2020年06月04日
第32回オリンピック競技大会(2020/東京) 自転車トラック競技の日本代表候補選手発表、コーチ、選手のコメントも
第32回オリンピック競技大会(2020/東京)自転車トラック競技の日本代表候補選手が発表された。
▷短距離種目
・男子
男子スプリント、男子ケイリン
新田 祐大(NITTA Yudai)
男子ケイリン、男子スプリント
脇本 雄太(WAKIMOTO Yuta)
・女子
女子ケイリン、女子スプリン
小林 優香(KOBAYASHI Yuka)
補欠選手
男子補欠1 深谷 知広(FUKAYA Tomohiro)
男子補欠2 河端 朋之(KAWABATA Tomoyuki)
女子補欠 太田 りゆ(OHTA Riyu)
新田祐大/世界屈指の最大パワーを誇る
新田選手持ち味はなんといってもパワー。瞬間的な加速力は世界指折りのスピードを誇る。さらに持久力が備わればメダルを獲得する可能性は非常に高い。
ブノワコーチはこう話す「新田選手は日本の競輪における立役者でもありプロとして10年以上の経験がある。基礎を磨きパフォーマンスを向上し競技における立ち位置を確立するために自分に合うものを探さなければならなかった。ハイレベルなレースで才能を発揮できるようになった。世界選手権では2019年に銀メダル、22年にはスプリントで五位になり。五輪でメダルを狙う。
彼にとってオリンピックは子供の頃からの夢。先輩の背中を見て夢を抱いたとともに、彼の魅力と才能で若い日本人に夢を与えます」。
新田本人は「コロナウイルスの影響で、延期が確定した。自分を成長できる1年になる」と話した。
脇本雄太/リオ五輪の雪辱を果たす
2大会連続で五輪代表を決めた脇本選手は、直近の2020年UCIトラック世界選手権ケイリンで銀メダルを獲得。「リオ五輪では失敗も経験しこの辛い記憶を生かして輝きたい、日本を感動させたいと思っている。独特な選手であり、乳酸に対する耐久力が並外れている。ベルリンで開催された世界選手権で窮地に追い込まれたことを機に プレッシャーと成績の期待に応じて見事な成績を収めた。」とブノワコーチ。
小林優香/女子ケイリン・スプリントで念願のメダルを
「女子選手においては太田りゆ選手の力を借り、小林が出場枠を取ることができた。 2016年の着任時では、東京五輪で女子がスプリントで枠を取ることさえ考えられなかった」そう、ブノワコーチは語る。
確実に力を蓄えUCIポイントを稼ぎ出した女子短距離陣。ガールズケイリンでは驚異的な勝率を誇る小林優香選手の実力もさることながら、後輩の太田りゆ選手の存在も大きい。この2選手が女子短距離の歴史を変えたというべきだろうか。代表内定した小林選手の直近の成績では2019-20トラックワールドカップ第3戦ケイリンで惜しくも3位に。現世界チャンピオンに先着した。東京でも地の利を活かせば十分に表彰台を狙える。
▷中距離種目
男子
男子オムニアム
橋本 英也(HASHIMOTO Eiya)
女子
女子オムニアム、女子マディソン
梶原 悠未(KAJIHARA Yumi)
女子マディソン
中村 妃智(NAKAMURA Kisato)
補欠選手
男子補欠 窪木 一茂(KUBOKI Kazushige)
女子補欠 古山 稀絵(FURUYAMA Kie)
梶原悠未/世界でもっとも万能なトラック選手
オムニアム競技という非常に競技バラエティに富んだ種目(4種目の総合で争う)で、日本人女子初の世界チャンピオンとなった梶原選手。「オールラウンダーになんでもできる選手に日々成長している。世界選手権チャンピオンのオムニアム競技のゴールド選手に最も近い。 精神力とモチベーションも非常に高い」とグリフィンコーチは評する。非常に勤勉な選手で、モチベーション低下が懸念されたコロナ禍においてもレースがあると仮定しスケジュールを組み日々トレーニング勤しむという。梶原は「開催延期によって得た時間によって強くなるために強化できる時間ができた。オムニアム種目で必ず金メダルを取る」と力強く話した。
橋本英也/スピードとセンスでメダルを狙う
「橋本英也選手はとてもユニークなライダー。スピード力、集団のなかでの戦術に長け、競輪選手であるということがこの力を引き出している。伸び代はまだまだあるので開催延期によって得た時間を有効に使いたい」とグリフォンコーチ。ロードレースも強く、個人追抜なども含め中長距離ではアジア屈指の実力者だ。「(延期は)チャンスだなと個人的には思っている。このままオリンピックのメダルは難しいのではないかと思っていた。オムニアムの3種目で3位以内、折り返してポイントレースではメダル獲得を目指して頑張りたい」と橋本。
中村妃智/マディソンで梶原とともにメダルを狙う
2人でチームを組むマディソンで梶原とペアを組むのが中村選手だ。「まだまだレベルを上げなければならないと思っていた。今はこの一年間強くなるチャンスが与えられたと思い頑張っていく。この一年間トレーニングに対するプレッシャーも生まれると思う。スピード力を強化したい。マディソン競技でポイントがある周回はより速いスピードで梶原選手に交代するというのが役割」この2人の阿吽のプレイが楽しみだ。
「普段は物静か。自転車に乗ると怖いもの知らず。スプリントのタイミングで梶原のアシストをするのが役割」とブノワコーチは評する。
※男女、アイウエオ順
※次ページ以降に記載の年齢等は令和2年6月4日現在のもの
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公益財団法人日本自転車競技連盟
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。