2017年04月20日
【それいけ!FUNRiDEカレー部】Vol.5 新入部員と金太郎とカレーと
気づけばだいぶご無沙汰になってしまった、FUNRiDEカレー部。決して廃部したわけではなく、それぞれが別の活動で忙しく、なかなか部活動を実施できなかった。
「カレー部、だいぶご無沙汰だな……」なんて思いが心の片隅に芽生えたころ、タイミングよく小高部員からのカレーのタレ込みが。なにやら南足柄にいいお店ありとのこと。
足柄峠といえば、富士山を望みつつヒルクライムが出来る景勝地。良い峠は最高のスパイスになりうる。さくっと上って美味しいカレーを食べましょう! ということで久しぶりのカレー部スタートです。
春だから? 新入部員がやってきた
集合場所の足柄駅には小高部員と見知らぬ顔が、「カレー好きなんで連れて来ました」と小高。
「新入部員の田中です!」。カレー部は基本的に自転車に乗れてカレーが好きなら入部資格あり。ただ、眼鏡で、カレーが好きで、自転車に乗り、おまけにヒョロい体系。自分とキャラが被るな……。でも、同志が増えるのは良いことなんで、記念写真を味のある金太郎の前で撮り、ゆるーく出発!
今回のコースはとてもシンプル。足柄駅から御殿場線沿いを北上し、365号線に当たればそこが足柄峠の始まり。759mの山頂を目指し上って、神奈川側に下れば目的のカレー屋さんだ。
スプーンでカレーを食べる姿を模したお馴染みのカレー部ポーズ。新入部員ができていない
駅前にさっそく金太郎の置物が。さすが金太郎のまち!
この日の天候は晴れ、絶景と絶品に期待を膨らませ、富士山が見える絶景スポットである誓いの丘までは5km。序盤は東名高速の上をまたぎ、ゴルフ場を縦断する直線道が続く。ここの直線が結構えぐいので要注意。終始後輩を引っ張る小高部員。つねにニュートラルな田中部員。それを温かい目で見つめる部長の私。そんな3人で進んでいくと、誓いの丘が近づくにつれて、なにやら怪しい雲行きに……。麓では晴れていたのだが、どんどん雲が増え、到着の頃には、目の前は真っ白。嗚呼、富士山は何処へ。
富士山から「もう一回来なさい」って言われたんだなとポジティブに理解し、少し先の足柄城趾がある頂上へ一気に駆け上がる。山頂近辺には関所跡や茶屋など観光スポットになっていて駐車場もある。家族は車で上ってもらって、お父さんが自転車で合流なんて楽しみ方もできる。
我々3人もちょっとした観光気分を味わい、ここからは下り。すぐに始まるつづら折れ区間は注意が必要だが、概ね路面の状態は良く、序盤を抜けてしまえば見通しも良い。絶景は生憎の天気で駄目だったけれど、絶品で逆転したいとお店を目指してひたすら下る。
新入部員が見せたニュートラル走行。表情もニュートラル
誓いの丘で、富士山が見える日にまた来ようと誓い合い金を鳴らす
足柄城址公園も見晴らし最高。雲さえなければ……
メガネコンビで顔ハメ。元気なクマとヘトヘトの金太郎
富士山に見放され、カレーにも見放され
「そろそろこのあたりかな」。次の交差点の角に看板が見えてきたけれど、何だか開店してる気配が無い……。時間は13時、下調べをしたかぎりだと今日は営業日なはず。暗い店内、扉には張り紙。そこには「閉店」の文字が……。どうやらまだネット上では情報が反映されていなかったよう。このあたりでもう一軒チェックしていたカレーうどん屋さんもあるのだが、あいにくこの日は定休日。
絶景に続き、絶品にも出会えなかったFURiDEカレー部。新入部員の前で良い所が見せたかった……。小高部員が見つけてきたとはいえ、部長として痛恨のミス。無念!
行き当たりばったりもサイクリングの楽しみの一つだけれど、峠越えをしてきて、3人とも空腹はピーク。調べてみるとこの近辺にはいくつか良さそうなパン屋さんがあるみたい。
「この際、カレーパンでも良いんじゃないかな」と、部長として機転を利かせた提案を部員たちに告げる。数ある店の中から「天豆(そらまめ)」という天然酵母を売りとするお店が何だか気になる。今いる大雄山駅からは少し距離があるが、こういう時の勘には自信があるので、迷わずGO!
時折現れる小さな看板を便りに15分ほどペダルを漕いでいくと、道は細くなり、うっそうとした薄暗い上りに、不安を感じ始めたころ周囲にパンの焼ける良い匂いが漂ってきた! 看板を頼りに脇道に逸れると、かわいらしいお店を発見。二人入るといっぱいになってしまうような小さなお店には存在感のある立派な石釜。そして棚には丁寧に作られ見るからにおいしそうなパンが並ぶ。
自家製のレーズン酵母の元種を石窯で焼き上げたパンは、力強くも優しい味わい。固めの歯ごたえと、内側の柔らかさ、異なる味わいと食感が口の中で混ざると、香ばしさと酵母の風味が口いっぱいに広がる。とくにパンに詳しくない自分にも、良くある普通のパンとの違いがはっきり分かった。
カレーパンはラインナップには無かったけれど、大満足。全種類制覇せねばとここで誓う。
めでたしめでたし。
「カレー部ですよ、カレー!」
気持ちよく終わろうとしていたところ部員2人からのツッコミ。そうでした。あまりの満足感ですっかりパンライドになる所だった。
部長が酵母に酔っている間に田中部員がカレー屋さんをしっかりとリサーチしてくれていました。なかなか有望な新入部員。
空腹すぎて部長も(顔が)ニュートラル走行に。パン屋さんをひたすら目指す
屋根の上に積まれた薪が期待感を高まらせる「空豆」の外観
店長さんと石釜。職人魂感じます
まわりは香ばしく、中はふんわり優しい味。お目当てのカレー屋さんが閉店していたから出会えた絶品パン
ということで、来た道を折り返し、お邪魔したのは「アンナプルナ」。大雄山線の富士フィルム駅近くにあり、見た目は完全な和食屋さん。店内も和のテイストが満載。そんななか本場の方々が笑顔で出迎えてくれる。ランチタイムのメニューはどれもリーズナブル。11種類の中から選べる2種のカレーセットを注文。ラッシー、サラダがついて850円はコスパ高し。ボリュームのある焼きたてのナンはほんのり甘く、スパイスの効いたカレーに最適だ。私は悩みながらも「ほうれん草カレー」と「バターチキンカレー」をチョイス。
ほうれん草のカレーは荒めに砕いたほうれん草がふんだんに使われていて、食べ応えあり。バターチキンはバターの甘さと、ワンテンポ遅れてやってくるスパイスの辛みが絶妙。このチョイスは全体的にはやや甘口なので辛いのが苦手な人もOK。
食べてばかりのなので足柄峠を逆戻りして静岡側へ。竜福寺交差点から頂上までは約11.5km、平均勾配6%。長く上りたい人はこちら側から足柄峠を走るのもおすすめ。あわよくばと思ったが、相変わらず姿を現さなかった富士山に別れを告げて、足柄駅にて、今回のカレー部は終了。
カレー部なのかパンライドなのか分からなくなってしまったが、次回は度々耳にする「ダムカレー」を食べに!
お店の外観はかなり和風ボリュームのあるランチメニューでお腹いっぱい
なぜか急にアタックして新入部員を突き放す小高。ニュートラルにつきイチな新入部員に腹が立った?
パンとカレーをおいしくいただいたあとのヒルクライムは結構きつかった……
ライド後はあしがら温泉で締めるのもおすすめ
*お店情報*
天豆(そらまめ)
神奈川県南足柄市岩原1094
TEL:0465-72-0712
HP:http://soramame.webclimbers.info/
営業時間:11:00~18:30
定休日:日曜日、月曜日、火曜日
アンナプルナ
神奈川県南足柄市狩野63-4
TEL:0465-74-8005
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
定休日:月曜日
※店舗情報は変更されている場合がございます。最新情報は直接店舗にご確認ください。
著者プロフィール
小野口 健太おのぐち けんた
元「なるしまレーシング」の自転車選手で、現在はフリーカメラマンとして、スポーツシーンを中心に活躍中。カレー好きが高じた結果、「FUNRiDEカレー部」の部長という裏の顔も持つことに。