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2018年08月28日

【第18回アジア競技大会(2018ジャカルタ・パレンバン)現地レポート】チームパシュート男女とも銅メダルを獲得! 女子ケイリンは太田りゆの8位が最上位

日本男子チームは、チームパシュート予選での連携の乱れもなく完全に復調した

 

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女子チームパシュート3位決定戦。香港と対戦した日本チームは、順当に力を発揮して追い抜きで勝利した

インドネシアで開催されている第18回アジア競技大会は自転車トラック競技の2日目を迎えた。前日の予選で3位のタイムを記録した日本女子チームは、決勝戦進出をかけメンバーを中村妃智(日本写真判定)から鈴木奈央(日本競輪選手会静岡支部)に変更し、吉川美穂(Live GARDEN Bici Stelle)、梶原悠未(筑波大学)、橋本優弥(鹿屋体育大学)のメンバーで中国と対戦した。結果は2.053秒差で敗れたものの、3位決定戦に進出。再度鈴木と中村を入れ替え、対戦相手の香港を追い抜く走りで勝利し銅メダルを獲得した。
決勝戦は中国に勝利した韓国が大会レコードを記録して金メダルを手にした。

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男子チームパシュート3位決定戦の日本チーム。カザフスタンを追い抜く走りで銅メダルを獲得した

前日5位と金メダルの望みを絶たれた日本男子チームは、メンバーを沢田桂太郎(日本大学)から橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)に入れ替え、近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、一丸尚伍(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、今村駿介(中央大学)の4名でタイムが上位の2チームが進出できる3位決定戦を目指して1回戦に臨んだ。こちらで前日のミスをしっかりと修正して、対戦相手のUAEを追い抜く快走で全体トップタイムを出し、3位決定戦に進出。迎えた3位決定戦でもカザフスタンを追い抜いて勝利し、銅メダルを獲得した。
優勝は香港との対戦に勝利した中国だった。

女子ケイリンには太田りゆ(日本競輪選手会埼玉支部)と前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)が出場。両者とも1回戦からの進出は果たせず敗者復活戦に回った。ヒート1に出走した太田は、残り1周半で最後尾からトップに立ち先行すると、そのまま大きなリードを保ったまま1位でゴールし2回戦に進出した。
続く2回戦で思うように前に出られずに4位でゴール。順位決定戦に進み総合8位となった。

敗者復活戦ヒート2に出走した前田は4位でゴールし、準決勝進出ラインの3位には届かなかった。

■結果 順位確定した種目のみ
男子チームパシュート 3位 日本(今村駿介、一丸尚伍、近谷涼、橋本英也 ※予選のみ沢田桂太郎)
http://www.tissottiming.com/File/0003100003010303FFFFFFFFFFFFFF02
 
女子チームパシュート 3位 日本(橋本優弥、吉川美穂、梶原悠未、中村妃智 ※1回戦のみ鈴木奈央)
 
女子ケイリン 8位 太田りゆ 13位 前田佳代乃

 


近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)のコメント
昨日の予選では中盤以降でペースの乱れが起きて、うまくいかなかったが今日は日本らしい走りができたと思う。
1回戦は予選のタイムを参考に、普通に走ることができれば3位決定戦に上がれると判断して、ペースを少し落として最後までイーブンペースで落ち着いた走りを心がけた。3位決定戦はカザフスタンとのタイム差でこちらが有利だったので、少しペースを上げてきれいな勝ち方を目指した。
4年前のアジア大会でも同じ銅メダル。昨年のチリワールドカップで2位、世界選手権9位、アジア選手権優勝と流れのいいなかで、金メダルだけを狙って走った。最低限はクリアしたが、結果的には不本意。次に向けて頑張りたい。

吉川美穂(Live GARDEN Bici Stelle)のコメント
トラックレースの経験はあったが、チームパシュートは初めてのレースだった。昨日の初日よりも回数を重ねるごとに、修正していくことができた。優勝を狙って伊豆でしっかりトレーニングを積んできたので、悔しい気持ちは残った。
またワールドカップがはじまるが、選んでもらえるように伊豆でもレースと同じ想定でトレーニングを重ねていきたい。

 

イアン・メルヴィン(JCF中距離ヘッドコーチ)のコメント

ベターだ。昨日よりも良いレースをすることができた。いままでプランどおりにいかないところがあって、悪いところもあったが、それにチャレンジしないとうまくいかない。なのでチャレンジした。問題点も見つかっている。
女子のレースについて、今日できる最善を尽くすことができた。予定していたパフォーマンスではないが、メダルを獲れたことは非常に良かった。今大会でズレが出てしまったところもあるが、それは東京のための途中経過であり気にしていない。1回戦で中村に代えて鈴木を入れたが、戦略的な部分だ。同じポジションの2人だがタイプが違うため入れ替えることで、レースのペースなどを変えることができる。
昨日の男子で出てしまった問題も修正できた。橋本をメンバーに入れて、彼がやるべきことをやってしっかりと機能していた。チームパシュートは走るのは4人だが、5人のチームだ。5人目の選手がいつでもしっかりと準備できているのはうれしいことだ。チームの状況をより良くするために橋本を加えた。また沢田の調子がそれほど上がっていなかったことも理由だ。

 

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チームパシュート銅メダルの女子日本チーム(左から吉川、中村、梶原、橋本)

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チームパシュート銅メダルの男子日本チーム(左から近谷、橋本、今村、一丸)

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金メダルが決まる決勝戦進出をかけて中国と対戦した女子日本チーム。約2秒差で敗れ3位決定戦に進出した

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チームパシュート男子。日本チームの1回戦。UAEを追い抜く走りでトップタイムを出し、メダル獲得に望みを繋いだ

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女子ケイリン、敗者復活戦で早めの仕掛けからトップに立ち独走で2回戦進出を決めた太田りゆ

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女子ケイリンの太田りゆ。2回戦に進出したものの思うような展開に持ち込めず、順位決定戦に進み総合8位

 

写真と文:猪俣健一
関連URL:https://www.joc.or.jp/games/asia/
JCFホームページ  http://jcf.or.jp 

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