2016年01月14日
ウエアはどうやって選んでいる?【ファンライドアンケートより】
今回取り上げるWEEKLY FUNRiDEアンケートは
「ウエア選びのポイントは?」
サイクリストからの解答は以下のとおりとなった。
1位 サイズ感 82人
2位 値段 79人
3位 カラー 74人
4位 ブランド 59人
5位 その他 (機能性・耐久性)3人
その他に自由記述で「お気に入りのブランド」を聞いたところ圧倒的な支持を得たのはパールイズミだった。(全体の約25%)
そこで今回はパールイズミでマーケティングを務める木田嘉英さんにウエア選びのコツや現在のトレンドを伺った。
編集部(以下 編):今回アンケートの聞き方を失敗しまして、複数回答をOKにしてしまったので、上位がほぼ同じ回答人数になってしまいました……。
木田嘉英さん:(以下 木田):でも、ウエアを選ぶ際はみなさん複数の要因があって、購入するものを決めると思うので、データとしては間違っていないと思いますよ。その選び方というのはビギナーであってもベテランであっても変わらないのではないでしょうか。
編:出だしからフォローしていただき、ありがとうございます(笑)。お気に入りのブランドではパールイズミを挙げる人が圧倒的に多かったです。他のブランドは多くても4,5人だったのですが、パールイズミは40人近くの方が選んでいました。その理由を木田さんはどのようにお考えですか?
木田:その結果は非常に嬉しいですね。パールイズミとしてはつねにサイクリストからの声に答えるかたちで製品開発を進めていますので、その姿勢を支持いただけたのかなと思います。
編:ここ数年サイクリストがさらに増えたような印象ですが、最近のユーザーからの要望に特徴はありますか?
木田:細かな要望よりもサイズ面でラインナップを増やしてほしいとの声をよくいただきます。それは大きいサイズのものから小さいサイズのものまでです。ウエアが体型に合う合わないという声が増えてきたというのはそれだけいろいろな人がスポーツ自転車に乗りはじめているということですよね。
編:実際にユーザーの要望でサイズラインナップも増やされたのですか?
木田:はい、従来のXS~3Lのほかに、袖や丈の長さを変えずに、胸囲とウエストだけをサイズアップした「2サイズワイド」のラインナップを拡充しています。今まで例えば身長から見ればLサイズ相当なのにウエストの幅が小さくてキツイ方は3Lを着なければいけなかったのですが、そうするとどうしても丈が合わなくてダボダボの不格好になってしまいます。それを解消し、より多くの方にカッコよくウエアを着ていただくために袖や丈の長さはLサイズのまま、幅だけを2サイズ大きくして「BL」というサイズ展開をラインナップしています。
他に最近の若い方は背が高いけど、ウエストがすごく細い方や、股下が非常に長いという方もいますので、「トールサイズ」のラインナップも拡充しています。
編:サイズだけでもすごいバリエーションですね!日本ブランドならではの展開だと思います。パールイズミは商品ラインナップも豊富ですよね。
木田:サイズもそうですが、スポーツ自転車での走り方、遊び方も多様化してきています。レース志向の方からゆるく走りたい人までフィット感に関しても様々の要望に答えられるよう製品バリエーションを準備しています。
編:カラーやデザインに関して、最近のトレンドはありますか?
木田:ここ1,2年はブラックカラーが非常に人気です。黒基調にワンポイントで差し色が入っているシックなデザインがトレンドです。数年前までは白基調のものが人気だったのですが、やはりフレームカラーのトレンドに合わせてウエアカラーも人気が変化するようです。
ただ、ブラックカラーは夜目立たないので、その点は十分注意してほしいです。リフレクターがなるべく多いアイテムを選んだり、ライトを多めにつけたり、工夫してほしいですね。
パッドもさまざまなバリエーションを展開。日本人の骨格に合わせた形状で作られている。「海外ブランドだとシャモアクリームを塗ることを前提として作られているものも多いですが、日本ではクリームを塗ることに馴染みがありません。ですので、クリーム不要のパッドを作っています」
失敗しないウエア選びとは?
編:せっかくなので、ウエアの選び方に関しても教えていただきたいと思います。いまは冬ウエアを選ぶ時期ですが、冬のウエア選びのポイントを教えてください。
木田:かならず試着して自分のサイズにぴったりのものを買うのは一年通して基本ですが、冬のジャケットは中にインナー、それでも寒ければジャージを着こむこともあるので、あまりにぴったりとしたものを選んでしまうとあとで融通が利かなくなってしまいます。とくに初心者の方は注意していただきたいです。
冬用のトップスについて、パールイズミでは中に着込むことを想定している製品を「ジャケット」と呼び、「ジャージ」と呼び分けています。
編:タイツに関しては何かありますか?
木田:基本的にはダブつかない丈かどうかを確認してほしいです。ダブつくとぺダリングしづらいですし、ウエアに隙間ができるとその部分から冷えてしまいます。あと、冬のウエアは膝の位置に縫い目があることが多いので、膝の位置がちゃんと合っているかも確認してください。
あと、話が逸れますが、冬一番冷えるのは身体の末端です。バイク操作に直に影響する部分でもあるので、シューズカバーやグローブなどはしっかり防寒できるものを選んでください。
編:冬のライドに行くときに着込みすぎて汗だくになることがよくあります……。
木田:冬は難しいですよね。パールイズミでは製品を温度帯別に表示にしているので、参考にしていただきたいです。あと、アンダーウエアは吸汗速乾性の高いスポーツ専用のものを使ってください。一般のアンダーウエアだと汗が溜まってしまい、それが一番の冷えの原因になります。
編:お気に入りの一着を長く着るための秘訣はありますか?
木田:意外と多いのが冬だからといってウエアを毎回洗わないという方。冬でも汗はかきますので、そのまま放置しておくと変色などを起こしてウエアを傷める大きな原因になります。必ず毎回アウターも洗って、汗を落してください。洗濯のときはなるべく柔軟剤を使わず、一般の中性洗剤だけで洗うこともポイントです。とくにパッドはウレタン製なので、柔軟剤を入れるとふにゃふにゃになってしまいます。
また、ウエアはクリーニングには出さないでいただきたいですね。クリーニングで使われるさまざまな化学薬品は変色や色落ちの原因になってしまいます。洗濯の取り扱い方法については製品にタグが付いていますので、それを確認し、守っていただければ、少なくとも3~4年は使えるアイテムです。
編:今回はいろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
(写真/小野口健太、編集部)
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。