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2015年11月30日

3モデル インプレッション VOL.4/LAPIERRE編 PULSIUM ULTIMATE(エンデュランスモデル)

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LAPIERRE / PULSIUM ULTIMATE IMPRESSION

パルシウムは振動吸収性を高めたエンデュランスロードだ。ワールドツアーではパリ〜ルーベなどで用いられ、激しいレースでの使用にも耐える汎用性を備えている。そのうえ剛性レベルはゼリウスEFIと同等のレベルに到達しているというマルチパーパスなフレームである。

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PULSIUM ULTIMATE■フレーム:パルシウム アルチメイト カーボン■フォーク:パルシウム アルチメイト カーボン■試乗車のコンポーネント:シマノ・アルテグラ■ホイー ル:ゼンティス・XBL4.2■完成車実測重量:7.3kg(ペダルなし)■カラー:FDJレプリカカラー■サイズ:46、49、 52、55cm■価格:389,000円(フレームセット、税抜)

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剛性感あふれるヘッドチューブ周辺の形状。アップライトなポジションをフレーム剛性を保ちながら実現するためにややヘッドチューブは長めの設計となる。

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BBはプレスフィットを採用している。

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エアーコードSLと同じく内蔵式シートクランプを採用している。

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オフセットに余裕をもたせたフロントフォーク。かなりたくましい造形だ。

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トップチューブの末端は二股に分かれる。下側にはショックアブソバーを組み込む。85SHOREという耐久性が高く圧縮強度にも強い樹脂素材を用いており、フレーム本体と同等の耐久性をもっているという。

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タイヤサイズは32Cまで対応するリアセクション。ブレーキ位置はタイヤのサイズに合わせてクリアランスを広げることができる。


 

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 個性的なエンデュランスモデル☆菊地武洋

フランス車というのは独特の風情がある。タイムにしてもルックにしても個性的で、乗らずとも好き嫌いがはっきりと分かれる。これは言い換えれば大いなる魅力でもあり、ラピエールでもっとも強い個性を発揮しているのがパルシウムだろう。試乗前はトップチューブにエラストマーを組み込むのは、いかがなものか……と思ったが、乗ってみると見た目よりも違和感がないことに驚いた。ヘッドチューブは長いが、トップチューブを短くしていないのでライディングポジションが極端に変わらないのもいい。旧型でもフロントフォークが個性的なモデルだったが、現行モデルもオフセット量を50㎜と大きくとっている。ゼリウスSLやエアコードSLよりも直進安定性が強めに仕立てられているが、運動性や反応性を損なうことなくほどよく設計されている。スタイリングは私の好みとはいえないが、走ったときの快適さは素晴らしいと思う。特に路面の状態がよろしくないルートだと、振動減衰が速く、不快な振動をビシッと押さえ込んでくれる。一般に快適なフレームは“よくしなる”と思われているが、そうとは限らない。快適性に大きく影響を及ぼすのは、発生した振動をいかに静めるかにかかっている。してみると、弾性は低いよりも高いほうがいい。パルシウムはBBやヘッド周りの剛性を高めつつ、要所要所の弾性バランスを考えた秀作だ。リアブレーキの取り付け位置を可変させると最大で32Cに対応するのも面白い。個性的なことに関してはルックやタイムのトップモデルと比較しても、見劣りはしないだろう。

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ぺダリングがうまくなるフレーム☆小高雄人

振動吸収性の向上に寄与するショックアブソバーがしっかりと効果をはたしているのがわかった。その上、BB周りの剛性を高く感じたことが重なり、自分のぺダリングスキルが急に向上したような錯覚を覚えた。ただしその感覚はシッティング時の話で、ダンシングでは自分にとっては少しフレーム剛性が高すぎるかなという別の印象をもった。このパルシウム アルチメイトはシリーズ最上位グレードのため、カーボンのグレードを落した下位モデルであればまた感想は変わったかもしれない。エンデュランス系モデルだが、レーシング性能に不満をもつことはなかった。フォーク剛性も高く、コーナリング中の安定感もすばらしかった。うねるようなフレームデザインも個人的にはインパクトがあり、好みだ。

 

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独自の機構が光る☆山本健一

エンデュランスモデルはというとエラストマーを用いたり、ショックアブソバーを搭載したり、シートチューブを独立させていたりするが、アプローチの方法は違っても目指すところは同じで、運動性能をできるだけ保ちつつも振動を減衰するというもの。パルシウムの振動減衰システムは、部分的に大きな主張をすることはなくライディング中に、その動きは極端に体感できるものではない。しかしながら全体的なコンフォート感としては、確実にエンデュランスバイクとしての質感を出すことができている。ラグジュアリーな質感は路面を軽やかに滑走するような気持ちよさがある。エアーコードが砕氷船のように突き進むようなイメージなら、パルシウムは海面の動きにあわせホバリングして進むようだ。エンデュランスモデルと思って乗ると、ライディングフィールはかなり軽快に感じるだろう。それも剛性レベルとしては標準的なロードバイク以上に仕上がっていて、まったく弱いところを感じさせないからだ。全般的にエンデュランスバイクの性能が高まっている今日において、その分野ではお世辞にも突出したとは言いがたいが、持ち味を存分に発揮していると思う。個人的にはリアホイールのタイヤクリアランス対応機能はとても興味深い。太目のタイヤを履かせてグラベルのようなところなど幅広いシーンで遊べるはず。エンデュランスというパフォーマンスに注力しただけに、乱暴にいえば繊細さは微塵もない。ガンガン乗ってキズだらけにしてこそ満たさせる、実走派のためのバイクといえる。


(写真/和田やずか)

お問い合わせ先:東商会 http://www.eastwood.co.jp/

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