2018年05月02日
ワインを味わいながら楽しむ! グランフォンド八ヶ岳&グランフォンドピナレロ説明会
サイクリスト憧れの北イタリアを走るグランフォンド・ピナレロ、そしてその姉妹イベントとして誕生したグランフォンド八ヶ岳。両イベントの舞台はワインの産地という共通点もあることから、4月25日(水)、都内で「ワインを味わいながら楽しむ グランフォンド八ヶ岳&グランフォンド・ピナレロ説明会」を開催。それぞれのイベントの魅力を伝えた。
地元プロアスリート、エース栗原さんがグランフォンド八ヶ岳の走り方を伝授!
グランフォンド八ヶ岳大会事務局の呼びかけで、この日の説明会に参加したのは約20人。平日の夜ということで仕事帰りのスーツ姿の人も多かった。このうちグランフォンド八ヶ岳を走ったことがある人が約半数、グランフォンド・ピナレロは2人のみ。そんなみなさんには、ピナレロの本拠地トレヴィーゾ近郊のワイナリー「ヴィッラ・サンディ」で作られるプロセッコ(スパークリングワイン)が振る舞われた。グラスを傾けつつ、自転車トークには耳を傾けつつ、説明会はスタート!
この日、提供されたワインは「プロッセッコ DOC イル フレスコ」。家族経営のワイナリーで「イル フレスコ」(イタリア語でフレッシュ)の名の通り、フレッシュさにこだわって作られている
グランフォンド八ヶ岳のコースが練習コースだというエース栗原さん。この日は宮古島トライアスロンを完走した直後だったが、明るく元気いっぱい
前半は八ヶ岳のふもと山梨県北杜市在住の地域密着型プロアスリート、エース栗原正明さんによるプチライディングセミナー。栗原さんはバイクとランで競うデュアスロンで2度全日本チャンピオンに輝き、ハワイ・コナで開かれるアイアンマン世界選手権にも何度も出場。6年前に山梨県に移住し、地元企業のサポートを受けながら競技を続け、やまなし大使としてPR活動も行っている。昨年のグランフォンド八ヶ岳はゲストライダーとして参加し、イベントを盛り上げてくれた。ちなみにエースという名前は「大学のトライアスロン部に入部したときに、先輩に覚えてもらうために自己紹介でエースと名乗った」のがきっかけだとか。
そんなエース栗原さんによる「グランフォンドを楽に走りきるためのプチライディングセミナー」では、ペダリングの円運動意識を変える4方向ペダリングを伝授。これはペダルを踏む、引くの2方向だけでなく、下記の4つに分解して意識しながら足を動かすというもの。
10時~1時:ペダルを前に持ってくる=つま先を前に押し出す
1時~5時:下に踏む=階段を登る感覚で踏み込む
5時~8時:後ろに引く=足裏で地面を掻く
8時~11時:上に引き上げる=前腿と腹筋で脚を引き上げる
「右足を前に出すときは、左脚を掻くことで力を分散させてペースを一定にできる」とのアドバイスも付け加えられた。
続いては、上半身の前傾姿勢の作り方。グランフォンド八ヶ岳のコースはアップダウンに富んでいるのでコースの勾配に合わせて前傾の角度を変えると楽に走れる。その角度は、ブラケットやブレーキレバーにかける指の本数を2、3本と変えて調整するといい。
「急にできるものではないので、ローラー台や安全なサイクリングロードで試しながら、9月の本番まで日々鍛錬してください」とエース栗原さんからエールが送られた。
ブラケットやブレーキレーバーにかける指の本数を変えることで、前傾姿勢の角度を調整
また八ヶ岳周辺はエース栗原さんにとって普段の練習コースでもあるので、コース上のとっておきのフォトジェニックスポットなども紹介してもらった。
10回記念大会となる今年のグランフォンド八ヶ岳は、9月30日(日)に開催。コースはグランフォンド(最長113km)、メディオフォンド(73km)、グルメツーリングの3種類。獲得標高2,200mの走りがいのあるコースや八ヶ岳や南アルプスの雄大な景色、各エイドステーションで出されるご当地グルメが醍醐味だ。前日には八ヶ岳の魅力を再発見するガイド&昼食付きミニツーリングを初開催し、また地元のパン屋が集まったパンフェスなど新企画もいろいろと準備中だ。
サイクリストの聖地 北イタリアを満喫! グランフォンド・ピナレロ
後半はオフィシャルツアーに毎年同行するピナクラブ代表の星野知大さんが、グランフォンド・ピナレロの魅力を語る。イタリア語で「長距離を(自転車で)走る」を意味するグランフォンド、その中でも屈指の人気を誇るのが、今年で22回目となるグランフォンド・ピナレロだ。
ピナクラブ代表の星野さんが、グランフォンド・ピナレロの魅力を語ってくれた
人気イタリアンバイク、ピナレロの本拠地でもあるトレヴィーゾは、今でも中世の街並みが残る古都。大会はイタリア・ピナレロ社が主催&運営をしており、ピナレロ本店前をスタートし、城門をくぐってゴールするのもイベントの魅力のひとつだ。4000人以上が参加するコースはグランフォンド(161km)とメディオフォンド(101km)の2種。途中にはジロ・デ・イタリアにも登場するような厳しい山岳地帯も待ち構えている。
大会の雰囲気について星野さんは「日本で言えば東京マラソンみたいな感じ。上位はレースしているけど、それ以外は完走目的」と説明。しかし、4000人の集団走行の中に入れば、空気抵抗の影響も少なく40~50km/hで巡航できるという。
ピナレロを駆りツールを制したミゲール・インデュラインやブラッドリー・ウィギンスなど豪華ゲストライダーの参加や、パニーニやサラミといったイタリアならではのエイドの料理も魅力だ。また「世界的なブランドもピナレロも、もともとはトレヴィーゾの街の自転車屋。街中ではピナレロのママチャリも走っている」といったイタリアの自転車文化の奥深さを物語るエピソードの数々も紹介された。
山の幸、海の幸ときれいな水に恵まれたトレヴィーゾは、グルメもよりどりみどり。近郊で作られるワイン、トレヴィーゾが発祥というティラミスをはじめ、ツアー期間中は様々なイタリアの味を堪能できる。
ベネツィアの北にある小さな街がトレヴィーゾ。海からも山からも近く、おいしいグルメもたくさん
今年で13回目を迎えたグランフォンド・ピナレロ・オフィシャルツアーは7月12~21日の実施で、グランフォンド本番は7月15日。グランフォンド前日にはテストライド、翌日以降はワイナリーツーリング(オプション)、ピナレロ本社工場見学、ドロミテ山塊周辺ツーリングなど連日イベントが予定されている。工場見学では、同時開催中のツール・ド・フランスに送られる直前のマイヨジョーヌカラーのバイクを間近で見られることもあるとか。
参加者のみなさんもワインに舌鼓を打ちながら、サイクリストにとって夢のような話に聞き入っていた。グランフォンド・ピナレロ オフィシャルツアー2018は、申し込み締め切りが5月10日(木)に迫っている。一方、第10回グランフォンド八ヶ岳は9月2日(日)までエントリー受け付け中。詳細は、下記の公式サイトをチェック!
第10回グランフォンド八ヶ岳 ⇒ http://gf-yatsugatake.jp/
グランフォンド・ピナレロ オフィシャルツアー2018 ⇒ http://plus.tobutoptours.jp/bicycle/pinarello/
エース栗原さんをサポートする企業からお土産として金精軒の信玄餅をプレゼント!
協力/ピナレロジャパン(http://www.riogrande.co.jp/pinarello_opera/)、ピナクラブ(http://pinaclub-japan.com/)
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。