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2019年08月05日

【Mt.富士ヒルクライムに関わる人】なぜヒルクライムに魅せられたのか。LOOKの日本総輸入代理店ユーロスポーツインテグレーション・岡部秀克さんの場合

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今回インタビューを実施したのは、Mt.富士ヒルクライムに12回もの出展と出走をしていただいている、LOOKの日本総輸入代理店 ユーロスポーツインテグレーションの岡部秀克さん。なぜ、Mt.富士ヒルクライムに挑戦し続けるのか。その理由を聞いてみた。

 

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ユーロスポーツインテグレーション 岡部秀克さん。ユーロスポーツインテグレーションはフランスの自転車企業LOOK社の日本総輸入代理店だ。

かつて上ったスバルラインでレースを行うというイメージが湧かなかった

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定番のLOOKブース。全国から集まったオーナーのみなさんが挨拶に訪れてくれた。

ー12回ものMt.富士ヒルクライムに出場している岡部さん。しかし以前にスバルラインをサイクリングしたことがあるそうだ。

岡部さん●「今回(2019年)で、12回目の出展と出場です。2007年大会から富士ヒルの出展とレース出場をしています。
富士ヒルのコースであるスバルラインは1991年に初めて上りました。TVT(80年代のフレンチブランド)で走ったのかな。傾斜は穏やかでもとにかく長い!という印象でした。いつこの苦しみから解放されるのかと自問しながら走りましたね。当時スターだったグレッグ・レモンやミゲール・インデュラインになり切った気分で楽しめました。レースでこの富士山を上れるなんてイメージは湧かなかったですね」

「初参加の印象は、他の大会に比べて運営がスムーズでスタートからフィニッシュまでストレスフリー。LOOK・595ウルトラで走ったのを今でも覚えています。
富士山5合目で見た間近の山頂や南アルプスの絶景は何ものにも代えがたい経験でした。確か1時間19分くらいで走ったはずです。
下山後にふるまわれる吉田うどんは、下山で冷えた体には最高のご褒美で、これを楽しみに参加される方も多いのではないでしょうか?」

 

ーMt.富士ヒルクライムに出場するきっかけは?

岡部さん●「出展をするようになったきっかけは、出場した知人などから「アレには出した方がいいよ」とオススメされたのがきっかけでしたね。立地の良さもそうですが、人の流れが違う。最近は九州や四国などからお客様が来てくれたりしました」。

「これまでにはフランスのLOOK本社出張などが重なってタイミングが合わずに出展をしなかったこともありました。
一度、富士ヒルの出展をした後すぐにそのままフランスへ出張したことがありましたけど、あれはさすがに体調を崩しましたね(笑)。
初参加の翌年、2008年は出張から戻って3日後でした。疲労で風邪をこじらせたうえに前日のブース出展時は一日中冷たい雨が降り続いたうえに9℃と冷え込み、最悪のコンディションでした。
大会当日は天候に恵まれ最新軽量バイクの586と当時発売されたばかりのマヴィック・R-SYSでの出走でしたが、集中力欠如でサングラスを落として拾いに戻る大失態。1時間21分以上かかりこの年がワーストタイムです」。

 

ーではベストタイムは?

岡部さん●「2010年の1時間11分8秒(45歳~49歳で11位)。この年の乗鞍は1時間9分24秒でいずれもパーソナルベストです。
軽量でリアトライアングルが柔らかい586は軽量クライマー向きで、体重のある私はバックがしっかりしていてハンガー部が適度にしなる595が好みでした。ライトウェイトカーボンホイール・G3スタンダードにカンパニョーロ・レコードフルセットのアッセンブルで完成車重量を6.2キロ程度の軽さに仕上げ、当時の水準では最高のバイクでした。残念ながら事務所はありませんが、まだこのバイクは手元にありますよ!」。

「この年から不摂生を止めて食事を見直し、トレーニングも毎週末峠に通い通年70kg以上(冬場は75kg)あった体重を富士ヒル前は68キロ、乗鞍前は64キロまで絞りました。体とバイクのダブル軽量化でタイムを大幅に短縮できました。
2010年以降体重は維持していますが、寄る年波には勝てない状況です」。

「2011年は、トレーニングで走っている白石峠26分ジャスト、定峰峠14分30秒のパーソナルベスト。満を持して1時間10分切り目指して最新の695とライトウェイト ヴァントゥーを投入しましたが、1時間13分と後退(これがセカンドベスト)美ヶ原のベストはこの年でしたが、乗鞍は1時間12分49秒という記録でした。

2012年大会は、1時間16分21秒で当時の金城編集長(1時間14分53秒)に敗北したときはオープン参加でした。ベストタイムは負けていないはずです(笑)この年は霧がすごくて体が冷え、ゴール後バイクを降りるのも苦労するほど尻回りの筋肉が痛かったのを記憶しています。(乗鞍は1時間13分14秒)」

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2018年はMt.富士ヒルクライム(出展社対抗ヒルクライム選手権)にて出走

ヒルクライムレースが自分の基準

ーなぜヒルクライムなんでしょうか?

岡部さん●「富士ヒルと乗鞍がヒルクライム二大大会と思っています。自分の基準ですね。それでよく走るメンバーの中で富士ヒルは何分、乗鞍は何分だったと1年間格付けをされるわけです(笑)。
シーズンを通じて、調子がシンクロするわけではない。富士ヒルがすごい悪く結果でも、乗鞍のタイムがいい時もある。去年は富士ヒルと乗鞍が同じタイムでぜんぜんダメ(乗鞍のタイムは富士ヒルからマイナス2分という通説があるという)」。

「LOOKがヒルクライムバイクというイメージがついたのは、ヒルクライムに会場に出展して走ってきたのがあると信じたいですよね。

走っているからこそ得られるものというのがあります。単純に気分としては富士ヒルに出られるから出展をしているというのがあります「岡部さんはなんで出展しているんですか?」と聞かれることも……(笑)。

今年は、前回よりも3分もタイムを落としてしまった。天気のコンディションが悪かったけれど、タイムをしっかり出している人は出している。年代別70歳以上優勝の高山 信行さんが私よりも速いタイムで上っていますから、励みになりますね。
ロードレースだとスピードが必要だったり大きなパワーも出せないとなかなか難しいところはありますけど、ヒルクライムはランニングと一緒で努力しただけ結果に表れやすいです
ツールド沖縄で勝つ、全日本選手権のスタート地点に立つというのはひとつの才能だと思います。才能がない自分なりに楽しめるものがあってもいいですよね」。

ー2019年のレースでは手応えはありましたか?

岡部さん●「いつも練習をしている白石峠のタイムが良かったので。今年はいけるかと思ったのですが、疲労が取れなかったせいにしています。なんと昨年より3分も悪くなってしまって、もう最悪な気分。そして一年間はこのタイムの人という烙印を押されて過ごすのです(笑)。でも、そうやって知人とタイムを比べて良かった悪かったと一喜一憂するのが楽しいですね」。

「富士ヒルは年齢と細かくわけて表彰してくれますから。
10位までだと最初のリザルトのページに名前を載せてくれていたので悔しかった。“くそ! 来年はぜったいに” と思ったけど、その翌年は2分くらいタイムを落としてしまって、というのが思い出です」。

「5年前に50代のクラスになって1時間14分台走って、たしか14位前後。1000人の参加者の中でこの順位だと庶民としてはかなり嬉しくて、でも11位の壁をなかなか突き破れないでいますね。
現在は55歳になりましたが、まだまだ目上の人がまだ頑張っているのでそれを日々の目標にしています。
これを生きがいにしている人って私だけではなくたくさんいると思います。富士ヒルをライフワークとして。あそこでしか会えない人もいますから」。

自転車はかっこうよく

岡部さん●「かつて富士ヒルで優勝、乗鞍では2位の成績をもつ藤田晃三さんとは親しくしているのですが、“僕なんかいろいろと切り詰めてやっていますから、岡部さんももっとできることがありますよ” と(笑)。
藤田さんの自転車は一切無駄を省いていて、ヒルクライムのためだけを考えたバイクで、やっぱり勝つにはそれくらい真剣にやらないと表彰台には乗れないんだなって思いました」。

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今回、富士ヒルを走った岡部さんの愛車。LOOK 785HUEZ RS

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天候と下山を考慮し、事前に軽さ&制動力のバランスをとったホイールとブレーキのアッセンブルに変更。さすが10回以上出場するだけのことはあります。

「私はちょっと入れ込み方が甘いかもしれませんね。しかし我々のように商品として自転車を扱う人間としてはバーテープを巻かなかったり、アウターギアがないロードバイクとかってカッコ悪く感じてしまう。
“最低限の装備で速い”というところに美意識を感じます。ちなみに富士ヒルの場合は、最後の平坦区間でアウターギアを使うので、付いててもいいんです(笑)」。

来年の挑戦に向けて

岡部さん●「来年とは言わず生きてる限り、自転車に乗っている限りはずっと富士ヒルを走りたいですね。いつかは表彰台に上りたいという目標もあります。
50歳で年代別クラス変わったばかりの頃はフレッシュに走れたんですが(笑)。今でも表彰台にたくさん上げてあげようというのはいいですよね。それを目標に頑張っている人が多いですから。私もその一人です」。

 

まとめ・写真:編集部、小野口健太、武智佑真

関連URL:ユーロスポーツインテグレーション https://www.eurosports.co.jp/
Mt.富士ヒルクライム https://www.fujihc.jp/

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