2015年10月31日
いまサイクリストが注目しているバイクブランドは?? ~ファンライドアンケートより~
毎週金曜日に配信中のメールマガジン「WEEKLY FUNRiDE」で実施しているサイクリストアンケート。9月4日に実施した第1回のアンケート「いま気になるバイクブランドは?」の結果を発表。結果を編集部小高と山本が分析します。(写真/小野口健太、編集部) |
【いま気になるバイクブランドは?】
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小高雄人(以下 小):メジャーブランドを集めて、読者のみなさんが「気になるブランド」のアンケートをとりました。その結果がこのランキングです。 山本健一(以下 山):ノミネートされたのは資本力や開発力もあって、ワールドツアーやコンチネンタルツアーなどレース活動のサポートも積極的なパワーのあるブランドですね。みなさんの目に触れる機会が多いブランドといえます。 小:ここで強かったのはアメリカンブランドでしたね! トレック、キャノンデール、スペシャライズド。同票3位にピナレロが入って一矢報いました。 山:このランキングを見ると上位にアメリカンブランド、そして次にイタリアンブランドと綺麗に分かれていますね。定番のブランドが安定して上位にきている。そして少しユニークなフランス・スイス系のブランドがまとまっている。その次に新興メーカーとジャイアントなどのブランドが入ってくる。注目は、歴史ある成り立ちのブランドというよりも、最新鋭のスペックを強調しているブランドに人気があったということになるね。 小:そうですね。トレックは新型のマドン、キャノンデールは刷新したスーパーシックスEVO、そしてスペシャライズドはヴェンジ・バイアスのような次世代を感じさせる注目のモデルを2016年モデルとしてリリースしています。しかし上位2ブランドと3位の票差が結構開きましたね。 山:これは面白い結果でした。スペシャライズド、そしてピナレロも今年グランツールを獲っているブランド。私のイメージではこのどちらかがトップじゃないのかな、と思っていました。みなさんの注目がレース結果とあまりリンクしていないということがわかる。抜群の開発力を示し、感性を刺激するようなブランドに惹かれるのかな。 小:ちょっと感じたのは、トレックとキャノンデールのニューモデルはエアロを取り入れながらも、オールラウンドに使えることを打ち出したバイクでした。一方のスペシャライズドのヴェンジ・バイアスは究極なまでのエアロフレームだった。その違いをユーザーのみなさんが理解をしている結果なのかなと。ぼくらホビーライダーはプロみたいにバイクを使い分けたりはできないですから。 山:セールスポイントはしっかりとチェックされていて、票の集まり方に如実に現れたのかもしれない。 小:あと乱暴に言うと、勝ちすぎているメジャーブランドは食指が動かない!?(笑) 山:そうかもしれない(笑)。ピナレロ、コルナゴ、ビアンキあたりは安定したファン層を作り出していそうだね。いずれも老舗ブランドで歴史的成り立ちも深い。ピナレロはGANシリーズやパヴェ用のドグマKS-8をリリースしたけど、ハイエンドモデルは2015モデルで据え置きだった。コルナゴはC60ディスクを発表し、ビアンキは超軽量のスペシャリッシマというニューモデルをそれぞれリリースしているけど、インパクトとしては上位にランクインしたアメリカンブランドに一歩譲るといえる。でもビアンキは近年レーシングスペックのフレームに力を注いでいて、すごく良いバイクが揃っているので、もっと注目してほしいブランドです。私の中では1位です。 小:ボクはラピエールの新型ゼリウスが気になっています。……それは置いておいて、8位以降も見てみましょう! 山:8位はルック、9位キャニオン、10位はBMCとラピエール。11位はアルゴン18とジャイアント。フランス勢を中心にドイツ、スイス、カナダ、台湾と多国籍。ここで意外なのはルックやジャイアントのランキング。ルックはスーパーハイエンドなイメージがあるので、なかなか手が出にくい。ジャイアントはプロスペックかエントリーモデルか、という二極化のイメージある。実際によく見かけるのはエントリーモデルで、アンケート層が変われば上位にランクインするのでしょう。 小:思ったよりもといったら失礼ですが、アルゴン18は健闘していますよね。サーヴェロやスコットよりも上位にランクインしていることから、新興ブランドとして注目されているのがわかります。 山:ドイツのチームとして今年ツール・ド・フランスに初出場しました。ブランド自体はカナダブランドで、TTフレームのイメージも強く、トライアスリートに支持されています。前回のKONAのアイアンマン世界選手権では使用率も上位に食い込んでいたはず。ツール・ド・フランスのプロモーションは概ね成功していると見て良いよね。 小:今回のランキングを見るとプロレースの結果ともすべてがすべてリンクしているともいえないですね。 山:ワールドツアーでも結果を出し、露出も高いことに加え、ニューモデルがリリースされているか、そのニューモデルがユーザーのニーズに応えられているか、といういくつかのポイントを集約したものが、ランキングに反映されている、と感じた結果でしたね。 小:興味深い結果でした。ちなみに、回答者の年齢を見ると、ブランドごとの年齢層の差もなく、世代を超えて共通の認識のだということも分かりました。読者のみなさんに協力いただき、今後もホイールなどパーツのランキングも作りたいと思います! |
上位4ブランドの最新モデルをチェック!
TREK MADONE
今年最大の注目モデルといえるトレックの新型マドン。空力性能と快適性を追求した、次世代レーシングモデル。
http://www.trekbikes.co.jp/jp/ja/bikes/road/performance_race/madone/
cannondale SUPERSIX EVO Hi-MOD
ベストバランスをテーマに前モデルよりすべての性能をブラッシュアップさせた、キャノンデール渾身のフラッグシップモデル。ホリゾンタルに近いフレーム形状も美しい。
http://www.cannondale.co.jp/jpn_jp/
SPECIALIZED VENGE VIAS
究極のエアロ性能を追求したスペシャライズドのヴェンジ バイアス。ワールドチームのエーススプリンターが駆り、勝利を掴むための1台。
http://www.specialized.com/ja/ja/bikes/road/venge
PINARELLO DOGMA K8-S
シートステイに軽量サスペンションを搭載したピナレロ ドグマK8-S。ジャガーと共同開発したこのバイクは、高い快適性と路面追従性を誇り、チームスカイがクラシックをはじめとしたトップレースで駆る。
http://www.riogrande.co.jp/pinarello_opera/pinarello2016/dogma_k8s.php
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。