2015年12月03日
【パンライド ~自転車とパンのおいしい関係~】Vol.1オギノパン・パン編 パンもコースもよりどりみどり!
サイクリストに人気のグルメと言えば、手軽に食べられるおいしいパン。そこで、自転車乗りでもあるパン屋さんとおススメのコースを一緒に走り、お腹を空かせたところでおススメのパンをいただいちゃおうという、おいしい新連載「パンライド」がFUNRiDE(ダジャレ?)でスタート。第1弾オギノパン(神奈川県相模原市)後編は、パンとお店の魅力に迫る!
オープン後すぐに人気立ち寄りスポットに
1960年に創業したオギノパンだが、相模湖近くにあった工場から移転し、現在の宮ケ瀬湖近くに本社工場直売店をオープンしたのは、わずか5年前のこと。ずっと前からここにお店があるのかと思っていたら、意外と最近のことだった。
それでもお店のまわりは、ライド編で走った道志みちをはじめ、ヤビツ峠、半原越え、牧馬峠、大垂水峠など上りを含むサイクリングコースがよりどりみどり。オギノパンはそれらを走る自転車乗りの間で口コミで広がり、瞬く間に人気の立ち寄りスポットとなった。
今や駐車場に置いてあるバイクラックも3台に増え、ポンプや工具の貸し出しも行うなど自転車ウェルカムなお店となっている。店先にはベンチや屋根付きの飲食スペースもあるので、のんびりランチ休憩するにもうってつけだ。
オギノパン3代目にあたる自転車部の荻野隆介さんは「ちゃんと数えたことはないですけど、週末はバイクラックが3回転するほどお客さんが来るので、サイクリストだけでも1日100人は来てるんじゃないですかね」とのこと。近くで練習するチーム右京やレモナード・ベルマーレの選手、そして競輪選手もよくパンを買いにくるそうだ。
サイクリストのお客さんにおススメコースを聞かれることも多いそうで、荻野さんは「お店ではジャージを着てないのでわからないかもしれないですが、聞きたいことがあれば声をかけてください」と話している。
もちろん、お店のスタッフにも自転車好きは多い。前回も紹介したが、現在自転車部のメンバーは5人。しかし、全店舗を合わせるとアルバイト・パート合わせて約200人のスタッフがおり、ロードバイクに興味がある人も少なくないという。そこで、社内でロードバイク試乗会を企画して部員を増やそうという「社内普及」にも取り組もうとしている。
ただお店が年中無休のため、週末にそろってイベントやレースに参加できないのが悩みのひとつで、「平日にイベントがあるといいんですけどね」と荻野さん。時間を見つけて閉店後にサイクリングすることもあるが、周辺は自然がいっぱいで夜道で鹿に出会うこともあるそうだ。
ちなみに、オギノパン自転車部のメンバーが着ているジャージは、丹沢あんぱんのあんこの種類や取引先の会社ロゴをスポンサーのようにレイアウトし、ちょっとプロチームっぽいデザインになっている。このジャージはお店のスタッフだけでなく、オギノパンファンのお客さんも購入可能で、これまで50着ほど売れているという。
「こないだ、あそこ走ってたでしょう?って言われることもあるんですが、よくよく聞くと僕たちじゃなくて買ってくれたお客さんだったりします」と荻野さん。欲しい人は、お店に問い合わせてみては?
もちろん、サイクリスト以外にも人気のオギノパン。店内は買い物客でいつもにぎわっている
週末はいっぱいになる店先のバイクラック。金賞受賞の「あげぱん」の看板とトラックが誇らしい!
オギノパンのサイクルジャージは誰でも購入可能、写真は「エースだけが着ることができる(?)」山岳賞バージョンで、この夏に限定販売された
サイクリスト一番人気の看板商品「丹沢あんぱん」
さて、ここらで肝心のパンのお話を。
前回も紹介したが、サイクリストへのおススメはオギノパンの看板商品である「丹沢あんぱん」(各140円)。小ぶりなのでサイクルジャージのポケットに2、3個突っ込んでおいて、いつでもエネルギーチャージできる。
特徴は、薄めの生地にギッシリあんこ。すべて職人の手づくりで、そうでないとこの生地の薄さは出せないそうだ。中のあんこもバラエティー豊かで、どれを食べても絶品。いつも同じ味なんて言わずに、いろいろ試してみよう。
お店に来たからには、「神奈川フードバトル2年連続金賞」の看板がドーンと出ている「あげぱん」(110円)にも食指がそそられる。砂糖がたっぷりまぶしてある外皮はサクサク、そして中は綿あめみたいに軽くフワフワしていて、ほかでは味わえない食感だ。
「あげぱん」はできたてを食べてもらうため、揚げ器のある工場直営店など限られた店舗でしか買えないという。「ポケットに入れて持ち運ぶよりも、温かいうちにお店ですぐに食べてほしい」と荻野さん。個人的にはあげぱん同様、揚げて作られているカレードーナツ、アンドーナツもおススメだ。
また、オギノパンは学校給食用のパンも作っていることでも有名。神奈川では相模原、厚木、東京では日野、調布、八王子などの学校にも「あげぱん」などのパンを届けているという。子どものころ、オギノパンの給食パンを食べていたという人もいるのでは?
店内では、ほかにも様々な総菜パン、菓子パンが売られている。加えて、お店の周りは走るコースもバラエティ豊かなので、何度通ってもいつも違うパンが食べられ、違うコースを走れる楽しみがあるのだ。
丹沢あんぱんは「つぶ」「こし」「しろ」などの定番だけでなく、「胡麻」「くり」「玉露」「紫いも」「かぼちゃ」「さくら」「ゆず」など、季節限定品もふくめ10種類以上のバリエーションがある
販売・庶務担当の荻野隆介さんは自転車歴7年。埼玉県彩湖の「TOKYOエンデューロ」に誘われて参加したのがきっかけ。おススメの丹沢あんぱんは「かぼちゃ」
製造担当の長谷川大輔さんは自転車歴6年。「それまで趣味がなかったので、誘われて始めました」とのこと。おススメの丹沢あんぱんは「玉露」
経理担当の小池孝之さんは自転車歴半年。今はクロスバイクだが、ロードバイクに興味津々。おススメの丹沢あんぱんは「つぶ」
お店に併設されている工場も自由に見学できる。興味ある人は、覗いてみては?
オギノパン・本社工場直売店
神奈川県相模原市緑区長竹2841
TEL 042-780-8121
営業時間:9:30~18:30(年中無休)
工場直売店のほかに東京・神奈川に常設店が5店ある。10種類以上のバリエーションがある「丹沢あんぱん」、神奈川フードバトル2年連続金賞を受賞した「あげぱん」などが人気。
http://www.ogino-pan.com/
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。