2016年03月24日
次のバイクの選び方は?【FUNRiDE アンケートより】
毎週木曜日に配信中のWEEKLY FUNRiDEにて実施しているアンケートにて、「次に乗りたいフレームは?」というを質問を行ったところ、以下の結果が得られた。
「次に乗ってみたいフレームは?」
1位 軽量カーボンロード 40人 (22%)
2位 エアロカーボンロード 34人 (19%)
3位 クロモリロード 24人 (14%)
4位 チタンロード 22人 (13%)
5位 エンデュランスカーボンロード 16人 (9%)
6位 シクロクロス 11人 (6%)
7位 トライアスロンバイク 7人 (4%)
その他 22人 (13%)
みなさんの次に乗ってみたいバイクはさまざまなよう。2台目以降のバイクの選び方を、東京都下高井戸のプロショップ、サイクルパインの松井さんと前田さんにアドバイスをいただいた。
編集部(以下 編):お店のお客さんはエントリー層も多く、1台目を購入される方も少なくないと伺いましたが、1台目を購入される方は今回のアンケートのようなバイクの特徴を気にされるものですか?
松井さん(以下 松):1台目を購入される方に関しては、見た目を一番に重視しています。性能やコストパフォーマンスなどは二の次で、ブランドやフレームのカラーリングなどで選ばれる傾向が強いという印象です。
編:では、2台目を購入される方にはどんなアドバイスをされていますか?
松:2,3台とバイクを持てる(保管できる)人であれば、完成車として複数台を所有するのでしょうけど、2台目を購入する際に、保管スペース的に1台目のバイクを手放さざるを得ない方も結構いらっしゃいます。そういう方には、買い取り専門店などを紹介したりもしています。
2台目を完成車で買うか、フレームで買うのかということもよく聞かれますが、ケースバイケースで提案してますね。1台目のバイクにいいパーツをつけているのであれば、パーツの載せ替えをおすすめしますし、エントリークラスのパーツがついているのであれば、2台目はコンポーネントやパーツ類もグレードアップしている完成車モデルをおすすめします。実際はみなさんホイールなどパーツをグレードアップしているというケースが多いですよね。
編:今回の結果を見て、感想はいかがですか?
前田さん(以下 前):順当な結果だと思いますよ。気になっているブランドでは、アルゴン18やキャニオンなど新たなブランドも挙げられていますが、トレックやキャノンデールなどのメジャーブランドがしっかりと上位に来ていましたね。
松:軽量モデルが1位というのは、納得できます。みなさん走っているといつかは“坂”に遭遇すると思うんですけど、そこで気がつくんです。“坂”って辛いんだなって(笑)。そう思ったときに、軽量性に惹かれていきますよね。ヒルクライムのイベントも人気が高いですし。
編:たしかに上りを走っていると、1gでも軽いバイクに乗りたくなってきます……。軽量モデルに乗り換える際に注意しなければいけない点はありますか?
松:高級な軽量カーボンバイクは手で押すだけでも凹むような薄いカーボンを使っていることがありますので、丁寧に乗ってあげることは必要になるかなと思います。神経質になることはないですが。メーカーによって、バイクの保証制度がありますので、不安に思われる方はバイクを選ぶ際の1つの指針にしてみるのもいいかもしれませんね。
編:2位のエアロモデルに関してはいかがでしょう?近年各社から最新のエアロモデルが続々とリリースされている印象があります。
前:エアロロードバイクに注目している方っていうのは、そのかっこいい見た目を気に入っているというケースも多いですよね。レース志向の方でスピードを追求してエアロロードの空力性能を求める方もいれば、見た目のカッコよさに惹かれる人もいて、ファンは二極化されると思います。
実際の走行性能はどうかというと、バランス的にはやはりオールラウンドなモデルに対して劣る部分があったりします。選ぶ際にはその点を考慮しておいてもいいのかなというのが個人的な印象ですね。
松:3位、4位にクロモリとチタンが続くというのは、バイクを買い換える際に、速さを求める方ばかりではないというですよね。今持っているバイクと違う性質や素材のものに乗りたいという気持ちもすごく良く分かります。こういった方は、今持っているバイクとの乗り味の違いを楽しむのでしょうから、パーツの載せ替えという選択肢は少なくなりそうです。昔からのロードバイクの歴史を知っていて、デローザやコルナゴといったブランドのクロモリロードに憧れているベテランの方がいらっしゃる一方で、最近はアメリカをはじめとしたビルダー系のファッション性の高いフレームに興味を持つ方も多くなってきましたよね。
編:そして、エンデュランスカーボンロードが5位に入っています。
前:エンデュランスモデルに関しては、『エンデュランス』と一括りにしていますが、すごい種類に幅があると思っています。トレックのドマーネのようにレーシングでバリバリ使える性能を持つモデルもあれば、最近はディスクブレーキを採用したモデルも増えてきました。最近発表されたサーヴェロのCシリーズもそうですが、各社エンデュランスロードにも力を入れていますよね。スピードではなく、快適性を求めている、どちらかといえばロングライド志向の方というはエンデュランスモデルに興味を持っていますね。ディスクブレーキのモデルに関しては、みなさん、規格の動向に関してまだ様子見の状態かなという印象はあります。
編:実際に2台目、3台目を購入される方の予算はいくらぐらいになるのでしょうか?
松:今持っているバイクよりもいいものに乗りたいというのは、みなさん共通していますが、パーツを載せ替える方もいれば、一気にコンポーネントもグレードアップしたいという方もいらっしゃり、予算は人それぞれですね。自転車に関する知識も増え、いろいろと好みのパーツを選んで組み合わせたくもなりますよね。2台目以降のバイクを購入する楽しみというのは、そのあたりにもあるかも知れないですね。
編:ではサイクリストが2台目以降のバイクを購入されるきっかけというのはどのようなことが挙げられますか?
前:やはり走行会や練習会、イベントなどでまわりの人が最新モデルのバイクに乗っていると、気になってしまいますよね(笑)。1~2年ぐらい乗っていると、自然と次のバイクが欲しくなっていくのではないでしょうか。
松:1台目のバイクは何も分からずに買ったとしても、乗っているうちに自分の乗り方や方向性が定まってきますよね。ヒルクライムをする方であれば軽量のモデルが欲しいなと思うでしょうし、ロングライド中心の方はエンデュランスロードに興味を持ちますし。今回トレックの人気が高かったですが、はっきりとコンセプトを分けてモデル展開しているのが、方向性の定まってきたユーザーにとって分かりやすいですし、マッチしているのでしょう。
編:2台目以降の購入を考えた時に、HP等で調べているとジオメトリーが必ず載っています。ユーザーが気にしておくと良い点はありますか?
前:ブランドによってジオメトリーに対する思想が全く異なりますので、そのブランドを取り扱っているお店に行って、相談してみるのが一番だと思います。ただ、サイズを感を知っておくうえで、トップチューブ長やサドル高などは今ご自身の乗られているバイクの値を覚えておいたほうがいいかもしれないですね。
編:気になっているバイクを試乗できる機会があればいいのですが、購入するまで1度も乗れないケースも多いですよね。そういった場合には、どのようなことを参考にすればいいでしょうか。
前:一番はショップのスタッフに聞いてみるのが良いですよね。パーツ類もそうですが、お客さんは購入するまで、使うことができないので、ショップスタッフは新しいものは積極的に取り入れて、お客さんの疑問に答えられるようにしていますから。
松:あとは、インプレッション記事などを参考にしてもいいのではないのでしょうか。FUNRiDEさんもそうですが、複数人が同じバイクをインプレッションしていると、評価がずれていることもありますよね。そのなかでも、共通している評価があると思うので、「そこは確実なんだな」って考えると良いと思いますよ。どうしても体格などに差があると、人それぞれ感じ方が違うので、印象がずれることはしょうがないですよね。共通している評価の部分を見て、自分にフィットしていそうであれば、そのバイクを選んで、間違いはないと思います。
ただ、デフォルトで完全に自分に合うバイクというのは、ほとんどないのではないでしょうか。実際に乗ってみて、好みと違う部分があったら、ホイールなどのパーツを交換して、理想の走行フィーリングに近づけていけばいいのではないでしょうか。そういった、カスタマイズもスポーツバイクの楽しみです。ぜひいろいろな情報収集をして、自分にぴったりなバイクを見つけてほしいと思います。
編:本日はいろいろお話を聞かせていただきありがとうございました!
今回取材にご協力いただいた、サイクルパインの前田さん(右)と松井さん(左)。ファンライド系のお客さんが多く、初心者にもやさしいお店。毎週日曜日の午前中、お店がオープンする前にショップライドを行っている。
サイクルパイン
東京都世田谷松原3-41-16オパスワン1・2F
電話/03-6379-3181
営業時間/11:00~20:00
定休日/水曜日 HP/http://cyclepine.com
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。