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2018年08月24日

【第18回アジア競技大会(2018ジャカルタ・パレンバン)現地レポート】自転車ロードレース個人タイムトライアルで與那嶺 恵理が銀メダル、別府 史之が銅メダルを獲得

インドネシアで開催されている第18回アジア競技大会。自転車ロードレース競技の最終日の24日に男女の個人タイムトライアルが行われた。

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金メダルを獲得した韓国の羅亜凜。TTバイクでなくロードバイクでレースに臨んだ

午前9時のスタートで行われた女子の個人タイムトライアルは、ロードレースと同じスタート地点で、そのままヒルクライムに入る18.7kmのコースを使用して行われた。
前々日のロードレースで銅メダルを獲得した與那嶺 恵理(BIKE SHOP FORZA/Wiggle High 5 Pro Cycling)がトップ(31分57.10秒、平均時速35.116km)から0.16秒差の2位で銀メダルを獲得した。優勝はロードレースでも優勝した韓国の羅亜凜(ナ・アルム)だった。

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女子タイムトライアル表彰式。左より銀メダルの與那嶺恵理、金メダルの羅亜凜(韓国)、銅メダルのLEUNG WING YEE(香港)


 

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男子タイムトライアル優勝はカザフスタンのアレクセイ・ルツェンコ

午後2時にスタートした男子の個人タイムトライアルは、スタートからスバンの街を東に走り、再び折り返してからヒルクライムに向かう43kmのコース設定。日本からは前日のロードレース銀メダルの別府史之(TREK SEGAFREDO)がトップ(55分37.13秒、平均時速46.387km)から1分42秒07差のタイムで3位に入り、銅メダルを獲得した。
優勝は前日のロードレースの勝者、カザフスタンのアレクセイ・ルツェンコ。2位にはウズベキスタンのミュラジャン・ハルムラトフが入った。

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男子タイムトライアル表彰式。左より銀メダルのミュラジャン・ハルムラトフ(ウズベキスタン)、金メダルのアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)、銅メダルの別府史之

女子リザルト

男子リザルト


與那嶺 恵理(BIKE SHOP FORZA/Wiggle High 5 Pro Cycling)のコメント

今回チームに他の選手の途中経過が伝えられることがなかったので、ゴールしてからこんなに僅差だと知った。
レース直前までギヤ選択を迷っていた。上りが多いレースだったが急勾配は少なかったのでできる限りアウターで押し切れるギヤ選択を自分の持っているギヤ比で調整したが、いくつかインナーを使用しなければならない部分があった。一番のタイムロスとなるのが上りのピークでインナーギヤに変えるときなので、それで0.16秒の差は埋められたかもしれないし、機材スポーツであることを痛感した。
コーチと1秒でも縮めるミーティングをしたなかで、フィジカルをベストにするのは私の仕事で、やはり機材についても限られたなかでベストを尽くしてシビアな調整をしてもらった。そのなかでメカトラブルもなく走り切れたことは感謝している。(韓国の羅(ナ)選手はロードバイクを使用していたが)時速16kmか17km以上であれば、TTバイクのほうが有利であるため、今回のバイク選択に間違いはなかったと思う。
世界選手権大会に向けて、上りでインナーギヤを使うところがあるので、ギヤ比の選択など0.1秒単位で縮められる調整をしていく必要があると思った。

2年ぶりにアジアのレースに出場したが、慣れていないなかでチームスタッフのサポートもあって、暑さはあったが問題なくこなすことができた。ロードで銅メダルだったのでタイムトライアルでは金メダルを目指したが、これが現実、タイムはウソをつかないので私が弱かっただけだと思う。
来月、世界選手権大会があり、かなりタフで今回の比にならないほどの上りもあるコース。それに向けて身体を絞ってコンディションを整えてトップ10を目指して頑張りたい。
来年もヨーロッパで走るので、東京に向けてポイントを稼ぐ年になってくる。チームとしての仕事もあるなかで、自分のポイントも稼げればいいと考えている。東京オリンピックに向けて、日本の出場枠を3枠にできるように走っていきたい。

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女子タイムトライアル銀メダルの與那嶺 恵理。0.16秒という僅差で惜しくも金メダルを逃した


別府 史之(TREK SEGAFREDO)のコメント

昨日に引き続きメダルを取れたことは正直うれしい。
優勝したルツェンコ選手がタイムトライアルも強いスペシャリストで途中に抜かれてしまったが、ペースを落とさずに自分のベストを尽くして走ることができた。
最初の平坦、残りの上りと、ペース配分が重要だが落ち着いて給水もしながらオーバーヒートしないように、集中力を切らさず走りきった結果だと思う。
タイムトライアルではチームカーと無線を使用するが、入らなくなってしまって自分がどういう順位なのかわからなくなったが、クラクションと自分のリズムで刻んでいき、ラスト5kmは何も考えずペダルを踏み続けた。ベストを尽くしてすがすがしくゴールできたなというのが率直な感想。

(昨日もロードレースを走ったが)レース終了後にホテルに帰って、1時間ほど自転車に乗り、今朝も午前中乗って、休むよりペダルを回し続ける調整方法で、このタイムトライアルに臨んだ。
タイムトライアルは個人競技で落ち着いて自分の力を発揮できるようにギリギリのところを出力や心拍数を見ながら走り続けなければならない。
以前のアジア大会はロードレースが後で、タイムトライアルの方が先に行われていた。タイムトライアルは全力を使い果たしてしまうので、この日程がベストだった。
ロードレースで結果を出せてタイムトライアルで思う存分、自分の力を発揮できた。今回のアジア大会はロード日本チームとして満足できる結果だった。金メダルを逃したことは残念だが、次につなげられる走りができた。

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男子タイムトライアル銅メダルの別府史之


柿木 孝之(JCFロードコーチ)のコメント

 女子銀メダルの與那嶺について、優勝した韓国の羅選手とのタイム差が0.16秒ということで実力は拮抗していて、残念な気持ちはある。しかし、上りを良いペースで走れていたし、ゴール前の平坦区間は苦しかったと思うが非常によく頑張ってくれた。
今回は情報の入らないレースだっただけに、お互いのタイム差を知らないなかで全力を尽くした結果だと思う。

男子銅メダルの別府について、優勝したルツェンコは格が上の選手だったので途中でタイムを詰められてもそれは仕方ないと考えてレースを進めた。直後にスタートしたルツェンコが別府を抜くのに思ったよりも時間がかかったので、よいタイムを出せているのがわかっていた。
別府はコンディションも良くペダルを踏めていて、はじめの平坦路では目視だが10秒ほどしか負けていなかったと思う。タイムトライアルは自分との戦いで、出力を見ながらペースを維持できていた。ベストを尽くして走れていた結果の銅メダルだと思う。

 

写真と文:猪俣健一
関連URL:https://www.joc.or.jp/games/asia/

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