは空気抵抗に対する考え方はもちろん、パッドも非常に優れているということを様々な場面で実感しています。

ー一番気に入っているところは?

「カスタムで作れることによって自分自身の体にフィットするウエアを選択できるところが優れているところでしょうね。自分自身の競技に対するモチベーションも上がります」

ー一般ユーザーの皆さんにおすすめするときにどんな風におすすめしますか

「一言で言うなら、このウエアを着ると自分の自転車がレーシングカーになるよ! ってイメージをお伝えしたい。
カスタムで作る意味、自分の身体にフィットしたウエアを大会や競技で使用することで、それが結果に直結しているということもお伝えしたいですね。
その次に、パッドの品質が本当に良くて、圧力も分散されるし、全然股ずれもしないです。
裁断もすごくかっこいいですよね……。立ち姿や自転車に乗っているフォームが引き締まるので、スピード感に溢れるウエアになっていると思いますよ!」

ー非常に高価ですが、その点で購入するメリットはありますか。
「あると思います。自転車で速くなるためには地味なトレーニングを黙々とこなさないといけません。レースで結果を残すことで、達成感や充実感を得ることができると思いますので、目標を達成するために自分を後押ししてくれる、勝利に導いてくれるウエアだと思います。
自転車自体も高価なので、皆さんは一番こだわっていると思いますが、ウエアに対してもシビアに考えてもよいと私は思っています!
一番のお気に入りを使うのが、モチベーションになります。そういう意味で皆さんにオススメします」



ー世界選手権を終えて時間が経ちましたが…

「世界選手権が終わった直後は目の前に見えたメダルを逃してしまい、くやしかった。今回獲得できなければ、オリンピックの舞台で、メダルを取ることはできないと思っていました。しかし、時間が経ちレースの映像やリザルトを改めて振り返りました。レースの光景でトップ選手とメダル争いに加わっている自分自身の走っている姿を見ると、手応えをつかみましたし、それが自信につながりました。
オリンピックでメダルを取るという想いもさらに強くなりました。それが夢ではなく、現実的な達成目標として掲げられるようになりました」

ーさらに上を目指すための取り込み方は決まっていますか。

「当てはまる人とそうでない人がいると思いますが “人とは違うことをやることによって、成し遂げられなかった成績を残せる….” といいますが、私は逆に世界のトップ選手たちの真似をまずしてみるべきだなと思っています。ウエアひとつとっても、世界選手権で強い選手が半袖で走っていたら、私も半袖で走ってみる。その理由を理解できていなくてもまずは試してみる。そこからトップ選手に近づいて追い抜くことができると思います。世界のトップになったとき、初めてオリジナルのやり方が生まれてくる。自分よりも強い選手がたくさんいるので、いいところをどんどん真似して、取り入れていきたいです」

「オムニアムのトップ選手はシーズンが終わったらロードレースに出ています。自分自身もオムニアムのメダルへフォーカスをしていますが。ロードレースでも選考されれば、参加していきたいですし、ロードレースでも結果を残したい。ロード競技で学んだ戦術はオムニアムに活かせると思います」

ー選手同士の交流も生まれていると思います。また目標となる選手はいますか?
「アジアの選手の中には友達ができて、普段もお互いのレース結果を気にしていたり、連絡を取り合ったりもしています。世界のトップ選手たちとは恐れ多くてなかなか近づけなかったんですが、ワールドカップや世界選手権に行くとオランダのウィルト選手や、オーストラリアのエドモンド選手といった憧れの選手から挨拶や声をかけてくれるようになったり、表彰台にあがると表彰式の前に少しお話しができたり、それが楽しみですね。
目標の選手は…..リオでメダルを取ったローラ選手はレース運びがとても巧みでした。やはり世界選手権で2連覇しているウィルト選手。その場の判断、自分の切り札の出し方がすごくうまく尊敬をしています」

ー今後の予定は?
「4月、5月にナショナルチームとしてアジアツアーなどのロードレースとタイムトライアルに出場する予定があります。そして全日本選手権に向けてコンディションを上げていきたいですね」

 

BIORACERエアロを用いたトレーニングを、アスロニアで行うことができる

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BIORACERエアロは、実際の風洞実験で得た膨大なデータを基に開発した仮想風洞実験システムだが、コンパクトな設備で、クリス・フルーム選手は自宅にこの設備を置きトレーニングに活用しているという。
映像を切り抜いて投影するためのバックスクリーンの前に固定ローラーを配置。適切な位置に配置したカメラでライディングポジションを撮影すると、その前面投影面積を元に各種の計測結果データをリアルタイムにモニター表示してくれる。
このシステムはもっともパフォーマンスの高い前面投影面積をインドアトレーナーのトレーニングをしながら導き出すことができる。つまりレース時間を想定したエアロポジションの解析が可能なのだ。
画像内の梶原選手をかたどる黄色い枠は、計測の際に最初に登録した姿勢で、右枠の下にはそれより空気抵抗が小さいフォームなら、空力に優れているという意味のマイナス表示(m2)がでる。その下のプラス表示(km/h)は、抵抗が減ることで走行スピードがプラスになる。
現在日本国内では、渋谷区神宮前のアスロニアでこのBIORACER エアロ・仮想風洞実験システムをエアロポジショントレーニングというサービスとして受けることができる。コーチングありは1時間1万円+税〜、単独で行う場合は1時間5000円+税〜という価格だ。

https://athlonia.com/shop/bike-fitting/

TGC_8048アスロニアスタッフの蒔田 俊史さん。インディビデュアルスーツの採寸と、BIORACER エアロでのコーチングも務めてくれる。
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今回ビオレーサーエアロ初体験の梶原さん
「あらかじめセッティングされた自転車に乗車して、少し姿勢を変えただけで、前面投影面積を元にリアルタイムに空気抵抗や、設定したスピードを出すために必要なワット数などが瞬時にモニターに表示されるので驚きました。実際の風洞実験のように準備に時間がかかりません。BIORACERスピードセンターのあるアスロニアさんは、アクセスの良い都内のショップなので、気軽に足を運んで短時間でいろいろなことがテストできそうですね」

ビオレーサーエアロ・仮想風洞実験システム 問い合わせ:アスロニア https://athlonia.com/
関連URL:https://athlonia.com/shop/bike-fitting/


問:クランノート https://cyclingwear.jp/
ビオレーサー https://bioracer.jp/
関連記事:梶原選手が【BIORACERスピードセンター】を体験

写真:小野口健太

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