2019年10月28日
沿道も盛り上がった!ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム開催!
10月27日(日)にさいたま市で開催された「2019ツール・ド・フランス さいたまクリテリウム」は、今夏のツール・ド・フランス総合優勝エガン・ベルナル(チームイネオス)や山岳賞のロメン・バルデ(アージェードゥゼール ラ・モンディアル)などトッププロが多数参加。今回で7回目の開催です。
スタートリストにはこの2名のほかにも10月のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝のプリモシュ・ログリッツェ(チーム・ユンボ・ヴィスマ)や、今年のツールで独走による区間勝利を挙げたスプリンターのマッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)など、錚々たる選手の名前が並びます。
コースはさいたまスーパーアリーナ周辺に設定された3.5kmコースの17周回で争われ、途中のトンネルもツール・ド・フランスの最終第21ステージ「パリ・シャンゼリゼ周回コース」を彷彿とさせます。
今回は「ツール・ド・フランス第22ステージ」と表現される、華のあるこのレースの沿道に詰め掛けた皆さんを中心にレポートします。
高校生がキッテルを破る!
レースだけでなく、複数の催しが行なわれている点もこのイベントの特徴です。まずレースの前に訪れたのは「サイクルフェスタ」。約50の自転車関連ブースが出展するほか、ツール・ド・フランスでの大活躍の記憶も新しい元スプリンターのマルセル・キッテルさんもステージに登場し、大会アンバサダーとして会場を盛り上げました!
そのステージではキッテルさんに挑戦する「ローラー台200mスプリント」が開催。優勝は最高時速74km/hを記録した埼玉県立大宮工業高校1年生の中山拓海さん(写真中央)。キッテルさんの時速70km/hを抑えて優勝です。チームメイトに祝福された中山さんは「キッテルさんの大ファンなので、直々にジャージとサインをいただけてうれしいです。自転車は小学5年から始めて競技は高校から。今はイネオスのファンです」と喜びのコメント。シャンゼリゼを目指せ!
夫婦で、親子で「楽しめる一日」
続いてはさいたま市内の「食」をテーマにした「さいたまるしぇ」へ移動です。ご当地グルメブースからいい匂いが漂う会場でひときわ目立つご夫婦を発見!
「(本番のコースを試走できる)一般体験走行会に参加してきました」と話してくれたのは、さいたま市内からお越しの坂田さんご夫婦。ご主人は自転車歴50年の大ベテランです。「私自身もしょっちゅうレースに出ています。今日はアージェードゥゼールを応援します。理由ですか? サインをもらったんで(笑)」。奥さんも楽しそう!
ペダルを漕いだ電力による「UFOキャッチャー」に親子でチャレンジしていたのは石橋さんファミリー、こちらも一般体験走行からご参加です。「子供と一緒に2回目(2014年)から毎回観戦に来ています。最近、私自身は通勤くらいですけれど乗っていますよ。ツール・ド・フランスはさすがに全ステージは見れませんが、結果は必ずチェックしています」。これから先も親子で仲良く観戦してくださいね!
メインレースは大盛り上がり!
メインレースのクリテリウムで優勝を飾ったのは新城幸也選手(バーレンメリダ)。今大会初めての日本人選手の優勝です。居並ぶ海外プロ選手との戦いを制した35歳の新城選手はゴール後「(今回のレースで)若い日本人選手も何かを変えるきっかけになってくれれば」と海外メディアに話しました
「練習が終わってから自走で応援にきました。もちろん目当ては新城選手です!」と力強く話してくれたのは私立城北高校自転車部の皆さん。会場到着はスタート直前。さぞ追い込んだことでしょう。新城選手の勇姿を見届けてからの帰路ももちろん自走です。「今日はここまで160kmは走っています」新城選手に続け!
沿道でマイヨ・ジョーヌやマイヨ・ブランを着た子供たちを発見! 聞けば近くにお父さん、お母さんがいらっしゃいました。「職場の自転車好きが集まって毎年観戦しています。メンバーは全国に散っているので年に一度の楽しみですね。子供たちにジャージを着せて楽しんでいます(笑)」というお父さんたちを差し置いてキッズだけで記念撮影!
さいたま市からお越しの内藤さん、清水さん、見村さん(写真左から)は、さいたま市消防団と川口市自転車競技連盟の合同による10名以上で観戦中。「(スタート5時間前の)10時前から来ました」と、本国フランスさながらの「徐々に高まる緊張感」を楽しまれているご様子でした。「毎週日曜日に120㎞くらいの練習会」と、自身のトレーニングも真剣です!
スタートに近いベストポジションをキープしたのは金井さんご夫婦。なんと朝7時から場所取りをしていたそうです。
「ロードレースは観戦オンリーです。先週のジャパンカップも行きましたよ。さいたまクリテリウムは今年で6回目です」。応援チームはユンボ・ヴィスマという金井さん。夫婦で楽しむ応援スタイルが素敵でした!
表彰式で「日本人初優勝を誇りに思います。日本のレースは自分にとって常に特別です」と話した新城幸也選手(中央)。2位に入った初来日のベルナル選手(左)は「人々が親切で安全な国、文化がすばらしい。とにかくファンが多くて驚いた」とコメント。スキージャンプ選手時代に来日経験のある3位のプリモシュ・ログリッチェ選手(右)は、日本選手の強化に関する質問に自身の経験も踏まえ「日本のスキージャンパーは素晴らしい選手が揃っている。簡単に答えられる質問ではないが、他競技からの転向も方法のひとつではないか」と真剣な眼差しで答えました。
この3名以外にも選手の多くが「声援が後押ししてくれた」と話した今年のさいたま・クリテリウム。オリンピックイヤーとなる来年はさらなる盛り上がりが期待できそうです。
◆ツール・ド・フランス さいたまクリテリウムホームページ
http://saitama-criterium.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。