2018年08月28日
【第18回アジア競技大会(2018ジャカルタ・パレンバン)現地レポート】自転車トラック競技 男子チームスプリントで雨谷・新田・深谷が銅メダルを獲得!
男子チームスプリント3位決定戦で日本チームは全体ベストのタイムを叩き出した
インドネシアで開催されているアジア競技大会。自転車競技の酉を飾るトラック競技5日間の日程がスタートし、初日の27日はチームスプリントの予選と決勝が行われた。
チームスプリントは男子3名、女子2名でチームを編成し、トラック(250メートル)を男子3周、女子2周して走行タイムを競う競技。それぞれの選手が1周回ずつ先頭を引いたあとに離脱していき、最終走者のゴールタイムにより順位が決まる。予選の上位4チームが1−2位決定戦、3−4位決定戦に進む。
雨谷一樹(JPCU栃木)、新田祐大(JPCU福島)、深谷友広(JPCU愛知)の男子日本チームが3位決定戦で韓国を下して銅メダルを獲得した。
予選で新田と深谷がベストタイムを更新するも、スタートのミスが響き全体4位のタイムで2位までの優勝決定戦を逃し3位決定戦に進んだ男子日本チーム。韓国との3位決定戦では、この日全体のベストタイムを叩き出し、銅メダルを獲得した。
男子チーム同様に4位のタイムで3位決定戦に進んだ、前田佳代乃(京都府自転車競技連盟)と太田りゆ(JPCU 埼玉)は、韓国に敗れ、メダル獲得はならなかった。チームスプリントは、男女ともに中国チームが優勝した。
男子チームスプリント表彰式。優勝・中国、2位・マレーシア、3位・日本
女子チームスプリント3位決定戦の前田佳代乃(手前)と太田りゆ(奥)。韓国チームに敗れ4位でレースを終えた
男子チームスプリント3位銅メダルの日本チーム。左より新田、深谷、雨貝
新田祐大(JPCU福島)のコメント
スタートで引っかかったりしていたが、僕も予選でベストタイムを出していたし、深谷もかなりいいタイムで3周目を回っていたので、もう一度チャンスがあれば、かなりいいところにいくという手応えがあった。3位決定戦を走るチャンスをもらえたので、ここで僕らの本大会の目標はタイムを出すことだと再確認して挑んだ。全体でベストタイムを出せて、目標だったタイムに近づいた。
銅メダルではあったが、非常にいい大会になったと思う。18日のオールスター競輪の準決勝で落車してしまい擦過傷はたいしたことなかったが打撲がひどく、首や足などダメージがあった。今回のスタッフたちに万善の状態になるまでケアをしてもらった。それによって気持ち的にも充実して、この大会に臨むことができた。ベストタイムを出せたことは、ベストコンディションで挑めていたということだ。
深谷友広(JPCU愛知)のコメント
予選のスタートでバランスやチームワークに乱れがあったが、3位決定戦ではしっかり力を出し切れたと思う。自分自身は予選で自己ベストを出したが、3位決定戦でタイムが落ちている。今後は2本目でしっかり上げていけるように、それ以上のタイムを出していけたらいいなと思う。
雨谷一樹(JPCU栃木)のコメント
予選のスタートのミスを修正して、3位決定戦に臨むことができたのでよかったと思う。
ブノワ・ベトゥ(JCFトラック短距離ヘッドコーチ)のコメント
男子は予選のスタートの失敗で優勝を逃してしまった。3位決定戦のタイムは今大会のベストタイムだ。新田と深谷は、予選でベストタイムを更新し内容も悪くない。しかし、それでも負けは負け。私たちが負けたということだ。私たちは勝つためにここに来ている。次の種目でも引き続き金メダルを獲りにいく。
チームパシュート予選では、女子が金メダルをかけて決勝へ
また男女チームパシュートの予選も行われ、日本チームは男子が5位、女子が3位のタイムを記録。明日28日に1回戦から決勝が行われ、女子は金メダルをかけて、男子は銅メダルを争うことになる。
男子チームパシュート予選の日本チーム。途中で連携が乱れるミスがあり、5位のタイムで銅メダルを狙う
女子チームパシュート予選の日本チーム。3位のタイムで金メダルへの望みをつないだ
写真と文:猪俣健一
関連URL:https://www.joc.or.jp/games/asia/
JCFホームページ http://jcf.or.jp
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得