2019年03月13日
【CERVELO】“Simply.Better.” P5がフルモデルチェンジを果たす
サーヴェロの象徴とも言えるタイムトライアル・トライアスロン用バイクの最高峰P5。トライアスロンに特化したP5Xをリリースし、P5との双頭のラインナップは継続するが、P5Xと棲み分ける形でP5がフルモデルチェンジを果たした。
UCIリーガルに則したそのフレームは、ロードチーム向けのタイムトライアルバイクとしてP5Three以来の最上級モデルの登場となる。ここにきてのリリースは、グランツール制覇を視野に入れたサンウェブ擁するトム・デュムランといった存在も、少なからずとも影響があるだろう。
大きな特徴としては
・ディスクブレーキの導入
・フレーム設計の見直し
・新型ハンドル採用
フレーム設計は名作:P5Three同様に、UCI基準に則したデザインとなる。ブレーキやシフトケーブルはほぼ内臓され、シマノDi2バッテリーの格納方法などはさらに煮詰まり、使いやすさは向上している。専用エアロボトルとボトルケージも用意され、こちらもUCI規定に則している。オリンピックディスタンスやミドルのトライアスロンでも活用できるよう、ストレージスピードパックもフレームに配置することができる。ハンドルバーとシートピラー部分にボトルを搭載することも可能だ。
タイヤクリアランスは36mmで、P5Xが33mm、新型Sシリーズ、Rシリーズは37.8mm、Cシリーズは40mmと目的に応じたクリアランス幅となっている。
ジオメトリーは前作P5からほぼ受け継がれる。チェーンステーレングスは405mmとなる。
新型ハンドルのエアロダイナミクスを追求したそのデザインは前衛的かつ、選手単位でも設定がしやすいよう簡素化され、シンプルな設計だ。スタックやエクステンションバーのアジャストメントも調整しやすい印象にみえる。
ベースバーは380mm幅がベーシックとなる。エアロを重視した幅狭な流行の設計となった。
エアロパフォーマンスはヨー角(-15〜0〜15度において)前作P5とくらべ“17g”のドラッグセービングを実現。およそ17ワットのセーブに成功している。
剛性は、前作よりもヘッドチューブが22%、BB付近で26%の剛性アップを果たした。しかも重さは前作と比較して18%減、およそ350g(フレーム・フォーク)の軽量化を実現している。
Pシリーズのイメージは重厚なエアロバイクだったが、NEWP5はすっきりと精悍さを増したイメージだ。フレームの造形はむしろSシリーズのフォルムに近い印象となった。まさしく『シンプルに、より改善された』のである。
この無駄のないフォルムにとっては、最速以外の称号は価値がないといえる。
プロダクツ
シマノ・アルテグラ完成車、フレームセットはサーヴェロ取り扱いショップにて、まもなく販売が開始される。シマノ・デュラエースDi2完成車は4月中旬に入荷予定だ。
P5 Disc Dura Ace Di2 R9180 / 1,700,000円(税別)
カラー:ブラックxグリーンxホワイト
サイズ:48、51、54、56
P5 Disc Ultegra Di2 R8070 / 1,100,000円(税別)
カラー:ブラックxグリーンxホワイト
サイズ:48、51、54、56
P5 Disc Frameset / 750,000円(税別)
カラー:ネイビーxコーラルxブラック
サイズ:48、51、54、56
写真:サーヴェロ
問い合わせ:東商会
関連URL:http://www.eastwood.co.jp/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得