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2015年11月27日

2015年 MTB世界選手権大会から見る国別勢力

MTB世界選手権大会(8月31日~9月6日アンドラ・ヴァルノード)の結果から、現在の国別の勢力をまとめてみた。リザルトはXCO U23男子以外すべててがヨーロッパ勢からチャンピオンが排出された。現在、ヨーロッパ勢が圧倒的に強い傾向にあるといえる。

Best Moments from the 2015 UCI MTB & Trials World Championships – Vallnord/AND

XCO

男子エリートは予想どおり2強といわれているディフェンディングチャンピオン、ジュリアン・アブサロン(フランス)と二ノ・シューター(スイス)の一騎打ちとなり、2015ワールドカップ総合優勝のシューターが今シーズンの好調を保ち、2013年以来のアルカンシェルを奪還した。

女子エリートは2015ワールドカップ総合優勝者ヨランダ・ネフ(スイス)が期待に反して失速してしまい、レース序盤から積極的に前に出たポーリン・フェランプレヴォ(フランス)が2位のイリーナ・カレンティエワ(ロシア)に58秒の大差をつけ優勝を飾った。フェランプレヴォはこの優勝によりロードレース、シクロクロス、マウンテンバイク、3種目同時に世界チャンピオンという史上初の快挙を成し遂げた。

リオオリンピックイヤーとなる2016年は、北京で銅メダル、ロンドンで銀メダル獲得と着実に頂点へと上り詰めているシューターと、アテネから3大会連続金メダリストであるアブサロンのメダル争いが予想される。女子はネフ、42歳ベテランのガン・リタ・ダール(ノルウェー)の戦いに、勝負強さで手に入れたアルカンシェル姿のフェランプレヴォが加わりそうだ。

日本人選手ではTrek Factory Racing MTB Team所属の山本幸平がワールドカップや国際大会でオリンピック出場枠獲得をかけ戦っている。今シーズンは怪我が目立ったが、確実にUCIポイントを稼ぎ、国別ランキングを20位に引き上げ、出場枠獲得圏内を抑えている。出場枠の最終決定は2016年5月25日時点のUCIポイントランキングにかかっている。

DHI

今大会は最大斜度62度という大会史上でも過去最高急勾配区間があったうえ、公式練習日での雨によってコンディションはさらに悪化し、コース攻略に手こずり転倒するライダーが続出した。男子エリートでは2015ワールドカップ総合優勝者アーロン・グウィン(アメリカ)でさえも、このコースの餌食となり決勝では74位に終わった。そんな中、トップタイムを叩き出した21歳の若き新鋭ロイ・ブルーニ(フランス)が世界チャンピオンに輝いた。2位はワールドカップ最多優勝記録保持者であり、3回の世界チャンピオン経験者であるグレッグ・ミナー(南アフリカ)、3位はイギリス期待の成長株ジョシュ・ブライスランドが入った。トップ10位以内にはニュージーランド、オーストラリアのオセアニア勢が入りヨーロッパ勢に迫る活躍をしている。

女子エリートはレイチェル・アサートン(イギリス)がダントツの速さで優勝、2位にマノン・カーペンター(イギリス)が入り、イギリスの強さと選手層の厚さをアピールする結果となった。

XCO/DHI エリートリザルト

XCO 男子エリート リザルト

1 SCHURTER Nino SUI19860513 SWITZERLAND 1:29:22

2 ABSALON Julien FRA19800816 FRANCE +0:10

3 CINK Ondrej CZE19901207 CZECH REPUBLIC +1:15

4 FUMIC Manuel GER19820330 GERMANY +1:22

5 FLUCKIGER Mathias SUI19880927 SWITZERLAND +2:08

6 MAROTTE Maxime FRA19861205 FRANCE +2:25

45 YAMAMOTO Kohei JPN19850820 JAPAN +11:02

74 TAKEI Kyosuke JPN19781106 JAPAN -2LAP

96 KADOTA Motoshi JPN19760115 JAPAN -4LAP


XCO 女子エリート リザルト

1 FERRAND PREVOT Pauline FRA19920210 FRANCE 1:52:44

2 KALENTYEVA Irina RUS19771110 RUSSIAN FEDERATION +0:58

3 BELOMOINA Yana UKR19921102 UKRAINE +1:36

4 DAHLE FLESJAA Gunn-Rita NOR19730210 NORWAY +2:15

5 PENDREL Catharine CAN19800930 CANADA +2:15

6 WLOSZCZOWSKA Maja POL19831109 POLAND +2:52

44 SUEMASA Mio JPN19830401 JAPAN -1LAP


DHI 男子ファイナル リザルト

1 BRUNI Loic FRA19940513 FRANCE 4:19.585

2 MINNAAR Greg RSA19811113 SOUTH AFRICA +2.365

3 BRYCELAND Josh GBR19900323 GREAT BRITAIN +4.776

4 JONES Michael GBR19950222 GREAT BRITAIN +6.593

5 GUTIERREZ VILLEGAS Marcelo COL19900509 COLOMBIA +6.835

6 BROSNAN Troy AUS19930713 AUSTRALIA +6.846

82 NAGATA Junya JPN19880813 JAPAN +1:02.661


DHI 女子ファイナル リザルト

1 ATHERTON Rachel GBR19871206 GREAT BRITAIN 5:08.488

2 CARPENTER Manon GBR19930311 GREAT BRITAIN +3.238

3 HANNAH Tracey AUS19880613 AUSTRALIA +9.973

4 CHARRE Morgane FRA19900609 FRANCE +22.353

5 SEAGRAVE Tahnee GBR19950615 GREAT BRITAIN +22.928

6 SIEGENTHALER Emilie SUI19860919 SWITZERLAND +25.556


(イメージ画像提供/トレック・ジャパン)

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