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2018年09月28日

【自転車雑誌サイクルスポーツ】全日本最速店長選手権2018 インタビュー

第8回目を迎えた店長選手権。昨年に引き続き、今年も取材しに行っちゃいました。イベントを手がけるメディアということでリスペクトしつつ、レースはやっぱり生で見るのが一番と感じた1日なのでした。
レース結果は公式サイトでご覧いただくとして、今回はキーマン3名にお話を伺いました(スペシャルゲストっていうお店がオープンしたのか……と思ったのは秘密)

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カラッと晴れた9月の下総。日差しは強いが観戦日和。

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今回は最多45人の店長がエントリー(75km/50周)。昨年覇者の筧五郎さん(56サイクル)と隣にはキングこと三浦恭資さん

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勝負は安藤光平さん(ビチクレッタ シド)、岩島啓太さん(エイジサイクル)のマッチレースに。スプリントで岩島さんが制す


インタビュー1

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中島丈博さん(サイクルスポーツjp編集長/店長選手権オーガナイザー)

ー8回目にしてどんな新しい気持ちをもって臨みましたか?
中島 参加する店長に飽きてもらっても困るし、自分自身も飽きてはいけない。つねに新しいことをしなければいけないと思っています。今回の大きな変更は、勝敗にプラスして、ポイント賞を作りました。最終周をトップでフィニッシュした店長が最速店長となるのは変わりませんが、10周ごとに4回ポイントが与えられます。どの周のポイントを取りに行くかによって動きも変わってくるし、逃げが出たから潰して休憩…というつまらないレースにはならない。ドンパチやりたい選手は必ずいるので。自ずとペースは上がり、辛い展開で残った一番強い選手が勝利したらいいな、という想いを込めました。
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初代ポイント賞ジャージ獲得の安藤さん(ビチクレッタ シド)

ポイントは最終着順には影響はないが、ポイント賞ジャージがあるので、今回は2枚のジャージがあります。しかしポイント賞は雑誌の連載がないので……。連載は面倒なので(!)。そう考える店長はポイント賞狙いかもしれませんね(笑)。
名誉だけ得られて面倒はなし。なんて。

ーこれまでのルールからは大きな変更はない?
中島 もちろん店長であることは必須です。今年は初出場の店長が何人かいます。

ーどういった基準でオファーしていますか?
中島 強烈にキャラのある店長、日本代表、五輪代表、どこどこのチームで走っていた過去がある。そんな誰でもわかりやすい店長を探して行きたいと思い続けています。今回は久しぶりにYOUCANの店長に出場していただくことになりました。これは吉本新編集長との繋がりがあったことも大きいですね。むしろ走れる店長しかいないお店ですから。

ーそういえばスペシャルゲストというお店!?が……
中島 リストに溶け込んでいますよね(笑)。この企画記事のライターをしている小林徹夫さんのところに、キングこと三浦恭資さんより直々に連絡がありまして。
「また出たいんだよね、今年は勝てそうな気がするんだよ、とキングが言っているけど、どうする?」と。
もちろんYESかハイしかありません(笑)と。お願いしますと。今日は一番に会場入りをしていたそうです。我々よりも先に。
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逃げ集団を追走すべく先頭を走るスペシャルゲスト三浦恭資さん

話は逸れますが、同じようになるしまフレンドの鈴木さんもかなり早い時間からお客さんを連れてきていて「周辺でライドを楽しんでからレースが始まることに戻るよ」と。みなさんがそれぞれの楽しみ方を見つけてくれているようで、楽しむスタイルが生まれてきているなと感じました。そういうのが良いですね。
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2015年覇者の湧本さんの応援団(スクアドラ滋賀守山)。横断幕も用意

また、選手の横断幕を張ったり。お客さんにも個性が現れてきて。
SNSの発信頻度もすごく伸びていて、前回はツイッターのトレンドワードに入ったんですよ。でも同じ日の夕方に安室奈美恵さんの引退発表があったので…..消えてしまいましたが。ともあれ、それくらいのワードになってきたという実感があります。

ー情報発信について、今回はどこに力を入れていますか?
中島 今回は動画に力をいれていて、動画撮影するカメラの台数を大幅に増やしました。このあと公開するダイジェスト動画に期待してください。ライブとしてはツイッターでしツイートしまくってくれという感じでやっています。
編集部員も総動員で。
ありがたいと思っていますね。いろいろな準備などで忙しい時期ではありますので、この規模が精一杯。会場も変えたいという気持ちはありますが、この距離感と、取材の行いやすさを考えると結局、下総フレンドリーパークがベストですね。


インタビュー 2

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三浦恭資さん(スペシャルゲスト・13位)

ー今回はどんなレースでしたか?
三浦 このレースを毎年走っているわけではないので、わからないこともあるけど、年々みんなのレベルが上がっている感じがしたね。俺のコンディションは言えるような感じではないけど、今は本当に乗るモチベーションが低い。気晴らしに走るくらいだったので、練習という感じではやってないから。でも、これを機にしっかりと練習をして、グランフォンドや世界マスターズ選手権を狙ったろうかな….と。そういうのがないと面白くないでしょ。


インタビュー 3

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吉本司さん(サイクルスポーツ編集長)

はじめて現地で見たという感想は?
吉本 紙面で見るより実際の方が面白い。具体的にはチーム戦ではなく個人が動く局面があって、活発にレースが動いているのが面白かった。テレビでツール・ド・フランスを見るのもいいけど、こういうレースを生で見るのはいいなと改めて思った。世の中はエンデュランスロードやロングライドというけど、ロードバイクってやっぱりレースが一番だなと。

知り合いだったりが走っていたことも感情移入が?

吉本 そういうのを抜きにして、個々の選手たちが真剣に走っているというところに感動した。自分も走りたくなりますよね。やっぱりロードレースって最高だなあって。

今後はどのように成長していきたいと思いますか?

吉本 どこかのイベントに組み込まれて、この熱い戦いを多くのギャラリーに観てもらえるのがいいのでしょうけど、ここに集まっている店長さんのほとんどが休日を合わせるのが難しいということで、そういった機会とドッキングできないのですが。
とはいえ回数を重ねるごとに、観戦に訪れる方も増えてきている。こうして水曜日に休みを取ってきてくれる人が昔よりは増えてきている感じがします。地道にこの面白さが伝わってきているんでしょう。走れて、いい戦いをしてくれる店長さんをまとめて、レースが面白くなっていけば、自然とそこに見にきてくれる人が増えて行くと思います。このまま坦々と……イベントとして大きくできればいい。

終わったばかりですが、来年に向けてアイデアは

吉本 敢闘賞みたいなものがあったらいいなと思いましたね。安藤店長の走りはポイント賞以上に評価される走りでしたよね。ああいった選手がいるとレースが活性化されていいですね。また、ニコ動やUstreamなどで見てもらえたらいいなと思います。もしかしたら、みんなで盛り上がれたら……それを見て来年は観に行こうかな、と思ってくれたら。今回のバイクで撮影したカメラマンも、目の前で見ているとすごい面白いといっていた。こういう時代だけにそうしたもので伝えられることができたら。

また違ったコースでもやってみたいというのはありますね。同じ選手でもどういった違った展開になるのか。長く同じコースを使っているとレース展開なども含めて、何回も出場している選手は、うまく走ろうとすればできてしまいますから。
2年ごとでも違う会場で行ったりすると面白いでしょうね。

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ローリングスタートした直後のメイン集団

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序盤の動きが光った筧五郎さん(56サイクル)

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つねに先頭集団でレースを動かし、ポイント賞と2位を獲得した安藤さん(ビチクレッタ シド)

写真と文 まとめ:山本健一

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