2016年12月02日
【Rapha Super Cross NOBEYAMA】チームテントでシクロクロスレースを120%楽しむ
シクロクロッサーなら一度は出てみたいRapha Super Cross NOBEYAMA。野辺山は滝沢牧場に設置された特設コースは、この2日間だけ人馬ではなく人車を駆るレースコースへと変貌を遂げる。その完成した世界観はまるでアミューズメントパークそのもの。これでレースは盛り上がらないわけはない。選手のモチベーションも高まることだろう。そこで、レースはもちろんだが、それだけじゃないRapha Super Cross NOBEYAMAの魅力をちゅなどん特派員にレポートを行なってもらいました。
去る2016年11月24日(木)は冬を先取りするにしてもほどがある! 東京では観測史上54年ぶり2度目の11月の積雪。
その頃、Raphaスーパークロス開催に向け、急ピッチでコース設営が行われているだろう野辺山は白銀の世界へ。まさかのスノークロス! とざわめき立つSNSのタイムライン。
そんな中、会場へのアクセス道路の路面状況が公式アカウントからアナウンスされ「日中は大丈夫でしょう」とのことでした。まさかの11月の雪に「スタッドレスタイヤの準備が間に合わない!」と欠場を決める人も出たようですが、それでも多くの選手、観客で例年どおり滝沢牧場の特設コースは賑わいました。
今回ちゅなどんは所属するCICADA Unitedが野辺山の会場内チームテントでキャンプ料理を振る舞うよ! というので、はてさてどんなものか、お手並み拝見と初のチームテントエリアへ潜入。ほんとは誰でも入れるのですが、意外とチーム関係者以外あまり近づくことのないこのエリアにはどんなお楽しみがあるのでしょう。
11月26日(土)午前10時
青空が広がる滝沢牧場です。おはようございます! 小淵沢駅から野辺山へ向けて乗ったタクシーの前を走っていた軽トラが目の前で三回転半をメイク!乗員の若夫婦と犬がびっくりした顔でこっち向いて止まったところを華麗なドライビングテクニックで除雪の雪が盛り上がる路肩へ避けてくださった大塚さん(小渕沢タクシー)のおかげで無事現地入りすることができましたちゅなどんです。この一件で今日の運は使い切った気がしますが、Rapha スーパークロス野辺山、楽しんで参りますよ!
会場へ入り、目的のチームテントエリアを目指します。その場所は出店のブースが並ぶ賑やかなエリアを抜け、ゴールラインの計測テントの裏を通り過ぎたところにありました。コース脇に沿ってぐるり、とテントが建てられていますが真ん中はぽっかり空いています。スピーカーは置かれていないので若干ひっそり感あり。ですが、遠くの、でもはっきりと聞こえるMCがらぱさんの声でレースの進行や、召集のアナウンス等必要な情報はしっかり伝わってきます。
CICADA Unitedテントはチームメイトが金曜日から現地入りし除雪と設営をしたそうで、テント周辺の足元に雪は全く残っていません。なんという心配りと下準備。すでに焚き火台4つに火が入り、本格的な三脚がセットされ、まさに調理が始まろうとしていました。このチームテントエリアでは火気の使用は許可されていますが、(地面での)直火はNG。必ず焚き火台を使用するようにしましょう。
人数が多いなら火の数は多いほどいいですね。たくさん調理ができるだけでなく、レースを終えた他チームの選手も暖を取りに来ます。ウェルカム! 火にあたりながら会話も弾みます。
お、お肉が焼けたようですね。どれどれ……と近寄ると「あ、これはまだこれから野菜と一緒に蒸し焼きにするから」チームシェフ北山さんの声に伸ばしかけた手を……あ、ハイすみませんとひっこめるちゅなどん。
では料理ができるまで、ちょっと会場内を見て回りましょう。いってきまーす。
まずは亀の子束子。こちらの鈴木さんは自転車関連企業から亀の子束子へ移られたそうです。そのおかげで今やすっかりバイクフレンドリーなプロダクトでおなじみですね。例えばアフター野辺山には欠かせない!泥落としの「泥専用洗剤」、ウェアを汚したら最後、諦めるしかなかったチェーンオイルの黒い汚れをきれいに落とす「油専用洗剤」、これらはもう使ってる方も多いのでは?他に自転車専用洗車ブラシ、なんてのもありました。豚毛を使っているそうです。ディスクプレーキのキャリパー回りの清掃に使い易いそう。ディスクブレーキユーザーのちゅなどんは、き、気になる……。
続いてアンドバイシクル。店主渡辺さんは昨年まで選手として毎年このレースを走ってきましたが、今年は初めての出店ということで、選手はおやすみだそうです。こちらの見所は、何と言ってもちゅなどんハンドメイドのサイクルキャップ!(あ、自分で言っちゃった(笑)お取り扱いありがとうございます)他にも、全て一点物のハンドメイドnextfablicの3wayトートバッグなど、余所ではあまり見ることのないちょっとシュっとした自転車小物を中心としたラインナップでした。
moss garden + farmのフォトグラファーマー(写真家であり、農家)ワタナベカズヒロさんが作る野菜が今年もたくさん並んでいました。ホカホカのやきいもが毎年大人気。焼き上がりを待つ人があとを絶ちません。
どの野菜もハリがあって、主張しています。これだけたくさんの種類の野菜を無農薬で美しく作ることがどれほど大変か…野菜づくりの経験があるちゅなどんは毎度感心します。
おーいたいた!野辺山で再会できるかな、と楽しみにしていました。バラ❤️サイ第4回に登場してくれたちゃんぬです。昨年に続き、今年もChanNuはTKC Productionsとともにブース出店です。オリジナル手ぬぐい、サイクルキャップ、ジャージ、ボトル、と自転車関連プロダクトがパワーアップしていました。たこ焼きを焼く少女カレンちゃん、実は(出店もされています)Above Bike Storeの令嬢ですがこの日はチームメイトかつ師匠であるちゃんぬをお手伝い。NO TIP NO EAT!!チップは弾んでくださいね。彼女たちはレースにももちろん参加。ちゃんぬジャージを泥で彩りました。
続いて飲食エリアに行ってみましょう~。
会場では美味しそうなビールを持ってる人をたくさんみかけました。こちらですね。marca。
クラフトビール6種類の中から4種類を選んで飲み比べるシステムだそうです。どれも美味しそうだし、ん?お安くないですか?
こんなに寒い野辺山なのに、シクロクロスレース観戦といえば、本場ベルギーに倣ってビールを片手に!というスタイルがすっかり定着しています。あんまり飲めないちゅなどんですが、一口いただいたビールはとっても美味しかった!
こんにちはー。優しい笑顔で迎えてくれたのは盆栽自転車店カフェのナツキさん。
マフィン、ブラウニーなどのスイーツをたくさん準備してこられました。出店4回目とあって、すっかりおなじみの感、ありますね。ホットコーヒー、レモネードの他に、クールなデザインで人気の盆栽自転車店オリジナルのサイクルキャップ、ボトルも並びます。これらは通販でも買えるアイテムですが、東京まで行かずとも対面で買える貴重な機会です。
うわぁ~。レース会場なのに、ものすごーくエレガントなショートケーキが…と思わず足を止めました。creAさんです。こちらは野辺山3度目の出店だそう。お鍋でとろけるホットチョコレートが美味しそうだわ~。こちらのキッシュが本当に美味しいのよ!とお友達のオススメを思い出しておひとついただきました。「熱いから気をつけてくださいね」って。ほんとだ。あったかいのがうれしい~。
会場内、気になるお店がいっぱいすぎて困るんです。さっき誰かがもってたPizzaの箱はこちらだったんですね!南牧村商工会青年部。
サインボードのチョークアートの描きこみに八ヶ岳愛、シクロクロス愛を感じました。自転車の絵って意外と難しいですよね!わかります。
はい。ではここでちょっとコーヒーブレイク。
「いやぁー、今日はどう?攻略のアドバイスはなにかある?」
「空気圧ですね。高めで」
なんてやりとりが聞こえてきます。コースは時間帯によってどんどん変化します。朝は凍っていた路面もお昼が近づくにつれて雪が溶けて泥に。重たい泥と軽い泥…ライン取りも、多くの選手が選ぶよく掘られた場所と大半の選手が避けるラインで大きな違いがあります。選手たちにとって試走の情報交換も楽しいコミュニケーションです。
おや?なにやら野生的なリズムが聞こえてきます。音の方へ行ってみましょう。西アフリカのドラム”ジャンベ”だそうです。地元のクラブの皆さんが選手たちを応援する演奏でした。コース脇の観客も手に持ったカウベルをリズムに合わせて鳴らし、身体を揺らしています。ロードレース会場で和太鼓、というのはけっこうよくあるんですが、このジャンベっていいですね。ちゅなどんも思わず身体がリズムを刻みます。
さーて。そろそろご飯できたかな?ぬかるんだ足元に気を使いながらチームテントエリアへ戻ります。
おや?ここは…どなたもいらっしゃいませんが、ニュートラルサービスですって?
「MOGEYAMA CX」モゲ…ヤマ?
レース中、泥を詰まらせたリアディレイラーハンガーは力任せに踏むと折れるんだそうです。野辺山のこのコースでは例年ディレイラーハンガー折れによるメカトラブル(ディレイラーがモゲる、と言います。だからモゲヤマなのね)が続発します。それをサポートするそう。これは心強いですね。確か昨年はファンライド編集部ヤマモト氏もモゲてましたねぇ。
ただいま!CICADAテントの料理は何が出来上がったのでしょう?
表面を焼締めた塊肉とごろごろ野菜のロースト、ソーセージの炭火焼き、鳥のもも肉はシンプルに塩とローズマリーでグリル。どれも美味しそう!そして、フードエリアで買って来たビールで乾杯!ナニコレとっても楽しいです!
シンプルな味付けだそうですが、材料が良いのでしょうか。野菜は会場に出店のmoss garden + farmで買い揃えました。
さらにチームシェフはお肉と野菜をローストしたダッヂオーブンに残った肉汁を使ってポトフを作ろうとしています。具材で満たされたその鍋に、さらに紐で結わえられた見るからにスペシャルなソーセージを乗せて……蓋の上には炭を置きましたよ。
凝った料理を繰り出すかたわらでは、もう一人のチームシェフ関根さんが目玉焼きをスキレットで作り、ホットサンドメーカーにチーズと卵を挟んでこんがり焼いています。
さらに奥のテーブルではおでん鍋の中であつあつおでんが温められています。
これでもか!と繰り出される美味しそうな料理の数々につぎつぎと手が伸びるチームのみなさん。火を囲んで美味しい肉をビールで流し込む。快晴の野辺山高原……おっと、レース会場でしたね。ここは。
お隣のテントは多摩湖朝練部チーム。こちらも火を起こしてなにやら焼いていますね。ソーセージとお餅??
なるほど、隣の鍋にはおしるこが温められています。焼きあがったお餅と合体!するんですね。いいなぁ。
バケットを切るナイフがない、とおっしゃるのでナイフを貸し出したら、焼きたてのソーセージをご馳走になりました。美味しかった~。このソーセージはチームメイトが主宰されているノイフランクという専門店のものだそう。ごちそうさまでした!
今回、CICADA Unitedから出走の選手は3名。料理人2名。食べる人10余名。
火のそばにはチーム関係なくいろんな人が集まって、飲み、味わい、語らい、大変よい時間が流れていました。
チームでRaphaスーパークロスに参加するならチームテントエリアはぜひ確保して思い切り!楽しんでくださいね。仲間を誘い合わせて参加すれば楽しさ倍増ですよ。
今回は、大変気合の入ったチームテント活用法をご紹介しましたが、シンプルに荷物置き場としてのチームテントもあれば、機材のメンテナンスをがっちりやるぞ!というスタイルのチームがあったり、女性選手用に更衣室テントを別で用意しているチームもありました。チームそれぞれが工夫を凝らして、このエリアを活用しています。
準備は少し大変ですが、2日間まるまる楽しむつもりで行けば最高にハッピーな時間を過ごせること請け合いです。
【チームテントにあると幸せになれるリスト】
テント(横幕つきがベター)・テーブル・イス・時計・ホワイトボード・水タンク・バイクラック・これらの資材を運ぶカート
【さらに幸せになるために】
焚き火台・炭(薪)・調理道具・食材・調味料・料理人
(会場によって火気の使用に制限がある場合もありますので、必ず主催者に確認をしてくださいね)
で、レースはどうだったの?って?
あっ……、ではまた来年お会いしましょう~。
Photo by Akira SEKINE / ちゅなどん
取材協力 CICADA Unitedのみなさん
著者プロフィール
ちゅなどんちゅなどん
自転車好きが高じて一時期飽きるほど自転車に乗り、とうとう自転車に"乗る理由"がなくなってハンドメイドサイクルキャップを制作販売、自走納品する『自作自演型サイクリスト』 その傍ら、あるときはサイクリングイベント会社で、あるときは自ら企画するイベントでアテンドライドしています。持ち味はよく通る声と年の功からにじみ出る安定感。 ハマっ子歴19年。関西弁ネイティブ。