2017年05月10日
【PEARL IZUMI】高機能ウエアがヒルクライムをもっと楽しくする
下山に適した高機能ウエアを選ぼう
さて、上った後には下りが待ち構える。下りのスピード感は“上りを克服したサイクリストへのご褒美”のようなものだ。だが長い下りは思った以上に身体が冷えてしまう。とくに腕やお腹など、直接風を受ける部分は冷えやすく、冷えが原因で筋肉がこわばってしまうこともある。真夏日であっても10KM以上のダウンヒルを行う予定があるなら、ウインドブレーカー、あるいはアームウォーマーなど、軽めの防寒具をもっていくといい。
これから紹介するコーディネイトはヒルクライムレースなどといったイベントにおいて準備万端に臨める場合を想定している。レースともなると、標高差も大きく下界とは気温差も大きい。下山までに待機する時間も考慮すると、大げさな装備でもいいくらいなのだ。
そこでパールイズミが提案するのはこの3つのレイヤリング、プラス、オリジナルバックパック。日本のハイシーズンのヒルクライムレースならこれらのアイテムで十分にカバーすることができる。
1/ストレッチ ウィンドシェル/¥11,664(税込)
2/レッグ ウォーマ/¥5,940(税込)
3/UV フルフィンガー グローブ/¥5,400(税込)
4/バックパック/¥12,960(税込)
1/ストレッチ ウィンドシェル
¥11,664(税込)
身体にぴったりとフィットしながらもストレッチ性のある素材のため動きやすく、身体にフィットすることで風によるバタつきも抑えている。撥水加工により小雨程度の水は弾いてくれる。天候の変化による寒さや山の下りで風を正面から受ける時などに威力を発揮してくれる。ポケッタブルでコンパクトに収納でき、ジャージの背中に忍ばせることができる、便利アイテム。
夜間走行の視認性を確保する背中の大きい再帰反射素材。背中はメッシュで通気性も抜群
小さく畳めて、携帯性に優れるポケッタブル仕様(W110mm×H175mm)
2/レッグ ウォーマ
¥5,940(税込)
少し肌寒い日に温度調節できる便利なレッグウォーマ。内側は起毛素材で暖かく柔らかな肌触り。小さく畳めばバックポケットにも入れられる。ラッセルテープのすべり止めを採用し、締め付けによるストレスを軽減している。
ヒザ部分に角度がついた立体形状でフィット感抜群
太腿に締め付け感が少なくずり落ちにくいラッセルテープ滑り止め
3/UV フルフィンガー グローブ
¥5,400(税込)
指先から手首まで日焼けを防ぐ設計の初夏用のグローブ。手首は日焼けを防ぐため長いカフ仕様だ。手の平にはメッシュ生地を配置して蒸れを防ぎ、涼しく快適に。ドロップハンドルを楽に握れて疲れない自転車専用設計。親指と人差し指の指先は、スマートフォンなどのタッチパネルの操作が可能である。
手首部分の日焼けを防ぐ長めのカフ仕様。親指部分には汗拭き用マイクロフリース付き
4/バックパック
¥12,960(税込)
ライディング中に使用することを第一に考えて作られた自転車専用設計のバックパック。携帯ポンプやヘルメットをはじめ、サイクリングに携帯する小物を収納できる。背中には凹凸のフレームを配置し蒸れを防ぐ。バッグの各所に配置した再帰反射が夜間走行時の視認性も確保してくれる。
サイズ:幅245mm 高さ460mm 奥行き165mm
容量:17ℓ(本体:14ℓ、ポケット:3ℓ)
通気性の良いメッシュ ショルダーハーネス。非常に軽量なのもポイント
内部のメッシュポケットに鍵などをつけられる、取り外し式キーフック付き
容量も必要十分なくらい。ヒルクライムレースの下山グッズなら問題なく納まる。日常のサイクリングで使っても重宝するだろう
IMPRESSION
なんといってもストレッチ素材のウインドブレーカーのクオリティが想像以上に高いことに驚かされる。ロードバイクの上では激しく上半身を動かすようなことはないが、細身のシルエット(ややきつめとも言う)だと、ちょっとした動きでも生地からの圧迫を各所に感じるもの。ストレッチ素材を用いたことで、ヒジや肩などに感じていた圧迫から解き放たれ、自由になったようなイメージすら感じさせる。そしてスキニーなシルエットで風をはらみにくいというメリットもある。ウインドブレーカーを着たくない理由として、着衣が風にはらんで起こるパワーロスを挙げる人も少なくはないだろう。一切とは言い切れないが、腕や脇回りに感じるパタパタとした生地の動きが少なく、あの風圧に抗うような重さを払拭できた。筆者の好みもありタイト気味には着ているが、この着こなしとして適切なサイズを選ぶことも重要だ。
そしてレッグウォーマは優れた“柔軟性”という表現が最適であろうかというほど、ペダリングを邪魔しない軽やかな着用感だ。立体的にパネルを組み合わせてヒザの屈曲を考慮したデザインと、入念にセレクトした伸縮性に優れた素材、そしてほんのり温かく肌触りのよい裏起毛など、すべてにおいて高性能と断言できる。そしてレッグウォーマーに対して譲れない性能というのが、ずれ落ちにくさ、だ。長時間ライドをしていれば、いずれは自然と下にずれ落ちてしまうもの。だが肌への締め付けが強いわけでもないのに、しっかり密着してずれ落ちにくいラッセルテープを選んだのは最良の選択だろう。今回はパールイズミの新製品すべてにタッチできたわけではないが、どうしたら快適なライディングを提供できるのか、という想いから生み出された製品であることがヒシヒシと伝わってくるのである。(山本健一)
ヒルクライムの上りと下り。同じコースの往復でも、まったく違う環境になるということは知っての通りだ。だが、一歩間違えば上りでは熱中症、下りでは低体温症などへもつながっていく。ウエアこそが気候とサイクリストの境界である。高性能かつシーンに最適なウエアを着用することが、快適なライドへの近道だろう。
写真/猪俣健一 文/編集部
協力/パールイズミ
関連URL:https://www.pearlizumi.co.jp/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得