2020年04月21日
【GWチャレンジ応援企画】 「自宅で目ざそう200km」ローラーでやりたいトレーニングメニュー
GWチャレンジ by TATTAに向けて、どんな屋内トレーニングがよいのでしょうか。ネット環境完備、スマートトレーナーorパワーメーターなどをお持ちの方はオンライントレーニングプラットフォームを使わない手はないでしょう。
オーソドックスなローラー台でもメニューさえしっかりとしていれば、飽きずに効率よく参加できますよ。
1.オンライントレーニングプラットフォームで
スマートローラーをお持ちであれば、Zwiftなどのオンライントレーニングプラットフォームを活用することで、ワークアウトはもちろんバーチャルレースで距離を稼ぐことができます。
Zwiftの詳細はこちらから。
なにもスマートローラーを持っていなくてもANT+やBluetoothで繋がることができるサイクルコンピュータやパワーメーターを持っていれば、パワーやスピードでZwiftに参加することもできる。スピードの場合でもあるていどパワー値ように計算してトレーニングの指標として使えます。この場合は心拍数を併用するとよいでしょう。しかし実測したパワー値には及びません。
パワー値の何が優れているというと、スピードや心拍数よりもパワー値はより応答が早く一瞬の力の抜けも感知することができます。よって高強度なトレーニングなればなるほど、パワーのほうがよいトレーニングを積むことができます。
2.ワークアウトメニューで
Zwiftといったプラットフォームを使わず、ローラーのみで距離を稼ぎたい人もいるはず。そんなサイクリスト向けにゴールデンウィークだからこそできる、ワークアウトメニューを提案します。
4月29日から5月6日までに200kmを無理なく、充実して走れるようなメニューに仕上げました。
テーマは「飽きない」。トレーニングの原則のひとつ、特異性の原理に基づいてメリハリの効いたトレーニングメニューなら、毎日飽きずにトレーニングすることができます。また山場を作ることで挑戦する気分になったり、達成した爽快な気分を楽しめることでしょう。
今回はスピードでメニューを組んでみます。必要なものはサイクルコンピュータのみ(心拍計があればなお良い)。ホイールにマグネットを付けて計測するタイプならリアホイールからデータが取れるようにしておきましょう。またケイデンスが測定できるとよりトレーニングの充実度が上がります。
ローラー台に負荷機能がついているなら無負荷の状態から1〜2段階ほど重たくするとちょうど良い負荷になります。負荷機能がついていない場合はギア比を重くして挑戦してください。
4月29日(1日目) 50分 およそ30km
テストの日 基準となるスピードを決めます。パワーでいうFTPテストのようなイメージです。20分の平均スピードが翌日からの運動強度が決定します。20分間出し切れるスピードという意味です。最初から飛ばしすぎると、後半失速してしまいます。コツとしては、息が軽く切れる程度のスピードからゆっくりと加速をしていき、後半まで保てるペースに乗せること。楽なメニューではありませんが、今後のトレーニングの基準となりますので、気合を入れて取り組んでくださいね。
室内ローラーの場合は野外走行よりも放熱しにくいため、心拍数が高くなる傾向あります。扇風機での送風や換気をし、体温を上げすぎないように。水分補給もしっかりと行いましょう。
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▶︎10分間の軽いギアでウォーミングアップ
▶︎1分間目一杯ペダルを回す。
▶︎4分間完全休息か軽いギアで脚を回す。
▶︎20分間の全力走を行い、ラップ機能などで平均スピードを計測する。ケイデンスは快適に感じる回転数で。
▶︎15分軽いギアでクールダウン。
4月30日(2日目) 1時間 およそ30km
ベースアップの日
計測した平均スピードを元にメニューを組み立てていきます。
ベースアップとして有酸素能力を鍛えるメニューです。疲れにくい持久力のある身体に仕上げていきます。
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▶︎10分間の軽いギアでウォーミングアップ
▶︎20分間の平均スピードのおよそ80%ほどで10分間キープ。ケイデンスは90回転をキープしましょう。最初は75%くらいから少しずつ80%に到達するように走ってみてください。
▶︎5分間軽いギアで脚を休めて、再び80%で10分間走。
▶︎5分間軽いギアでクールダウン、最後に5分間走を80%で追い込みます。
▶︎15分間軽いギアでクールダウンして終了。
10分間走は、徐々にスピードを上げて、上限まで到達させるのがコツ。大きく失速しないように、最後まで保てるように“頑張りすぎずに”頑張りましょう。
5月1日(3日目) 1時間 およそ25km
ビルドアップの日
快適なケイデンスではなく、上りや下りなどでケイデンスの変化にも対応できるよう、強制的にゆっくりとしたケイデンス(重たいギア)でトレーニングをします。このときハンドルは強く握らず手を軽く添えるだけにして、脚の力だけで回すように。筋トレのようなきつい練習ですから頑張って!
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▶︎10分間のウォーミングアップの後、80%で10分間、ケイデンス90回転で。
▶︎次に80〜85%でケイデンスを50〜60回転に落として2分間キープ。そして3分間軽いギアに変えて休息します。これを5回反復してみましょう。ケイデンスを落とす=ギアを上げて調整をします。
▶︎15分間のクールダウン。
5月2日(4日) 50分 およそ30km
心肺強化の日
4日目となり筋肉に疲労を感じつつ……踏ん張りどころです。頑張りましょう。
耐乳酸系のトレーニングで心肺機能の強化につながります。
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▶︎10分間のウォーミングアップの後、80%で10分間、ケイデンス90回転で。
▶︎平均スピードの110%で2分間、3分間休みを5回繰り返しましょう。ケイデンスは90〜100回転で。ケイデンスを下げすぎないように。
▶︎15分間のクールダウンで終了です。
5月3日(5日目) 30〜60分 およそ15〜25km
積極的回復の日
疲労を感じ始めていると思います。
▶︎30分から60分ほど軽めのギアで負荷を脚にかけないようにして回し、回復を促しましょう。脚に疲労感がある場合は、もっとケイデンスを落として、スピードを緩めてみてください。
どうしても疲れている場合は、夕方など時間をすこし開けてやってみましょう。
5月4日(6日目) 2時間 およそ50〜60km
休日のロングライドのようなイメージです。
ローラーの場合はポジションが一定になりがちなので、長時間行いにくいことがあります。その場合は午前と午後に1時間ずつと、分けても良いと思います。
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▶︎好きなタイミングで、10分間80%のベース走行を1〜3回、上りを意識して100〜105%の5〜8分間走など2〜3回を軽いギアの休息走を挟みながら、コンディションやモチベーションと相談してチャレンジしてください。
翌日は休息日! そう思えばこなせそうですよね?
5月5日(7日目)休息日 or 30分ほどのイージーライド 10kmほど
こどもの日ですし、ゆっくりと過ごして栄養満点で美味しいものを食べ身体を完全休養させる日です。
これが回復+能力向上につながります。少し物足りなければ、身体を動かしても結構です。しかし脚は確実に疲れているので、ごく軽い負荷にとどめておきましょう。休息と補給もトレーニングのうち。
5月6日(8日目) 1時間 およそ30km
2日目と同様のベースアップの日
同じく有酸素能力を鍛えるメニューです。
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▶︎10分間の軽いギアでウォーミングアップ。
▶︎20分間の平均スピードのおよそ80%ほどで10分間キープ。ケイデンスは90回転をキープしましょう。最初は75%くらいから少しずつ80%に到達するように走ってみてください。
▶︎5分間休んで、再び80%で10分間。
▶︎5分間休んで、最後に5分間を80%で走りましょう。
▶︎15分間軽いギアでクールダウン。
完遂すれば225km走ることができます! どうしても疲れが抜けない、スピードが維持できないという場合は、メニューをスキップしてもいいでしょう。無理は禁物。健康を第一に考えて実行してくださいね。
さて、GWチャレンジが終わった9日目以降はどうすればいいのか。
そんなやる気に満ちた人は、2日目以降のメニューから継続してみてください。続けていく中でなかなか疲労が抜けにくかったり、メニューが辛くてこなせないようだったら強度が高すぎるかもしれませんので、強度を3%ほど落としてみたり、強度を保って時間を短くするなどして調整をしてください。物足りなければ逆に3%ほどスピード上げてみるなどしてください。
ひと月ほど続けることができたら、初日に行った20分のテスト走をやってみて、どれだけ平均スピードが上がったか測ってみましょう。
能力向上が認められたら、おめでとうございます! さらに辛く楽しいトレーニングが待っていますよ!!
以上は基本的なメニューですが、レースやイベントが控えているなら高強度のインターバルトレーニングなどを追加してアレンジをしてきます。こちらはまた別の機会に。
パワー(Watt)ならもっと緻密で濃いトレーニングが可能です。なにしろパワーは身体能力+根性を数値化したものですから。
繰り返しますが絶対に無理をしないこと。あくまでも飽きずにローラーに乗るためのワークアウトメニューです。
動悸や、筋肉・関節などに違和感を感じたらすぐにトレーニングを中止してください。また免疫力が落ちてしまうほど追い込まないよう自己管理のもとで楽しんでください。
GWチャレンジ by TATTAの詳細はこちら
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得