2016年12月25日
【ホビーサイクリスト・高岡亮寛さん】サイクリングチーム「Roppongi Express」結成 単独インタビュー
ージャパンプロツアーに参戦しているイナーメ信濃山形のエースとして活躍中の高岡亮寛さんが、2017年度は独立し、新チームを立ち上げるという。その真意についてFUNRiDEがインタビューを行なった。
以下、Roppongi Expressのプレスリリース。
2017年1月、社会人自転車愛好家のチーム『Roppongi Express』を結成し始動いたします。 「smart & fast」をスローガンにし、「オトナの部活動」というイメージで活動していこうと思ってます。 2016年ツール・ド・おきなわ後に、代表の高岡亮寛と、福田昌弘・高橋誠の3名が中心となりプロジェクトがスタートしました。
「smart & fast」
★忙しいを言い訳にせず、使える時間内でパフォーマンス向上を最大化させるべく、効率的にトレーニングをする。
★トレーニングにより積み上げたパフォーマンスで、レース中ムダなく効率的に走る事により最善のリザルトを目指す ハムスタースピンで国内トップ選手もトレーニング指導している福田のノウハウと、オートバイの国内レースをトップレベルで走っていた高橋のテクニックと、高岡のロードレースでの経験をチーム員に伝達して、smartに走れるチームを目指します。「オトナの部活動」
★時間的制約がある中での活動。
★目指す方向が似た仲間が集まり切磋琢磨する。
★結果が人を集めより良い結果に結びつく好循環目指すチームの形は、まず仕事・家庭ありきで、その前後の使える時間をいかに有効活用して目標大会での成績に繋げるか、という点において部活動に近いかなと思ってます。
現時点で強い選手を集めたチームではないですが、1年後に個々の選手がレベルアップしており、それによりまた仲間が集まるようになればと願っています。 設立趣旨に賛同してくれた友人を中心に計10名での船出となります。
メンバー紹介や参加レース予定などは順次アップデートいたします。
応援よろしくお願いいたします。Roppongi Express 代表 高岡亮寛
いつ頃から構想していましたか?
高岡さん(以下略):新チーム構想は数年前に近い人には軽く話した事があったと思います。けれども当時は特に確固たる意志を持ってではなく、just ideaとして。具体的に決意したのはおきなわで4回目の優勝をした夜だったと記憶しています。まさに酒の席で勢いで口に出した感じですね。長年目標にしていた事を達成できたので、何かアクション起こすなら今しかないかな、と。
発足の詳細な経緯を教えてください。
まこっち(高橋誠さん)とは一緒に練習する機会が一番多かったので誘ったのは自然な経緯。 福田昌弘さんが乗ってくれるとは正直思ってもみませんでした。たまたまレース後の宴席で話したのですが、今思えば福田さんが居なかったらこの話が実現しなかったかもしれません。一瞬にしてチームとして何が必要かをリストアップしてスタートアップの道筋をつけてくれました。
イナーメ信濃山形というチームから離れる決断をした理由は。
イナーメを離れる理由は特になく、それが数年前からチーム結成を考え始めたけどアクションに移せなかった原因ですね。アマチュアチームにしてあのメンバーが集まったのは奇跡的。今でもRXプロジェクトがポシャったらイナーメに戻る以外は考えられません。 ただし自由に活動させてもらえる反面、チーム内にはホビーレースはイナーメではないチームとして走る、掛け持ちが多いのは個人的に気になっていました。イナーメが単に実業団を走るためのハコでしかないのはホビーレースをメインで走る私には寂しかった。
JBCF ジャパンプロツアーにはなぜ出ないのでしょうか。
JPTを主戦場にするなら、年間通してそれなりのレース数を走りたいですが、家庭の事情からそれは難しい。またグランツールに引っかかるくらいのレベルの選手と一緒のレースを走るのは場違いだと感じます。近年のリザルトを見てもスペイン人選手をはじめとした外国人選手の席捲ぶりは顕著で、私が頑張ってどうこうなるレベルではありません。 ロードレースはマラソンなどの陸上競技やトライアスロンとは大きく違い、むしろ球技に近いゲームスポーツだと思います。なので、ゲームに参加できるレベルで走れないと出る意味はあまりないと考えています。
高岡さんが考えるロードレースの魅力とは?
自転車に乗って速く進むというのは一見単純そうに見えるけど、実際は力まかせでも機材まかせでもなく、非常に奥が深いのが楽しい。何年続けても飽きない。中でもロードレースは球技のようなゲーム性の高い点が一番の魅力だと思います。
スポンサーの獲得は考えていますか?
スポンサーはウェアメーカーのサンボルトさんには全面協力を頂いています。売りたい人からサポートされるよりも良いモノを作り出したい人と協働したいと思っています。こちらが使用したフィードバックを製品に活かしてくれると嬉しいですね。 チームに対しては他にスポンサーをつける意向は基本的にありません。機材選定は個人的な趣味でもあるし、同様な趣味をもったファンの皆様への有益な情報提供は継続したいと考えています。
2017年の目標を。
2017の目標はツール・ド・おきなわ5勝目。グランフォンド世界選手権への参戦。全日本選手権ロードレース一桁順位(自信ない)。
チームのデビュー戦は?
チームとしてというより個々の選手が出たい大会にエントリーしていきます。私はお正月のもてぎからレースは走ります。実業団としては宇都宮が初戦ですね。チーム員にはそれまでにできるだけ走力を上げておいてほしい。チーム戦として、是非木祖村には参戦したいと思っています。
チームの年間目標。また長期的な目標を教えてください。
年間通してチーム員が頑張って、新チームとしての存在を示すことができて、シーズン後半にはRXで走りたいと新メンバーが集まるようであれは成功だと思います。
無名だった龍太郎(2015年全日本ロードタイムトライアル男子チャンピオン)が大化けしたように(そのレベルの話ではないが)、無名の選手が強豪ホビーレーサーと呼ばれるくらいに育ってくれれば嬉しいです。
チーム員のメリット。
近くに似たような方向性をもった仲間が集まり、刺激を受け合いながら切磋琢磨できることが一番のメリットだと思います。
チームメンバーはさらに募集をしますか?
制限していこうとも拡大していこうとも現時点では決めていません。ただ闇雲に人数を増やして、メンバーのことを把握できないような状況は望んでいない。お互いの顔が見えて一体感が維持できる規模がいいかなと漠然と考えています。以前に他のスポーツを第一線でやっていた社会人で自転車を始めたいという人には、ぜひRXを検討していただければと思います。
このチームでどんなアクションをしていこうと思っていますか?
これは難しい。当初は個人として今までやってきた事をちょっとカタチを変えてやってみよう、くらいにしか思っていなかったので、チームとして成し遂げたい何かありきではなかったから。 ただ、皆の自転車スキルが向上して落車・事故なく安全に自転車レースを楽しめるようになればいいとは思っているので、そのためにまず自分のチームから啓蒙活動をしていきたい。
福田さん、高橋さん、高岡さんそれぞれのメソッドをチームのモチベーションに活かせますがチーム内だけの特典とするのでしょうか。例えばお三方に憧れを抱くサラリーマンサイクリスト、ひいては若手などへのノウハウのフィードバック、講座やホスピタリティなどを行う気は?
強くなるノウハウはオープンにしたいと思っています。チームは関係なく向上心のある人と一緒にやるのは楽しい。そういう人たちがRX に集まってくれれば理想です。
時間的制約があるので大風呂敷は広げられませんが、ホビーレースを危ない競技ではなくより楽しい競技にしていくために必要なことを少しずつしていきたいとは思っています。
公式ホームページもオープンの12・25にむけてカウントダウンを行なっていた。演出も凝っていて、思いの強さを感じさせる。
公式ホームページ http://roppongi.express/
(写真/Roppongi Express)
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。