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2017年08月23日

【トレックワールドジャパン2018】別府史之選手と巡るNEWプロダクツ ツアー

8月9-11日の日程で開催されたトレック・ワールドジャパン。この規模で翌年のプレゼンテーションを行うブランドはそう多くありません。よってトレックのディーラーもこの日を楽しみにしていることでしょう。例年、来場者をおもてなしするスタッフが充実しているのですが、今年はシーズン半ばながらも別府史之選手が、このトレック・ワールドのために帰国しました。
そこで今回はフミと一緒にこのショーの目玉となったプロダクツを片っ端からレポートします。

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後ほど紹介するが、フミのシグネチャーモデルと、アルベルト・コンタドール選手の実車が展示された

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会場はジャンルごとに分かれ、それぞれの空気感を楽しむことができる。その作り込みの細かさは圧巻

マドン9 別府史之 リミテッドエディション

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フミのために作られたリミテッドエディション。限定100台で日本でも販売される
8V3W7426フォーク、トップチューブ、シートチューブ、バックステーの裏には「Fumy」の文字がカモフラージュ柄になっている。いわゆる忍者のように、集団の中へ溶け込みチームのために確実に仕事をこなすフミを表している
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既製品にはない、アナトミック形状のハンドルバー。マドン9がリリースされ、ほどなくして選手用として製造されたものだが、一貫してアナトミックバーを使うフミのために作られたようなものだ
8V3W7399フミの座右の銘である“Je sais que je peux(為せば成る)”のフランス語アルファベットを漢字風にしてデザインした。よーく見ると……わかりますか?

Madone 9 Fumy Beppu limited edition」は全国のトレック販売店でご予約いただけます。
・価格:49万円(税抜) フレームセットのみの販売となります。
・サイズ:50cm, 52cm, 54cm, 56cmとなり、H2フィットのみの取り扱いとなります。
・付属品:フレーム、フォーク、シートピラー、ヘッドセット、スペーサー、マドン専用前後ブレーキセットです。通常ステムの装着を希望される場合、別途ヘッドセットアダプターの購入が必要となります。
・納期:10月中旬を予定しています。
・特典:「別府史之選手直筆サイン入り非売品フォトブック」をプレゼントいたします。

ーーー夏に帰国するのは久しぶり?
フミ:3年前のトレック・ワールド以来ですね。久しぶりの日本の夏はこんなに暑くて、セミの声がうるさかったかな…と(笑)。例年はさいたまクリテリウムとジャパンカップの2〜3週間ですが、今年は全日本選手権、今回と秋のジャパンカップなので例年よりも日本への滞在期間が長いですね。

ーーーさてトレックのシグネチャーモデルってワールドツアーの選手としても希少だと思いますが。
フミ:今年はアルベルト(コンタドール)と、引退を表明していたアイマール・スベルディア選手、そして自分。それもUS主体で作ってもらえたことが嬉しい。やっぱり自分をモチーフにした、アイデンティティをバイクにすべて入れてくれたというのは13年間プロとしてやってきたことを1つの形にできて、選手として幸せなことです。特徴は白と黒を基調にした水墨画もイメージに含まれています。USのデザイナーが制作したのですが、自分の色を出したいという想いあり、僕のわがままでデザイナーの奥野さんに作ってもらった名前のロゴをシートチューブに入れてもらいました。カモフラージュは、よ〜く見ると“隠れているもの”が見えます。Fumyの文字であったり、漢字であったり。僕はおしゃれでワンポイントが利いたデザインになったと思います。このバイクはジャパンカップのクリテリウムでお披露目できる予定ですね。

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バニーホップもキメていただきました


アルベルト・コンタドール選手のエモンダが展示される
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ーーー引退については聞いていた?
フミ:アルベルトの引退は本当にサプライズだった。アルベルトを取り巻く来シーズンの大まかなスケジュール(ジロへ向けた動きなど)も決まっていたのですが……。でもブエルタに向けて動き出しているので、チームは一丸となってレースに臨むでしょう。

タイヤはビットリア製のスペシャルなモデルを使用している。またボトルケージにも抜きやすさを追求してか、小さなOリングが取り付けられている。またDi2のジャンクションB ボックスをあえて外付けにしているなど、いろいろなカスタムが施され、シリアスサイクリストにとって実に参考になるアッセンブルである。

エモンダはフルモデルチェンジ。エモンダSLRデビュー
アルベルト・コンタドールの実車はもちろん、エモンダがフルモデルチェンジ。
詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。試乗記事はこちら

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エモンダSLR 8

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ディスクブレーキ仕様もリリースされる。

eBike上陸!

これがいいよね。と今回のショーで展示されている日本では未発売のeBikeを指差すフミ。うちの家族に良いと思うんだけど…..とのこと。来期日本ではeBikeのマウンテンバイクではなく、コミュータータイプのeBikeがいよいよトレックからもリリースされる。その名もVERVE+。この会場にあった実車は海外仕様で、日本の公道での走行はNG。敷地内での走行は可能だったので試乗も可能であった。ハンドルバーのボタンでモードを選択できるのでシーンに応じてアシストパワーの調整ができる。稼働時間も十分に取れていて、およそ50kmの走行(一番パワフルで)が可能。

ここで、ドライブユニットを手がけるボッシュ株式会社の高橋大輔さんにEバイクのお話を伺いました。ヨーロッパや欧米のeBikeは2000から3000ユーロと日本よりも少し高めです。パワーが違うのはもちろん、自転車にたいする価値観が違いますよね。日本仕様はヨーロッパのレギュレーションよりも制限があります。具体的にはドライブユニットは違うものを搭載しています。違うと言っても4種類のドライブユニットから日本向けに最適なものを一つ使っています。違いは最大出力が少ないぶん、重量が軽い。それに合わせて、ソフトも日本の法律に適合しながらも乗って楽しめるものを作っています。
バッテリー容量は300w/hというバッテリーを使っています。これは重量と走行距離を考えた場合、バランスがいいと考えました。目安として一番パワフルなモードでも約50kmの走行を可能にしています。
いろいろな制約の中でバッテリーもフレーム形状に合わせていたり、フォルムにも配慮がなされています。

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VERVE+ 価格は213,000円(税抜) サイズ 16, 18, 21˝ 

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コックピットで走行状況やモードの確認、手元で変速調整や、アシスト機能の調整ができる

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Bosch Active Line mid-driveシステムは、出力のバランスがコントロールされているため非常にスムーズな乗り味を提供できる

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クランクはFSA製だ

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ペダルアシストはペダリング時にのみパワーアシストが起動

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バッテリー容量は側面に表示される

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ヘッドチューブとリアフェンダーには昼夜を問わず安全性を高めるために、パワフルなライトシステムを搭載
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高いエアーボリュームのBontragerH5を装着する予定だ

エモンダ、ドマーネのアルミモデルもアツい

実際にフミが乗り、非常に印象が良かったというエモンダALR。
フミ:ヘッドチューブやリアエンドの溶接部分がすごくいい仕事をしていますね。ボトムブラケット周りは強度も必要なので溶接ビードを残していてアルミらしいですが、目に留まる部分はちゃんとした仕事をしているからすごく印象がいい。
価格も16万円ほどなので、例えば知り合いが自転車を始めたいと言ったら、コレをお勧めしますね。ジオメトリーは上位モデルのエモンダと変わらないから、乗り味もバランスが良くて走りやすい。さらにアタリの強さもなくマイルドな感じ。これにカーボンホイールを履かせたら、レースに出てもイケるんじゃないかって思うくらい走りますね。

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ドマーネのアルミモデルが登場
2018年モデルとしてドマーネにもアルミモデルのドマーネALが登場。ジオメトリーに工夫が施されていて非常に乗りやすくなった。ISO SPEEDカーボンフォークを搭載したことでさらに安定性が高まった。

フミ:ジオメトリーやISO SPEEDフォークが新しいですね。長距離のツーリングなどにはとても良いでしょう。 上位モデルの話になるけど、 フランスの道って結構悪路が多い。でもISO SPEEDがついているとショック吸収がよくて、すごく走りやすい! 
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価格は….
Domane AL 2        79,000円
Domane AL 3        98,000円
Domane AL 3 Women’s       98,000円(いずれも税抜)

と非常に競争力のある価格帯だ。

ファビアン・カンチェラーラ氏のドマーネALプレゼンテーション。

ーーーエモンダ、マドン、ドマーネの3モデルは一言でどのような共通点がある?
フミ:ISO SPEEDや軽さ、エアロと特徴はあるけど、あえて挙げるならフォークに特徴がありますね。ドマーネは寝かせているし、マドンはストレートフォークを使っていて。そしてエモンダはその中間くらいのイメージ。フォークでなんとなく乗り味の特性がわかるというか。例えばドマーネとマドンのリアにはISO SPEEDが入っているのにまったく雰囲気が違いますよね!

 

レギュラータイプのハンドルバーを搭載したNEW マドン9.0を試乗
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一体型のハンドルバーではどうしてもポジションが出しにくいという声に応えるために、リリースしたのがこのマドン9.0。OCLV600カーボンを用いている(OCLV700カーボンはカスタムオーダープログラム プロジェクトワンのみ)が、そのライディングフィールにまず不足は感じない。このマドンはオランダで世界同時リリースに立ち会った思い出深いバイク。3年ほど経過したがそのライドフィールに陰りは見えない。ハンドルバーがレギュラー化されたことでなにができるかというと、写真のようにアタッチメントバーが取り付けられる。トライアスロンやタイムトライアル用としてもマドンのパフォーマンスを生かせるだろう。
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シマノ・アルテグラ完成車で価格は510,000円(税抜)。これはお買い得と言えないだろうか。プロジェクトワン対応(56,000円のアップチャージ)。

 

よりセイフティ レベルが向上したヘルメット

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ボントレガーのニューヘルメットが2モデル。まずはマグネットでライトを搭載できるミドルグレードのサーキット。MIPSに加えマグネチック・ライトマウントがキモ。GoProなどのアクションカメラも装着可能。
サイズ(重量)はS/M(291g)、M/L(316g)。価格は19,444円(税抜)

フミ:これは練習の時にイイな……。

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マグネチック・マウントの装着感を試す図

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そしてツールドフランスでデビューしたヴェロシス。風洞実験により導き出された最高の通気性とエアロ効果を発揮する最新デザインを採用。フミももちろんこのヘルメットを使用する。

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もちろんMIPSを搭載する。頭部を保護するという大前提だけはブレない

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フィッティング中のフミ!

フミ:アジアンフィットは初めて見たけど被りやすいね!
ーーー支給されているのは欧州モデル?
フミ:そうなんですよ。

ヴェロシス MIPSのカラーはブラック、レッド、ビジヴィリティ(イエロー)、ホワイト。そしてヴォイスピンク(WOMEN’S)
サイズ(重量)はS/M(275g)、M/L(293g)、価格は23,148円(税抜)

OTHER / フルカーボンチューブレスレディ 登場

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フルカーボンリムながらもチューブレスレディ対応のホイールがリリース。その名はボントレガー・アイオロス プロ3 TLR。耐久性、軽さ、エアロダイナミクスを最高のバランスで発揮してくれる。リムにはOCLVプロカーボンを採用。ハブはオリジナルのRLハブを用いる。

フロント:656g(リムブレーキ)/715g(ディスクブレーキ)
リア:850g(リムブレーキ)/885g(ディスクブレーキ)
価格は84,000円(フロント、税抜)/100,000円(リア、税抜)

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フィッティングシステムもブラッシュアップ

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PRECISION FIT KIOSK
簡単にフレームサイズを導き出せるシステムが新しくリリースされる。画面に映し出されるのはPRECISION FIT KIOSKで撮影した画像(写真左下の白いテープの前に立ち撮影する)。これを元にして身長や股下長などを記入。それらのデータを基にフレームサイズを算出するのだ。アテンドするのはプレシジョンフィッターのビンセント・フラナガン氏(元プロMTBライダー)。


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タベルナ・エスキーナさんが特製のかき氷とサンドウィッチを提供。美味しくいただきました

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取材中も写真撮影で引っ張りだこ。※取材中によりお写真を一緒に撮れなかった方がおられましたらお詫びいたします。

オススメのモデルの中に琴線に触れるアイテムはありましたか? そしてアテンドしてくれたフミからは、彼も自転車をこよなく愛するサイクリストだな、という印象もより強く感じました。プロ14年目の2018シーズンも日本から応援しましょう。その前にジャパンカップですね!

写真と文:山本健一

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