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2019年06月12日

【第16回Mt.富士ヒルクライム】雨の富士を、サイクリストの熱気が覆い尽くす!

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令和最初の「富士の国やまなし 第16回Mt.富士ヒルクライム」が2019年6月9日、山梨県富士吉田市の富士北麓公園から富士山五合目までの富士スバルライン(計測部分=距離24km、標高差1,255m)で開催された。大会当日は朝から小雨が降り続く肌寒いコンディションとなったが、2020年東京オリンピック・パラリンピックの息吹も近づく富士山のふもとから駆け上がるサイクリストの熱気が、日本一の山を覆い尽くした。

 霧雨のハイスピードバトル! 主催者選抜クラス男子は佐々木遼さんが制す

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今年で16回目の開催となった日本最大級のヒルクライムレース、通称“富士ヒル”。世界遺産・富士山を舞台とする国内屈指の人気サイクルイベントで、46都道府県、海外11か国とあらゆる地域から9,828人のエントリーを集めた。

しかし大会2日前の6月7日、関東甲信越地方が梅雨入りしたことが発表された。それでも、翌8日の前日参加受付日は雨が降ることなく、富士山の姿こそ見えなかったものの、晴れ間から強い日差しがジリジリと差し込んでいた。この時点での9日の天気予報は、雨が降り始めるのは昼以降で、イベント本番にはなんとか間に合いそうな期待をみんな抱いていた。

ところが、大会当日は朝からシトシトと小雨が降る梅雨空に逆戻り。気温も低かったが、この日を待ち望んでいたサイクリストは、スタート地点に勇ましく集まってきた。

午前7時、注目の主催者選抜クラス男子から今年の富士ヒルはスタート。前半からアタックと吸収を繰り返すハイスピードな展開で、集団の人数も有力選手を中心に徐々に絞り込まれていく。

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先導車を務めたのはメルセデスAMG E53 4MATIC+。上り坂も軽快に走り、サイクリストをサポートした。

4合目から先は、霧も立ち込め視界も限られてくる中、残り1kmで佐々木遼さん(Team GOCHI)がアタック。一度吸収されるも、最後の少人数スプリントで再び佐々木さんが加速し、雄叫びを挙げながらゴール。実は富士ヒル初出場という佐々木さんが、見事に16代目王者の栄冠をつかんだ。

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「去年優勝した田中裕士さんは練習仲間で、昨日、LINEで『オレの後に続けよ』と言われていたので、それがよみがえって雄叫びが出ちゃいましたね」

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佐々木さんは3年ほど前からヒルクライムに参戦し、去年の乗鞍で年代別優勝、今年のJBCF栂池ヒルクライムE1優勝と強豪の仲間入りを果たしている。「今日はラスト上げていくと決めていたんで、得意な展開に持ち込めました。大きい大会で勝てて、うれしいです」と富士ヒルの勝利にも満面の笑顔だった。

優勝タイムは57分43秒の好記録。昨年、田中さんが出したコースレコードにはわずかに届かなかったが、一方で今年から60分切りのサイクリストに贈られるプラチナリングは22人が獲得と富士ヒル高速化を再び証明するレースとなった。

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主催者選抜クラス女子を制したのは、榎本美帆さん(MIVRO)。増田菜穂子さん(Y’s Road)と2人でレースをリードしたが、最後の急勾配区間手前で榎本さんがアタックし、独走でゴールに飛び込んだ。タイムは1時間10分41秒で、2位の増田さんに8秒差をつけた。

榎本さんは富士ヒル3回目の挑戦で、1年目が年代別2位、2年目が選抜2位と、これが念願の初優勝。前日のスプリント・オブ・富士山に続く二冠も達成した。

「去年は2位だったので、今年は優勝できて本当にうれしいです。どこで勝負を仕掛けるか考えていたので、ハラハラしましたね。1時間10分切りを目指していたんですけど、雨だったので安全をとってタイムは気にせず、勝負にこだわりました。富士ヒル優勝の目標を達成できたので、次は全日本選手権にコンディションを合わせて頑張りたいです」

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年代別のタイトルを狙う人、目標タイムに挑戦する人、仲間や家族と楽しみ、励ましあいながら走る人、参加者ひとりひとりがそれぞれの思いを胸に、雨に濡れた富士の山肌を駆け上がった。

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一合目手前まで上る3kmのミニヒルクライムは、小学生も参加可。親子で自転車を楽しむ姿も。

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出走7,595中7477人のサイクリストが完走。雨が降る中での下山でさらに体が冷え切ったが、下山後に振る舞われた暖かい吉田うどんでほっと一息をついた。

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ジロ覇者のクネゴさんも走った!  今中さんは16回連続の皆勤賞!

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今年も豪華ゲストが参戦。中でも注目を集めたのは、ロードレース界のスター、ダミアーノ・クネゴさん。2004年ジロ・デ・イタリア総合優勝など輝かしい戦績を誇る元プロ選手で、日本でも人気を集めた。
昨年、惜しまれつつ引退したが、初めて上る富士スバルラインでも現役時代さながらの軽やかな走りを披露。1時間14分台のタイムで五合目に現れた。

「とてもいいコースだけど、この天気は残念でしたね。サイクリストのみなさんはもっと遊び感覚で来てるのかなと思っていたけど、真剣に上っていたので『頑張ってるな』といいエネルギーをもらいました。今日はみなさんと一緒に走りたかったので、私は力を入れないで何も考えずに上りました。またこの大会に来たいと思いますし、みなさんに自転車競技のおもしろさを知ってほしい。これからも日本に来る機会はあるので、どこかで会えれば一緒に楽しみたいです」

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大会アドバイザーを務める今中大介さんは、富士ヒル16回連続出場の皆勤賞。しかし、今年は仕事が忙しくて試走の時間が取れず調整不足。1時間19分と不本意なタイムだったもよう。

「今年はスケジュール的に準備できないまま、今日を迎えてしまいました。今の状態で全力のつもりではあったけど、タイムを刻めないまま終わっちゃいましたね。富士山はいい天気のこともあれば、こういう天気もある。ベルギーのみぞれの中を走った選手のころを思い出しました。参加者のみなさんはいつも通り気持ちが高まって走っていたので、私も次につなげたいです」

豪華ゲストが続々登場のステージイベント!

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前日受付が行われた6月8日、会場となった富士北麓公園では青空の下で様々なイベントも開催。ステージ上では豪華ゲストが登場して、自転車談義に花を咲かせた。

■スプリント・オブ・富士山 表彰式

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8日午前に開催された「Mt.富士ヒルクライム特別タイムトライアルレース」のスプリント・オブ・富士山の表彰式が行われた。優勝は男子が岩島啓太さん、女子が榎本美帆さんと、MIVRO勢が揃って優勝。

「得意な距離なので優勝したいと思っていたので、獲れてよかったです。幸先いいレースになりました。富士山は大好きなんです。明日はプラチナ(60分切り)を獲りたいですね」と岩島さん。

「最初はダメかなと思っていたけど、走り始めたら脚の感触がよかった。(岩島さんとは)普段一緒に練習しているので、一緒に表彰台に上がれてよかったです。明日のヒルクライムも頑張ります」と榎本さん。

■ダミアーノ・クネゴ氏スペシャルトークショー

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2004年ジロ・デ・イタリア総合優勝、ジロ・デル・ロンバルディア3勝など数々のビッグレースを制し、ジャパンカップでも2勝するなど日本でも人気のダミアーノ・クネゴさん。甘いマスクで、女性ファンの目もくぎ付けにしていた。
現在はトレーナーやコーチなど様々な形で活躍。日本にもたびたび来日している親日家で、富士ヒルにもゲストとして登場した。

ステージ上では大会アドバイザーの今中大介さん、声優の野島裕史さんらとトーク。「富士山は日本の映画やアニメでよく見ていたし、イタリア人も特別な山だとわかっている」と富士山の印象を語った

今回はゲストライダーとしても参戦。富士スバルラインは初めて上るというクネゴさんだが、「現役時代なら50分切るんじゃないかな? 目をつぶっても48分で行けると思うよ!」とどこまで本気かわからない発言も飛び出しつつ、「明日はみなさんとゆっくり上りたい」と笑顔で語っていた。

会場でもたくさんの参加者と写真を撮ったり、翌日の表彰式でもプレゼンターを務めたりと、これまで以上に日本のサイクリストと交流を深めていた。

■ブリヂストンステージ

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ブリヂストンサイクルの飯島誠さん(00年シドニー、04年アテネ、08年北京自転車トラック代表)らが、2020年東京オリンピックの自転車競技のコースやその魅力を紹介。自転車ロードレースのコースは、富士ヒル会場からも近い山中湖や篭坂峠なども含まれていて、見ごたえ十分。沿道からの観戦は、チケットが必要ないのも魅力だ。

■グリコパワープロダクションステージ

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第1回大会から富士ヒルをサポートするグリコパワープロダクション。持久系スポーツにおすすめの新ドリンク「パワープロダクションエキストラハイブリッド」などを紹介した。

■ヒルクライムウエアリング講座 by レリック

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富士ヒルのチャンピオンジャージを手掛けるレリック。高機能ウェアを多数プロデュースするレリックならではの、ヒルクライムに最適なウェアリング法を伝授した。

■Mt.富士ヒルクライム攻略講座

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大会アドバイザーの今中大介さん、元プロロード選手の土井雪広さん、そして声優の野島裕史さんによる富士ヒル攻略講座。

日本人初のブエルタ・ア・エスパーニャ出場・完走、全日本選手権ロードレース優勝など活躍し、昨年引退した土井さん。実は富士スバルラインは走ったことがないそうだが、「コーナーと直線の区間があるので、コーナーはひとりで自分のペースで走り、直線は人の後ろについた方がいい」とプロ選手目線でアドバイス。補給についても「エネルギーに変わる時間を逆算して摂るのが大事」と訴えていた。

■NEW イベント 八ヶ岳高原ヒルアタック ローンチ

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前日受付日の8日朝に発表された新イベント「第一回八ヶ岳高原ヒルアタック」。コースは、グランフォンド八ヶ岳でも走る八ヶ岳高原ラインを「道の駅こぶちさわ」から「清里の森」に向かって上る17.3km、標高差488m。といっても、単純な上りではなく、コース中盤はアップダウンを繰り返す区間が続く。

この日、初めてコースの概要を知ったという今中大介さんは「普段のヒルクライムとは全然違う。スタート直後は勾配があるので、集中していかないといけない。順位を狙うなら、集団を使った方がいいかも」と分析。また「景色を楽しむのもあり。魅力的なイベントですね」と、レースにとらわれない楽しみ方も提案していた。

開催は2019年9月1日(日)。この日、エントリーが開始され、さっそく申し込んだ人も。
みなさん、エントリーをお忘れなく!

■ウエルカムパーティー

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大会関係者、参加者が一堂に会してのウェルカムパーティー。富士吉田市在住の衆議院議員・堀内詔子さんが、「会場を歩いているといろんな国の言葉が聞こえて、海外からも多くの人がエントリーしていると伺っています。来年の東京オリンピックの自転車競技も富士北麓で開催され、自転車競技のメッカになっています。この富士北麓の自転車文化がますます発展することを祈っています」とあいさつされた。

■サイクルEXPO 大抽選会

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大会前日、当日ともにステージの締めくくりは、大抽選会! カブトの最新軽量ヘルメット「フレアー」やオギノパンの食パンなど、バラエティ豊かな賞品の登場に大盛り上がり!

 

「サイクルEXPO」多くのブースが大盛況!

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メイン会場となった富士北麓公園陸上競技場では、約60のブースが出展する「サイクルEXPO」が開かれた。注目の新製品をチェックしたり、大会に必要なアイテムを買いそろえたりと、どのブースも多くの人でにぎわっていた。

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今年も富士ヒルチャンピオンジャージを製作するレリック。ブースでは、大会オフィシャルジャージ、完走タイム別のフィニッシャージャージ、オフィシャルTシャツなど富士ヒル公式アイテムを販売。スペシャルプライスのお得なアイテムも大人気だった!

■メルセデスベンツ・日本
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先導車を務める「メルセデスAMG E53 4MATIC+」、6月6日に国内発表されたばかりの新型「B180」をはじめ、サイクルライフにぴったりなメルセデス車両を展示。また、メルセデスオーナーにはウォーターボトルとサプリメントをプレゼントする企画なども実施。目標タイム別のフォトパネルも、多くの参加者が撮影を楽しんでいた。

■グリコパワープロダクション
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第1回からMt富士ヒルクライムを盛り上げているグリコパワープロダクションは、2019年JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)のオフィシャルサプリメントにも採用され、サイクリストにはおなじみのブランド。

ブースでは新商品「パワープロダクションエキストラハイブリッド」の試飲体験を実施。その他、ヒルクライマーに最適なサプリメントの摂取方法など、トレーニングの新常識を伝授していた。

写真:小野口健太、武智佑真、海上浩幸
大会ホームページ:https://www.fujihc.jp/

 

第16回大会に出場していただき、この場を借りてお礼申し上げます。
次回、第17回大会の開催スケジュールは準備が出来次第、公開いたします。
Mt.富士ヒルクライム実行委員会

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