2016年01月15日
【それいけ!FUNRiDEカレー部】Vol.2 空腹と寒さは最高のスパイス!? 後編
痛恨のリサーチ不足
今回お邪魔しようとしていた、「Cafe 月見かえる」さんに恐るおそる電話してみると12月から4月までは冬期休業中との事。予想外の展開。完璧なカレーツーリングが出来たと思っていた矢先に……。このあたりに思いつくカレー店はほかに無い。ちょうどお腹の空く頃に到着するのを計算していたのが仇となり、3人に漂う不穏な空気。
「奥多摩にカレーのおいしいおそば屋があるよ!」
天の声にも似た、ちゅなどんのナイス提案。
これに乗るしか無いでしょう。というか乗らせてください!
幸いにもここからは鋸山を越えてしまえばもう奥多摩。何度か上った事もあるし、3kmぐらいの上りだったから、残り少ないスタミナでもそのくらいは走れるはず。軽ーく超えてやりましょう!
見どころ多しの鋸山
鋸山へのヒルクライムコースはなかなか他にはないシチュエーションの連続。きれいな小川とキャンプ場を横目に走ると東京都の指定天然記念物の神戸岩が、クリート靴ではシンドイが、高さ100mの渓谷は一見の価値あり。
急に出てくる手作業で掘ったの!?と言うような真っ暗なトンネル(ライト必須!)を越えると本格的なつづら折れがはじまる。時おり現れる急斜面で標高を稼ぎ、進んでいく。
「あとどれくらい?」(ちゅなどん)
「全体で3kmちょっとだから~そこを曲がるとそろそろ!」(ボク)
曲がるとまたつづら折れ……。
「そうだった、その先で看板出てきて、頂上なはず!」(ボク)
「……看板ないんですけど」(小高)
さらにきつくなる斜度……。遠くに見えるカードレールがこの先まだまだ上りが続くことを伝えてくる……。
2人の刺さる視線を背中に受けつつ無言の一本引き。こんなきつかったっけな、ハンガーノック気味だし、もう引けないかも、だれかパンクしないかな、だめかも、限界の手前でようやく頂上に。
神戸岩を眺める小野口部長。お目当てのカレー屋が閉まっており、背中はどこか寂しげ
真っ暗なトンネル。決してひとりでは通りたくない
上れど上れど頂上にはたどり着かず……。部長の言葉は信用できない
「部長のうそつき!」叫ぶ小高とヘトヘトちゅなどん
隠れ家的カレー屋さんに到着!
あとは下ってしまうだけ、ただのぼり以上に下りがくせ者、もともときれいな道ではないうえに近年の大雪や台風で路面は荒れ荒れのガレガレ。細心の注意を払って下山。その後はふらふらとちゅなどんに案内されながら気がつくと目の前には広々とした河原と氷川国際ます釣場が。目的のお店はこの建物の2階にある「蕎麦太郎cafe」。
蕎麦屋さんのカレー? 出汁が利いてる和風な感じかな?
店内は予想していたイメージとはだいぶ違って、DJブースやオリジナルの雑貨が並ぶ明るい空間が広がり、ログハウス風の店内の広く配置された窓からの日差しが明るく、日原川が見渡せます。
看板メニューの奥多摩手打ち麦切りも気になりますが、ここは当然カレーで。
カレーはなんと3種類、しかもそれぞれが全く違うテイスト。
スパイスが利いた丁寧な仕事がうかがえる、インドチキンカレー(辛口)。
まろやかなココナッツミルクのなかに、確かな辛さ、季節によって具材をかえる本格派タイグリーンカレー(激辛)。
辛さを抑えたことで、具材の一つ一つが際立ったドライカレー(甘口)。 どれも800円なり。
ルーも製法も、スタイルも違うカレー。出来る事なら全部食べたい所だが、ここは3人でシェア。予想外の行程に険悪ムードの3人もカレーを通して仲直り!
ご自由にどうぞのコーヒーも美味。なぜかカレーがおいしいお店のコーヒーは美味しいのです。
一つのお店で3つのおいしいカレーが味わえる、この守備範囲の広さに脱帽です。
店長さん曰く、限定でスペシャルなカレーが登場する事なんかもあるそう。ホームページやFacebookを要チェック!
身も心も満たされて、青梅街道経由で武蔵五日市へ戻り今回のライドは終了。
時間に余裕があるなら途中にあるもえぎの湯で足湯(100円)に入っていくのがおすすめ。血行を良くして疲労物質を抜いちゃいましょう。
(左上から時計回りに)ドライカレー、タイグリーンカレー、インドチキンカレー。それぞれ個性のあるおいしいカレー
冷えきった身体を足湯で温める。思わず顔もほころぶ
――後日、ちゅなどんから「鋸山の上りは7km以上あったぞ!!」とクレームが。やっぱり自転車乗りの「もうちょっと」は信じてはいけませんね(笑)。
きつかった上りも、ひもじさも、寒ささえも良いスパイスになってくれたので結果オーライのカレー部でした!……次回はもう少し計画的に行こうかな。
今回のライドコースはこちら→https://funride.jp/course/currycourse02/
蕎麦太郎cafe
【住所】東京都西多摩郡奥多摩町氷川397-1 氷川国際鱒釣り場 2F
【営業時間】11:00~18:00
【定休日】毎週月曜日/年末年始
【ホームページ】http://sobataro.com/
著者プロフィール
小野口 健太おのぐち けんた
元「なるしまレーシング」の自転車選手で、現在はフリーカメラマンとして、スポーツシーンを中心に活躍中。カレー好きが高じた結果、「FUNRiDEカレー部」の部長という裏の顔も持つことに。