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2015年12月03日

誰かと一緒に走るメリットとは? ~ファンライドアンケートより~

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WEEKLY FUNRiDEのアンケート「誰と一緒に走っていますか?」の結果は以下のとおりとなりました。

1位 主にひとりで 135人
2位 職場の同僚 30人
3位 家族 26人
4位 ショップチーム・同じショップの仲間 23人
5位 自転車に乗りはじめる前からの友達 14人
6位 SNS等で知り合った仲間 10人
7位 イベントやライド中に知り合った仲間 6人
(※重複回答あり)

まだまだ1人で走っている人がダントツに多いという。その結果をふまえて、誰かと一緒に走るメリットはあるのでしょうか? パーソナルトレーニングサービス、スマートコーチングで多くのサイクリストをレクチャーしている安藤隼人氏に伺いました。

編集部(以下、編):1人で走っている方が多いという統計がとれました。そこで安藤さんが講演などでおっしゃっている集団走行とコミュニケーション。その意義をこの場を使って伝えていただきたいのですが。編集部としてはみんなで走ることを推奨したいと思っています。これはイベントを走る上でもとても重要だと思いますので。

安藤隼人(以下、安):まず一人で走るメリット、デメリット。メリットとしては、単純にデバイスを使って自分にフィットした適正な負荷で練習できます。個別性というものです。たとえばFTPが300Wの人と250Wの人では同じトレーニングはできないので。本当はやり方を工夫すればできるのですが、上りでタイム差がいつもついてしまったり、そんな状態で行なうよりは、一人で走る、ローラーに乗ってトレーニングメニューをこなす、という意味はあります。でも、レースとなると話は違います。

編:レースやイベントは一斉にスタートします。そして相手があって成り立ちますから。

安:それが自転車レースですね。イベントも同じで、相手に気を遣いながらどう走っていくかというのは、一人で走っているのでは身に付きません。レースを重ねていって、わかる秩序というのがありますね。相手を安全にリードできるのか、自分の動きが相手に対してどう危険な動きなのか。その認識はない時点でレースに出ても、なにをして良いかわからない。

編:集団は一種の社会ですからね。

安:話はそれますが、先日ひさしぶりにライブを観に行ったんです。そのライブは初めての参加だったんですが、曲に合わせてどう盛り上がっていいかわからない(笑)。周りのファンの動きもわかりません。もちろん曲は知っていますし、YOUTUBEなどでライブの動画もチェックして行きました。それでも現地の空気は全然違うので、何をして良いかわからない。これって、はじめてイベントに出た人と同じではないかと(笑)。

編:仲間から情報を得て、イベントの空気を読むといったことをしていたら、はじめからノリノリだったかもしれませんね(笑)。

安:いくらWEBで情報を集めても、現地に赴くとまったく違うってことがわかります。イベントでも年齢で区分けされ初めて合う人ばかりで、無言でいきなり集団を形成するっていうのは、意思の疎通はできないですね。では声を出しましょうと言いますが、知らない人同士で声を出しましょうといっても、クルマでクラクションを鳴らしているのと同じことですよね。やさしくソフトに鳴らしたつもりでも相手にはすごく強く伝わってしまうこともありますね。疑心暗鬼が根底にあるわけじゃないですか。お互いをある程度知っている仲なら、クラクションを鳴らされたら“あれ、なにか起きているのかな”って思える。それがまったく知らない人だと、教えてくれている合図として、伝わらないことが多い。知らない人同士の声掛けがうまくいかない原因はそこにあると思います。

編:実業団レースならまだ同じ顔ぶれですが、イベントやホビーレースではまさしくその状態になります。

安:そこで、まずイベントに行ったら知り合いを作ることをしてみましょう。駐車場の隣り合わせになった人に、挨拶や出場するクラスを聞いてみる。まず会場についた駐車場というのは、声をかけやすい場所だと思います。また、1人で来ている人や、家族で来ている人たちなど、自分と同じような構成なら声もかけやすいですね。

ベテランの人が1人でもその中にいれば色々と教えてくれることもあるででしょう。スタート位置に並んだときも同じところにいた人へ、”はじめてなんですけど、ここで良いですか?”など聞くことも打ち解けるきっかけになります。ベテランの人からすれば、初々しい雰囲気のある人に“どちらから来たんですか? どんなレースに出たことがあるんですか? 初めてなら後ろからスタートしたほうが気楽に走れますよ!”というように、お互いのために良い方向へ導くこともできるでしょう。

編:レースやイベントのスタートを切ってしまうと、気持ちが高ぶってアツくなるので言葉も悪くなってしまいますよね。

安:そうそう(笑)、走り出すと殺気立ってしましますから。スタート前にリラックスするように話をするというのはリスクを減らすという意味でも有効だと思いますね。また1人で参加している人の割合が多い集団は、落車リスクが高まります。それはさきほど述べたコミュニケーションの欠如です。知り合いになっていれば、相手に気をつかうし、行動の意図を汲もうとします。

編:おっしゃるとおりですね。スタート前に知り合っておくこと、お互いの存在を認めることで、集団内でも相手の動きに気を使える。まったく関係がないと思っている時点で集団走行は成り立たないですね。正直怖い。

安:“こんにちは”と声をかける。自分の出身地や出たことのあるレースを伝えてみたり、レースの流れを聞く。そんなことで簡単にコミュニケーションがとれます。

編:日本人は慎ましやかな性格ですから、なかなか知らない人へ声をかけるのは気が引けるという方が多いです。とはいえ集団走行をはじめとした自転車レースやイベントは社会の延長。普段行なっていることをすれば、十分にコミュニケーションを取ることができますよね。

安:そうですね! WEBの情報だけで、完璧にできることは少ないと思います。やはりリアルな経験で得られるものは多い。イベントやショップの走行会などに積極的に参加してみましょう。この両方の良いところを使いわけることができるとベストですね。

編:普段のサイクリングも仲間とともに走れば、思いがけないほど走行距離を伸ばせたり、知っているコースを出し合えば情報量も増えますし。協力しあって走ることで、より充実したライドを楽しむことができますね。


そして、集団走行のスキルを学ぶためのイベントを開催します。題して

FUNRiDEトレーニングキャンプ VOL.1 集団走行をしてみよう。

このイベントは独りで走っているサイクリストや、集団走行をしてみたいサイクリスト。コースを思いっきり走りたいサイクリストのためのトレーニング・イベントを1月23日、船橋オートレース場で開催します。“キャンプ”という名前が付いているとおり、コンスタントに開催をしていきたいと考えています(でも、そんなに厳しくないハズです!)。12月7日よりエントリーを開始します!

※大会の詳細情報はFUNRiDEで発表します

 

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安藤隼人さん(スマートコーチング代表・コーチ)1979年、鹿児島生まれ。鹿屋体育大学大学院体育学研究科卒体育学修士。同大自転車競技部元主将。トライアスロンに取り組みながらツール・ド・北海道にも出場するなど活躍していたが、2000年に交通事故で大腿骨を複雑骨折。競技生活を離れチームの運営、サポート役となる。研究室では運動生理学を専攻し、低酸素トレーニングや、トレーニング科学の研究を行なう。 大学卒業後は、三浦雄一郎氏が運営するミウラ・ドルフィンズにて、低酸素室を使ってのアスリートトレーニングコーチや、一般登山者 への高所順化トレーニングに関する運動指導を行う。それらの経験から山岳医療・ファーストエイドの啓蒙、普及にも関わる。低酸素トレーニングをきっかけにマウンテンバイク、トライアスロンのオリンピック選手や、競輪、プロボクシングなどプロ選手へのコーチング実績を重ね、2012年に独立。パーソナルトレーニングスタジオ「スマートコーチング」の代表を勤めトライアスロンや自転車のコーチングで活躍する。http://www.smart-coaching.jp/

 

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