2017年03月28日
みちのくおとぎ街道ライドでご当地麺を食べつくせ!【後編】
2017年秋に開催を予定しているサイクリングイベント『みちのくおとぎ街道グル麺ライド』に先がけて、ご当地麺を食べつくすサイクリングに出かけたファンライド編集部。後編では一気に残り3つのご当地麺をいただきます。
のど越しさっぱりのひっぱりうどんは団欒の源
高畠町のご当地麺「ひっぱりうどん」をいただくためにお邪魔したのは、「高砂屋珈琲店」さん。店内には過去に高畠町に存在した映画館で使用していた往年の映画のポスターが壁一面に貼ってあり、それらを眺めているだけでも、楽しい気分に。ドンピシャの世代にはたまらなく、当時を知らない世代には新鮮に見えるはず。
ポスターを見ながら話していると、まもなくひっぱりうどんの登場。このうどんの特徴は、タレにさまざまな薬味をお好みで入れて食べるというところ。今回お邪魔した高砂屋珈琲店さんでは、生卵やネギのほかに納豆やサバ缶が手元に並ぶ。それぞれが好みの薬味を入れて食べるので、「これがおいしいよ」とか「これとこれを混ぜたら結構イケる」なんて自然と会話も弾む。味の変化を楽しみながらも、舌触りのいい滑らかな麺はあっという間にお腹の中へ。
“ひっぱり”とは鍋から麺をひっぱってタレにつける行為から来ているネーミングだそう。もともとは各家庭で1つ鍋を囲んで食べる家庭料理が発祥のようだ。
サバや納豆など珍しい薬味が並ぶひっぱりうどん。それぞれ好みの食べ方があり、みんなで食べると会話も弾む
高畠町には有名な高畠ワイナリー(https://www.takahata-winery.jp/index.asp)もある。ライド途中には飲めないが、帰りに寄ってみてはいかが
消費カロリー < 摂取カロリー(!?)のライドも後半戦へ
山形県高畠町を後にした我々は、国道113号を走り、お隣の宮城県七ヶ宿町へ。県境までは上りが続き、結構走りごたえがある。高畠町の市街地からは12kmほどで、獲得標高は320mほど。県境までに長めのトンネルが3つあるので、注意しながら走行する。県境を過ぎると白石市までほぼ下り基調だ。
3つ目のトンネルを抜けると県境。ここまでが上り基調で、あとは下りだ
七ヶ宿町は、奥羽山脈越えの街道に約1里(約3.9km)間隔に置かれた7つの宿場が集まって、町となった。宿場それぞれに当時の面影を残しているので、「次の宿場はどんなところだろうか」と楽しみながら走れる。この七ヶ宿町は標高500m近い高原で、寒暖差があり冷涼な地域である。その気候が蕎麦の栽培に適しているようで、「そば街道」とも呼ばれている。ということで、少しお昼時には早いが、「農民そばや 芭蕉庵」さんでお蕎麦をいただくことにした。自家製のそば粉を使用したお蕎麦はとても香り豊か。そばの種類はソトニ。10:2の割合で打たれており、ぱさぱさした感じは一切なく、つるっと平らげてしまった。店主の山田さんにお話しをうかがうと、なんとご自身もサイクリストだそう。今後サイクリストが増えるようであれば、サイクルラックの設置も考えたいとのことで、今後が楽しみだ。
自家製のそば粉を使った特製のお蕎麦は、とっても風味豊かでコシも強い
お蕎麦をいただき、パワーを充電したら、国道113号を白石市に向かう前に少し寄り道を。七ヶ宿役場を左折して、県道51号を上っていき、宮城蔵王キツネ村まで走行。県道51号は道幅が広く、路面も比較的綺麗なので、気持ちよく上れる。途中七ヶ宿町のやまびこ吊り橋へも寄り道して、観光気分もプラス。宮城蔵王キツネ村では、100匹以上のキツネが放し飼いされており、餌やりなどが体験できる。ウェブ上にさまざまな動画がアップされているので、興味がある方はぜひ。
キツネ村までの上りを折り返し、ワインディングの下りを楽しみながら再び113号線へ。
しばらく走ると右側に見えてくるのが、七ヶ宿ダム。ダムの中央には最大77mまで吹き上がる大きな噴水があり、近づいてみると大迫力。時間帯によって形状が変わったり、噴水が噴き出ない時間もあるので、噴水が見れるかどうか運だめしはいかがだろうか。このダムは宮城県民183万人に水を供給しており、春には桜を、秋には紅葉を湖畔で楽しむことができるそう。
七ヶ宿の道の駅では、地元のしそジュースを使った、しそのソフトクリームをデザートにいただいた
県道31号を進み、やまびこ吊り橋へ向かう道。走りやすい道が至る所にあるので、いろいろルートを探してみるのも面白い
やまびこ吊り橋は橋の中央がスケスケに。歩いてみるとかなりヒヤッとする
宮城蔵王キツネ村(http://zao-fox-village.com/)の入り口。動物好きの人はぜひ
七ヶ宿ダムの中央では、勢いよく噴水が吹き出す。間近で見ると圧巻だ
最終目的地の白石市は武家のまち
ダムを過ぎると国道113号は白石市へ。すぐに右手にあるのが、材木岩公園。国の天然記念物にも指定されている「小原の材木岩」は、その姿が材木が並んだように見えることから名付けられている。七ヶ宿ダムから流れる白石川の流れと眼前にそびえたつ材木岩のコントラストが作り出す自然美は必見!
秋には紅葉がキレイな材木岩公園
材木岩公園を後にすると、山間部を抜けて、まもなく白石市の市街地へ。白石市には白石城があり、仙台藩伊達氏の支城として片倉氏が代々居城したそう。伊達政宗の側近として仕えた片倉小十郎の名をご存知の方も多いのではないだろうか。市内にはお城のほかにも武家屋敷などが残っており、足を運んでみるのも良いかもしれない。
白石市をぐるっとまわったら、白石駅前の「元祖白石うーめん処 なかじま」さんへ。白石市のご当地麺である、「うーめん」をいただく。
「うーめん」とは麺を伸ばす際に油を使わず、小麦粉と塩と水のみで作られる麺のこと。油を使っていないので、消化が良く、胃にも優しいとされている。味わいも優しく、長距離ライドで胃が疲労しているときにももってこいなご当地麺だ。ごま、くるみ、しょうゆの3つの秘伝のつけダレはどれもうーめんによく絡まって美味だ。
白石城や武家屋敷など歴史的建造物が多く残る白石市
今回最後のご当地麺はうーめん。あっさりとした味で、何杯でも食べれそう
駆け足に4市町をめぐった今回のライド。豊かな自然と、歴史的な建造物など見どころの多い国道113号。高畠町、白石町ともに新幹線が止まるのでアクセスも良い。今回は走れなかった脇道もたくさんあり、サイクリストにおすすめのスポットだ。今秋に開催される『みちのくおとぎ街道グル麺ライド』は高畠町をスタート・ゴールとして、国道113号を往復する予定だ。イベントの詳細が決定し次第ファンライドでは続報をお届けるする予定なので、お楽しみに!
MAP
~お店の情報~
高砂屋珈琲店 (ひっぱりうどん)
営業時間:9:00~21:00
定休日:年中無休
HP:http://www.takahata.or.jp/ippin/coffee/index.html
農民そばや 芭蕉庵 (蕎麦)
営業時間:11:00~15:00
定休日:金曜日
HP:http://www.town.shichikashuku.miyagi.jp/sightseeing/soba/bashouan.html
元祖白石うーめん処 なかじま 駅前店 (うーめん)
営業時間:11:30~18:30(日~木)、11:30~20:00(金・土・祝日前日)
定休日:毎週水曜日・第一第三火曜日(祝日の場合は翌日休み)
HP:https://www.facebook.com/4614uumen.nakajima.Ekimaeten/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。