2018年11月04日
【カーボンドライジャパン・スピンオフ記事】壊れたカーボン製品を破棄するときは、どうすればいい?
そういえば、15年くらい前から流行し始めた当時のカーボンフレーム、見かけないですが今はどこにあるんでしょう……。
もう乗れなくなったカーボンフレームやパーツは廃棄するとき、どうすればいいの?
都道府県によって違っています。フレームを切断してしまえば不燃物などで引き取ってくれる自治体もあるという話も聞きます。しかし実際には一般の人は処分のしようがないですので、ショップに相談してください。
カーボン素材のリサイクル率は正直低いです。スポーツ自転車だけでなくカーボン製品は今、大量に生産されていますが役目を終えたカーボン製品の処分はとても重要な課題ですね。
近年では大学がメーカーと組んでカーボンリサイクルの研究を開始しています。
またカーボンドライジャパンでは、カーボン成形物のリサイクル事業を展開しており、状況に応じて破損フレームでも買い取りを行っています。話はそれますが、カーボン製品のリサイクルはカーボン製品から樹脂を取り出して、カーボン繊維だけにするという方法はいくつかあります。実際に分離ということができるのですが、そこからリユースする先がない。
例えば自転車に使われるカーボンは長繊維ですが、分離する時点でバラバラに細かくなってしまうんです。
そこでいま、カーボンのマットようなものに成形しなおして、建築材料にする提案などもありますね。
このようにまったく違う用途でリサイクルしていきます。しかし分離にはコストがかかるのです。新しく作った方が、結果的には低価格で作れてしまうというのが現実です。
鉄のように溶かしてまた鉄鋼として、というようなリサイクル循環はまだまだこれからです。そんな中、リサイクルという観点から見たときに、にわかにCNF(セルロース・ナノファイバー)に注目が集まっています。植物の繊維と樹脂の複合素材は高強度で軽く、カーボンに変わる素材のイメージで作られています。植物由来なのでリサイクルできるというのが特徴。まさに次世代の素材として注目され、日本でも随分と研究開発が進められていますね。(カーボンドライジャパン 早川さん:談)
なるほど…。軽くて強靭なカーボン繊維はスポーツ自転車にとってすばらしい素材であることは間違いないです。しかしリユースやリサイクルのことも考えていくべきでしょうね。
取材協力:カーボンドライジャパン
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得