2016年02月17日
安全に走ろう、を覚えよう。FUNRiDEトレーニングキャンプVol.2 レポート
2月10日(水)に開催したFUNRiDEトレーニングキャンプVol.2。今回はこれからイベントデビューを考えている人にもぴったりな「まっすぐ走る、正しく曲がる、しっかり止まる」といった安全に走るために必要な技術の習得を目標とした。イベントデビューを飾るサイクリストも多い、ファンライド主催のTOKYOエンデューロ2016in彩湖(http://www.tokyoenduro.jp/saiko/)の開催が3月12日(2月20日エントリー締切)に迫っていることもあり、今回はこのようなテーマを設定した。
講師は、現役時代に全日本チャンピオンの2度獲得をはじめとした輝かしい戦歴を残し、その後チームブリヂストンアンカーの監督として、数多くの有力選手を輩出。現在は東京渋谷区にある有名ショップ、なるしまフレンド神宮店の店長を務める藤野智一さんに務めていただいた。
今回のトレーニングキャンプは平日開催ではあったが、20名のサイクリストが参加。Vol.1と同様に船橋オートレース場を貸し切って実施した。
身体で覚えるバイクの操作
まずは藤野さんにより座学で今回のトレーニングメニューとそのポイントを説明していただいた。それぞれがバイクのセルフチェックをしたのち、ウォーミングアップでコースを数周回走行したらさっそく、トレーニング開始。今回のトレーニングメニューは4つ。
■まっすぐ走る
距離15m、幅15cmのライン上を、そのラインからはみ出さないように走行する。
ポイント:目線を落してしまうとつられてハンドルを操作してしまうので、ふらついてしまう。15~20mぐらい先を見ながら走る。
■スラローム
3m間隔で置かれたパイロンの間をなるべくスムーズに走る。
ポイント:なるべく自分の身体は動かさずに、ハンドル操作で曲がるようにする。目線は下を向かず、しっかりパイロンの位置を把握できる程度に前を向く。
■ブレーキング
助走距離10mを走り、決められたライン上でフルブレーキをかけてみる。
ポイント:怖いと前荷重になりハンドルに体重がかかってしまうので、注意。しっかりとサドルにしっかりと座り体重をかける。急制動の際は後輪が浮かないように、腰をうしろに引きながらブレーキをかける。脚にもしっかり力をかける。止まったら身体を前に戻す。
■3種目の複合
上記3種目を一連の流れでスムーズに行う。
藤野さんからは「しっかり前を見て走りましょう」などワンポイントアドバイスが挙げられるが、細かな方法までを伝えるのではなく、参加者自身が反復して練習することで、スキルを身につけていった。
はじめはぎこちなく練習していた方々も回数を重ねるうちに見た目にも上達がわかるほど、正しくバイクを扱えるようになっていった。
まずは座学で今回のトレーニングメニューとそのポイントを説明
■まっすぐ走る ライン上を走るには目線を遠くへもっていくことがポイント
■スラローム ハンドル操作で細かくバイクを動かす
■ブレーキング 急制動では腰をうしろに引きながらブレーキをかけることで、バイクを制御する
午後は集団走行と500mTTを練習
お昼休憩を挟み、午後の部では全員で1つの集団となり、大勢のサイクリストが同時に走行するイベントを想定した集団走行をトレーニング。はじめは1列で走り、周回数を重ねるごとに、2列、3列、4列と隊列を増やしていく。
午前中の成果か、隊列が増えても、大きくふらついたり、周りから遅れる人もいなくとてもきれいな集団走行ができていた。
最後にレクリエーションとして全員が500mのタイムトライアルに挑戦して今回のトレーニングキャンプは終了。
プロレーサーのようにコンパクトにまとまって集団走行の練習
最後は全員参加の500mタイムトライアル!
参加者からは
「最近のロードバイクに乗りはじめたのですが、このまま何も知らずに乗り続けるよりも早い時期に基礎を教えていただけて良かったです」
「細かいバイクコントロールが苦手なのですが、練習すればスラロームもできるようになるんだ!と自分にびっくりしました。これからも時間を見つけて自分で練習してみようと思いました」
「普段公道ではなかなかできないような練習がいろいろとできてすごくためになりました」
などの感想をいただけた。
~トレーニングキャンプVol.2を終えて~ 藤野さんインタビュー
編集部(以下 編):本日は講師を務めていただき、ありがとうございました。
藤野さん(以下 藤野):おつかれさまでした!
編:実際に参加者にどんどんドリルをやらせて身体でスキルを身につけてもらうというやり方は見ていてなるほど、と思いました。
藤野:「身体のどの部分を使って、こういう様に走りましょう」みたいな理論的な方法ももちろん大事なのですが、頭でばかり考えても結局よくわからなくなってしまう場合が多いです。それよりも実際に体験・経験してもらうのが一番だと思い、今回は実践型のトレーニング方法を用いました。
編:みなさん熱心に反復して練習していましたね。
藤野:今回のような機会があると、参加者同士がお互いに「あの人はああなっているな」とか確認し合えて良いですよね。目で見て確認し、自分で身体を動かしてやってみるということができる環境でした。今日は時間もありましたので、みなさんやればやるだけ上達していました。
編:午後の集団走行もプロレースのようなコンパクトさで驚きました。
藤野:そうですね。午前中のトレーニングで、バイクの動きを自分で制御できるようになっていたので、みなさん近くに人がいてもあわてずに走ることができていました。
編:最後になりますが、今回のトレーニングキャンプの総括をお願いします。
藤野:自転車はみんな子どもの時に乗れるようになってしまい、その後に乗り方を教わる機会がないので、我流で乗ってしまっていますよね。今回のようなトレーニングができると、自分が何ができて、何ができないのか、ロードバイクに乗るうえでの技術というものを意識できるようになります。
今回参加された方は、キャンプを通して経験、体験、実感したことは必ず活かされると思います。今回のようなまっすぐ走る、曲がる、止まるという動きのトレーニングを定期的に取り入れることで、安全と安心、余裕のある走りが身につくと思います。今回参加できなかった方も安全な場所でぜひ行ってみてください。
編:ありがとうございました!
今回講師を務めていただいた、藤野智一さん(左)とトレーニングキャンプVol.2に全面的に協力いただいた、なるしまフレンド代表の鈴木 淳さん(右)。
練習風景動画はこちら→ https://funride.jp/movie/funride-training-camp_vol2/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。