2019年11月30日
【JBCF】全サイクリストが主役のチャレンジシリーズ! そして自転車ロードレース普及と選手強化を。
『日本全国Doスポーツ活性化プロジェクト』そのひとつとしてチャレンジシリーズの発足を発表
2019年11月28日 (木)に行われた(株)アールビーズの事業発表会において、2020年度から始めるJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)とアールビーズの共同事業として、チャレンジシリーズの発足が発表された。
今回の事業発表会でアールビーズは官民一体の新事業『日本全国Doスポーツ活性化プロジェクト(arbeeeプロジェクト)』を発表。自治体や企業との連携を進めるプロジェクトにおいて「競技団体との連携強化」は重要項目のひとつとなっている。今回のJBCFとの連携事業は競技団体連携の同プロジェクトの第一弾に位置づけられることになる。
JBCFのようなスポーツの競技団体にとっては、少子高齢化の影響による競技人口減少の課題がある。一方、サイクリストや地方自治体側には魅力的なサイクリングイベント創出のニーズがある。そこで全国50のレースを主催するJBCFのノウハウとネットワークを、市民スポーツの運営実績と『RUNNET』などのITサービスを持つアールビーズと融合することで、新しい自転車ロードレースの価値を創造することが今回の事業目的だ。
具体的にはJBCFとRBSの共催による「チャレンジシリーズ」を展開し、市民レーサーの増大をはかり、Doスポーツ全体の活性化につなげていく。
発表をうけ一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟 片山右京理事長が意気込みを語った。
(株)アールビーズ代表取締役 橋本治朗(左)、一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟 片山右京理事長(右)
片山右京 一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟 理事長コメント
「ロードレースの普及と選手強化を目的として株式会社アールビーズと契約を締結しました。アールビーズの持つ国内350万人の顧客基盤と大会運営ノウハウをJBCFが全国展開するロードレースに融合します。ランキングなどの楽しみを提供して競技人口を増やし、世界で戦う選手を輩出していきます。
オリンピック組織委員会で自転車全般のスポーツマネージャーをやらせてもらっていますが、トラックやBMXはメダルが取れるかもしれない、表彰台に上れるかもしれない。しかし三大ツールを代表とする歴史のあるロードレースでは苦戦を強いられるだろう、というのが日本の現状です。
連盟として何をしなければならないのか。
選手を強化を推進する大きな目的の前に、ボトムを広げることから始めます。具体的には2021年の新リーグを始める前にまず「チャレンジリーグ」をRBSと共催していきます。多くの競技で日本の選手が世界一になったりメダルを獲得していますが、しっかりとした裾野を築き、いつか自転車も他競技に追いつけ・追い越せの出発点です。
同時に自転車は100年一度のイノベーションを迎えているといわれています。今後10年以内にはすべてのホイールというモノにモーターが付きます。自転車で言えばeMTBになったりする、モビリティ全体がイノベーションを迎えます。
スポーツという局面を利用させてもらいながらモビリティが抱える問題を国や自治体の力を借りながら、自転車の正しい普及環境も創りたい。これも裾野拡大のひとつであり、選手育成につながります。
アールビーズと共同し、これまでの成功体験をお借りしながら、将来的に根を張って世界に選手を送り出せるような団体になっていきたいと思っています」
(1)チャレンジシリーズとは
サイクルスポーツの普及と発展を目的とするシリーズ主旨に賛同する大会によって構成。
シリーズ参加者はJBCFとRBSの運用する「チャレンジランキング」の対象となる。
シリーズには国内すべての大会とサイクリストが参加できる。
自己目標として活用できるランキングは、同じ目標を目指して走るサイクリストと共有することができる。そして多くの大会が年間を通じて連動することでライドするモチベーション、動機付けをして、Doスポーツの活性化を狙う。また自転車レースで起こる落車などの問題に向きあい安全走行のための啓蒙を行なっていく。
具体的な施策は今後順次発表していく予定。
(2)チャレンジランキングとは(2020年10月提供開始予定)
ヒルクライム、ロードレース、タイムトライアル、エンデューロと種目で分けたランキングを実施し、参加者の走る楽しみを提供。また自転車競技において完走するということにも意味もたせる「フィニッシャーチャレンジランキング」を設定。全てのサイクリストが達成感をよりえられるシリーズを目指す。
また、大会連動型アプリ「TATTA」を用いた大会セグメントをキュレーションし、練習距離ランキングを自動連携し「大会に向けてどのくらい頑張ったか」「同じ大会にエントリーした人の間だけでの練習ランキングも競う」などの試みも予定している。
①ヒルクライムチャレンジランキング
②ロードレースチャレンジランキング
③タイムトライアルチャレンジランキング
④エンデューロチャレンジランキング
⑤完走回数に準じた「フィニッシャーチャレンジランキング」
⑥大会参加者間がレース当日までに競う「練習距離ランキング」
※①は大会毎に定めたタイム分布によってランク付けする
※②はロードレース、クリテリウムを対象とし、着順によってランク付けする
※③は個人及びチームを対象とし、着順によってランク付けする
※④はチームを対象とし、着順によってランク付けする
※⑤は参加大会の完走回数によってランク付けする
※⑥はRBSのアプリ「TATTA」を通じて提供する
(3)共にロードレースを広げる参加大会を拡大
現在のところ2020年度はJBCFの既存3大会、FUNRiDEイベント3大会+通年のタイムトライアルジャパンの7大会であるが、今後は順次、主旨に賛同する参加大会を増やし、2020年10月を予定しているランキング提供の開始を始める。
1月5日/もてぎサイクルマラソン(JBCF大会)
4月/伊吹山ドライブウェイヒルクライム(JBCF大会)
6月/富士山ヒルクライム(JBCF大会)
6月/富士ヒルクライム(RBS大会)
9月/富士チャレンジ200(RBS大会)
10月/八ヶ岳高原ヒルアタック(RBS大会)
通年/タイムトライアルJAPAN(RBS大会)
共同事業イメージ
まず、第一に、共通プラットフォーム(JBCFの大会運営ノウハウとRUNNETなどRBS基盤システムを融合した仕組み)によるレース運営環境の整備を行なっていく。JBCFがすでに発表した新リーグへの道筋を作るためにもチャレンジシリーズへの運営がその第1歩となる。やがてはサイクリスト人口、大会数の増加を目指した共同事業計画としている。
◆日本全国Doスポーツ活性化プロジェクト/arbeeeプロジェクト
https://arbeee.net/about/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得