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2025年12月08日

青空の湾岸エリアにサイクリストが虹をかける! 「レインボーライド2025」/GCTはBike New Yorkとのパートナーシップ協定締結

レインボーブリッジや東京ゲートブリッジなど、普段は自転車が通行できない道を封鎖して走行するイベント「GRAND CYCLE TOKYO(GCT)レインボーライド2025」が、12月7日、東京湾岸エリアで開催され、約6000人の参加者が非日常的な体験を楽しんだ。

「海の森公園」を新たにコースに組み入れ、パワーアップ!

今年で4回目を迎えるレインボーライドは、レインボーブリッジ、東京港海の森トンネル、東京ゲートブリッジなど普段は自転車が通れない湾岸エリアの名所をめぐるコースが魅力。今回は、今年3月に全面オープンした海の森公園も新たにコースに組み込まれた。

コースはロング(約37km、約4,500人参加)、ミドル(約20km、約1,000人参加)、ショート(約8km、約500人参加)の3種類。参加者の自転車はロードバイクをはじめとする様々なタイプのスポーツ自転車に加え、ママチャリと呼ばれる軽快車やチャイルドシート付き自転車など多種多様。電動アシスト自転車を事前予約でレンタルすることも可能で、親子連れなど幅広い層の人が参加した。

午前7時半過ぎ、お台場海浜公園のスタート地点で小池百合子東京都知事がフラッグを振り下ろしてスタート。朝は冬らしい寒さが参加者の身を引き締めたが、青空が広がり降り注ぐ太陽の光の下で気温はぐんぐん上昇。風もほとんどなく、自転車で走っていると体が心地よく温まってくる。その中で普段見られない景色を楽しみながら、リズミカルにペダルを回していく。最後はセントラル広場のフィニッシュゲートに、多くの参加者は達成感に満ちた笑顔でゴールした。

小池百合子東京都知事の合図で、GRAND CYCLE TOKYO アンバサダーの稲村亜美さん、武井壮さんらがスタート
新たにコースに組み込まれた海の森公園。自転車で走れるのは貴重な機会©GRAND CYCLE TOKYO実行委員会
ロングコースでのみ走る東京ゲートブリッジは、上り坂の難所のひとつ。トラス構造が特徴的©GRAND CYCLE TOKYO実行委員会
暖かな日差しの中、参加者たちがフィニッシュ!
フィニッシュそばのメイン会場では、マルチスポーツと題してステージイベントや様々なスポーツ体験ができるブースが展開された

景色も最高! 天気も最高!」笑顔でフィニッシュした参加者の声

都内と神奈川県から参加の親子連れとその友人はロングコースを完走。「普段この辺を自転車通勤したりするんですが、クルマじゃないと通れない高速道路とかを自転車で堂々と走れるし、ブリッジの上の景色がいいので走っていて気持ちいいですね。マーシャルライダーの方の案内も正確で、よく声掛けされていました」
都内から参加の8歳の男の子とそのお父さんは、ショートコースにチャレンジ。「始まる前は寒かったけど、いい天気で暑いぐらいでした。レインボーブリッジや首都高を自転車で走れることはなかなかないので、クルマで走るのと違ってのんびり景色が見れてすごくよかったです。(子どもが)初めてだったのでショートにしたんですけど、走れていたのでミドルでもよかったかもしれないですね」
都内在住の親子連れの二人はショートコースをフィニッシュ。「普段走れないところを走れたので、すごく楽しかったです。近くに住んでいるのでこのイベントのことは知っていて、1回目は1人で参加しました。その時は子どもがまだ小さかったんですが、今年は参加できる年齢になったので挑戦してみました。最初は上りがしんどそうだったんですけど、下りは『最高!』と気持ちよさそうに走っていました」
自転車イベントなどで仲良くなったみなさん。岡山からはるばる遠征してきた2人に、東京の仲間が合流してロングコースに出走。「岡山から昨日の夕方、輪行で来ました。すごく楽しくて、来年も当選できたらうれしいですね。距離的にはちょうどいい感じ。もうちょっと走りたい気もするけど。ちょっと坂道きついですけど、坂道がないと印象に残らないかな」「『星のカービィ』が好きなので、カービィ風のコーディネートで走りました。コスプレ的なものは規制があるのでそれを守りつつ、来年はもうちょっと緩和していただけるとうれしいです!」と期待を寄せる。
都内から輪行で初参加し、ロングコースを走った御夫婦。「去年も応募したんですけど、倍率がすごいらしくて外れて、今年はたまたま当選しました。景色がきれいでいいコースでした。若洲公園もきれいで、ゲートブリッジは坂がきつかったけどよかったです。富士山がよく見えました」。、また「すごく景色がよくて楽しかったです。普段走らない道を走って、とても走りやすかったです」 と話した。
都内のショップなどで知り合った自転車仲間のみなさんは、ミドルコースに出走。「自走で月島で集合してから来ました。楽しかったです。2年前にも走ったんですけど、そのときより少しきつかったです。トンネルを抜けた先の坂がダラダラと上っていて、歩いている人もいましたね」
都内の高校1年生4人組。うち3人は2回目の参加で、ミドルコースを仲良く完走。お父さんから18年前のロードバイクを譲ってもらったという話も。「部活はバラバラだけど、自転車好きな友達で集まって参加しました。まじで楽しかったです。かっこいい自転車に乗っている人もいるけど、ママチャリの人とかもいて、みんな気軽に参加できるいい大会だなって思いました。去年は割とゆっくりめに走ったんですけど、今年は爽快に走れて違う楽しみ方があるなと思いました」
オーストラリア大使館に勤務する来日2年目の男性は、初参加でロングライドに挑戦。「すばらしいイベントで、みなさん親切で最高の1日でした。大使館にこのイベントの招待が来ていたので、運よく私が参加できました。オーストラリアでは毎日自転車に乗っていたけど、東京ではなかなか乗れていなかったので、最高の機会でした。ブリッジや人工島を走れて楽しいコースでしたし、よくオーガナイズされていました。天気も最高でしたね」
荒川区からタンデム自転車で自走し初参加したご夫婦。ロングコースに挑戦し、重い自転車にかなり苦しみながらも無事フィニッシュ。「最近は(タンデムで)そんな長い距離は走っていないんですが、ゲートブリッジを走りたくてロングコースに参加しました。まったく上れなくて、降りて、引いて、途中で足もつっちゃったりして、最後は(回収の)バス呼びますかという感じになりかけたんですけど、なんとかギリギリたどり着きました。ただ、下り坂は気持ちよく走れたんでよかったです。サポートライダーさんたちもにも助けられました」 と達成感を滲ませていました。

過去4回のうち、もっとも走りやすい天候に恵まれた今年の開催。参加者数が多いことから、待機時間の長さやエイドステーションの混雑といった課題は残ったものの、都心開催であり、都心と副都心を結ぶ重要動線を走行できる貴重な1日 は大きなポテンシャルを秘めている。
これらの課題も、開催を重ねるごとに着実に改善されていくことが期待される。

GCT、Bike New Yorkとのパートナーシップ協定締結を発表

GCT(GRAND CYCLE TOKYO)は、世界最大級のファンライドイベントである「Bike New York(正式名称:TD FIVE BORO BIKE TOUR)」とパートナーシップ協定を締結。今後はBike New Yorkと連携し、GCTとの相互PRや海外に向けた発信などに取り組むという。
目的は以下の通り。
「都市の持続可能な発展のため、環境負荷低減や健康増進に寄与する自転車利用の環境づくりが重要との共通認識のもと、イベントの相互発展や両者の友好関係を育む」。

都市の持続可能な発展に向け、環境や健康に良い自転車利用を促進するという共通認識のもと、両者はイベントの発展と友好関係の強化を目指している。

関連URL
GCT大会ページ https://grand-cycle-tokyo.jp/
Bike New Yorkとのパートナーシップ協定の締結について

写真と文:光石達哉、編集部

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