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2023年08月01日

「第2回2020自転車ロードレース レガシィサイクリング2023」猛暑の中、東京五輪のコースに挑戦!

2年前に開催された東京五輪・自転車ロードレースとほぼ同じコースを走る「第2回2020自転車ロードレース レガシィサイクリング2023」が7月29日に開催された。今回は一般サイクリストも参加し、東京から富士山麓を目指す真夏の過酷なコースにチャレンジした。

一般サイクリストも参加し、全5コースで開催

東京2020オリンピック・パラリンピックから2年、自転車ロードレース競技のレガシィ、サイクルスポーツ・サイクルツーリズムの推進・発展を次の世代に継承する目的で開催された今イベント。

スタートは東京都府中市の武蔵野の森公園で、ゴールは富士スピードウェイ西ゲート。東京五輪・自転車ロードレース(男女)のコースの前半部分とほぼ同じルートを走る114.6kmがメインのコースとなる。
さらに、新たに途中のエイドステーションで折り返すコースや、富士スピードウェイ・山中湖周辺の明神峠や籠坂峠などを走るコース、東京五輪のタイムトライアルと同じコースなどが追加となり、全部で5つのコースが設定された。

昨年の第1回大会はゲストライダーや関係者のみの参加だったが、今回はゲストライダー30人に、一般参加のサイクリスト43人(すべてのコースの合計人数)も加わり、五輪選手たちが走ったコースに挑んだ。

主催したJCL(一般社団法人ジャパンサイクルリーグ)の片山右京チェアマンは、オープニングセレモニーで「レガシィサイクリングのレガシィはどういう意味かと考えたんですけど、オリンピックを継承していく、残す部分と、新しいチャレンジとして自転車が抱えている課題、免許がなくても乗れる自転車を通してどのように正しく健全な社会を作れるかは、こういう活動が意味があると思っています」と挨拶し、今イベントの意義を語った。

オープニングセレモニーで挨拶するJCLの片山右京チェアマン(右)も、他の参加者と一緒に走った
ゲストライダーは豪華。東京五輪代表の増田成幸選手(JCL TEAM UKYO)、ツール・ド・フランス出場の今中大介さん、弱虫ペダル作者の渡辺航先生、競輪界のスター小嶋啓二選手(右から)ら。その他にも過去のオリンピック・パラリンピック出場選手、現役ロード選手など、そうそうたる顔ぶれ

暑さと体力不足で無念のDNF…

午前7時20分から、5~6人のグループごとにスタート。府中の市街地を抜けて、東京五輪ではリアルスタート地点だった是政橋を渡り、アップダウンの続く尾根幹(南多摩尾根幹線)へ突入する。最近ウエイト増加が半端ない筆者は、早くもこの上りで遅れ始める。

五輪のパレード走行でも印象的だった府中市の大國魂神社へ。参道を自転車押し歩きで移動した。前半はパラリンピック金メダリストの石井雅史さん(右)と一緒のグループだった
第1エイドの稲城中央公園。みなさん日陰で体力を温存

2年前の東京五輪当日も暑かった記憶があるが、この日も朝はやや涼しかったものの、時間とともに気温がジリジリと上昇。東京周辺は35℃を超す猛暑日となり、ボトルの水を身体にかけながら走る。

相模川にかかる小倉橋のそばには、自転車ロード競技のピクトグラムを描いた大型横断幕が設置。カラーは今年バージョンになっている
宮ケ瀬湖畔の第2エイド。水や軽食などをサポートしてもらえる

相模原市に入り、第2エイドの宮ケ瀬湖畔の鳥井原ふれあいの館でしばらく休憩。スタッフの方が「この先、バスに乗って移動してもいいですよ」と声をかけていたが、筆者は涼んで回復したかなと思い、再スタート。ここから道志みちを走り、山中湖方面を目指す。

容赦なく日差しが照り付ける中、後半戦に向けてスタート! この後、自分は遅れてDNF…
富士スピードウェイの近くにある東京2020のモニュメントで記念撮影。コース上には様々な大会関連のモニュメントがあるので、探しながら走るのも楽しい

しかし、上りが始まると再びグループから遅れ始める。道志みちは過去に何度か走ったことがあるので、この日も大丈夫だろうと思っていたが、暑さと自分の体力低下で体が前に進まず、残り約40kmで無念のDNF。回収車に迎えに来てもらって、そのままゴールの富士スピードウェイまで運んでもらった。関係者のみなさん、他の参加者のみなさん、大変お世話になりました。

この日の過酷な暑さで、他にも何人かDNFになった人がいたようだ。先ほども触れたように途中で車に乗せてもらうことも可能だし、輪行袋をスタート地点で預けてゴール後はバスで御殿場駅まで送ってもらえるので、完走に自信がない人でも安心だ。

話を聞いた一般参加のサイクリスト。参加賞のジャージにゲストライダーのサインをもらってご満悦

一般参加者に話を聞いてみた。

普段はブルベに参加しているというサイクリストのお2人は「フルで完走したんですけど、ちょっとなめてたんで結構きつかったですね。コースは初めて走ったけど、景色もよくてよかったです。プロの方々と普通に話せたのも楽しかった。武山(晃輔/JCL TEAM UKYO)選手のグループだったんですが、めちゃくちゃ速くて途中から1人でした(苦笑)」、「楽しかったです。試走で3回ぐらい来ていたんですが、今日が一番つらかったです。体力はあったんですけど、暑過ぎました。道志みちでハンガーノックになりました。このジャージがついていたので、参加してよかったです」とニッコリ。

ゴール地点では渡辺先生、小嶋選手によるトークショーなども行われた
最後は参加者やゲストライダー、運営スタッフのみなさんと記念撮影

今回は暑さ的にも厳しいイベントになったが、個人的にも東京五輪のコースを走るのは一度やってみたかったので、また機会があれば鍛え直してチャレンジしたい。コースの長さなど考えると、運営的にも大人数での開催は難しいと思うが、もっと多くの人にサイクルスポーツの魅力が伝わるようにイベントが続いていくことを願いたい。


関連URL:国土交通省 オリンピックレガシーロード

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