2019年06月28日
【第16回Mt.富士ヒルクライム】出展社対抗ヒルクライム選手権開催! 各ブランドの健脚自慢が激突!
今年もMt.富士ヒルクライムのサイクルEXPOには自転車関連のブースが多数出展。そんな出展社のみなさんから脚に覚えのある10人が富士ヒルで対決。いわゆる自転車業界・ブランドの名誉と意地をかけた「第2回出展社対抗ヒルクライム選手権」!
昨年に引き続き、今回も出展社の中からエントリーを募集。およそ10社の皆さんに出場していただきました。
さて、本番を前に参加するみなさんの意気込みを伺いました。決戦用としてチョイスした自慢のアイテムもしっかりアピールしていただきます。
佐藤唯行さん(サーヴェロ・東商会)
サーヴェロ、ラピエールなどを取り扱う東商会からは佐藤唯行さんがエントリー。富士ヒルには過去3、4回挑戦してベストタイムは1時間13分台。
「ゴールド(1時間5分未満)目指したいけど、練習する時間がなかなか確保できないです。今年はシルバー(1時間15分以内)を目指します」
自転車は、高速コースの富士ヒルならではのエアロロードのサーヴェロS3。同じく東商会取り扱いのEASTONのEC90SLパワーメーター&クランクアーム、重量はわずか178gのハンドルバーE100も装着。チェーンの駆動抵抗が少なくなるトーケンのビッグプーリー・Shurikenやブレーキの引きが軽くなる日泉ケーブルなど、佐藤さんこだわりのパーツも組み付けて、重量は7.1㎏まで抑えた。
サイコンのマウントには奈良・東大寺のお守りもつけて「参加者の安全の見本・模範のとなる走りをして、無事故・ケガ人ゼロのイベントにしたい」と安全第一でのレースを誓っていた。
岡部秀克さん(LOOK・ユーロスポーツインテグレーション)
フランスの名門ブランド、LOOKの日本正規代理店ユーロスポーツインテグレーションの岡部秀克さん。富士ヒルは10回以上出走しているベテランで、ベストタイムは1時間11分台!
「去年はシルバーにギリギリ40秒に足りなかった。今年で四捨五入すると還暦になるので、その年齢でシルバーの壁をぶちやぶりたいです!」
自転車はツール・ド・フランスの名物峠ラルプデュエズの名前を冠したヒルクライムマシン795HUEZ RS。「バーテープなどはがさずに自転車として美しい姿のまま、軽量化」して、5.84㎏にまで到達した。
近藤大輔さん(GOKISO・近藤機械製作所)
ヒルクライマーの憧れ、GOKISOブランドの高性能ハブやホイールを開発製造する近藤機械製作所。近藤大輔さんは去年から2年連続の挑戦で、シルバーを目指す。
「去年はギリギリ1時間30分切れたぐらいなので、リベンジしたいです」
注目の足回りは、カーボンクリンチャーリムのGOKISO GD² ホイールにチタン合金製のスーパークライマーハブを組み合わせ、価格は約96万円!
「このホイールで行きますよ!」
中谷亮太さん(ジャイアント)
ジャイアントの中谷亮太さんは過去2回参加し、いずれもブロンズ獲得。
「今年もブロンズを獲れれば満足です。普段はトライアスロンをやっていて、ヒルクライムはめったに走らない。1時間半全開で走る年1回のチャンスなのでがんばりたいです!」
自転車はもちろんジャイアントのTCRアドバンスト。「ジャイアント製のパワーメーター、コンピューターもつけてます。それ以外にも軽量で走りやすいヒルクライム向きのセッティングにしました」
東畠信行さん(ビオレーサー・クランノート)
ビオレーサーなどのジャージブランドを取り扱うクランノートからは東畠信行さんが参戦。
ナカガワサイクルワークスでフレーム製作の修業をし、実業団チーム・ナカガワレーシングクラブでも活躍する東畠さんは、自身が立ち上げたクロモリのオーダーフレームブランド、「HGSBT」のバイク(扉の写真:写真右)で挑む。
「アルミホイールを履いて、重量8㎏ジャストぐらいに仕上げました。紫色が目印です」ジャージもフレームとおそろいの紫色。
「ビオレーサーのジャージはプロユースなので、品質がいいですね」
福田ヒロフミさん(ピナレロ・ジャパン)
今年5月に生まれ変わったチーム・イネオスの最新バイクとして発表され、国内にようやく入ってきたばかりのピナレロ・ドグマF12で富士ヒルに挑む福田ヒロフミさん。
「日本に入ってきたばかりの展示車で、私も明日初めて乗るので、楽しみにしています。ケガしないように走ります。頑張って完走して、ブロンズ獲りたいです」
山崎聖仁さん(ウィリエール・服部産業)
ウィリエールなどを取り扱う服部産業からは、山崎聖仁さんがエントリー。3回目の富士ヒル挑戦で、毎年ウィリエールの最新モデルのお披露目も兼ねて参加している。
今年は、2020年モデルのクロモリバイク、ザフィーロ(イタリア語で宝石)の最終プロトタイプで出走。イタリアブランドのウィリエールながら、国内で企画・開発されたユニークな一台だ。
「私もクロモリ時代の人間なので、こういう自転車がかっこいいと感じます。カーボン、アルミと比べるとハンドリングはクイック。長距離乗れるジオメトリーで、ダンシングしてもぶれないので、上りも安定しています」
荻野隆介さん(オギノパン)
宮ケ瀬湖、ヤビツ峠に近いところにお店があり、神奈川・東京エリアのサイクリストから人気のパン屋さんオギノパンからは、荻野隆介さんがエントリー。
富士ヒルには過去にもブース出展しているが、荻野さん自身は「ヒルクライムは初めてです。練習で2回くらい上ったけど、苦しい、きつい(笑)という印象ですね。目標は完走! 2時間切れるかな?」と初挑戦にやや緊張気味。
この日も、ブースではおなじみの丹沢あんぱんを販売。「お店はサイクリストのみなさんにご愛顧いただいてて、今日も喜んでいただけました。人気は定番のつぶあん、こしあん。かぼちゃもおすすめですよ!」
荒木一優さん(サンボルト)
ジャージブランドのサンボルトからは荒木一優さんがエントリー。富士ヒルの自己ベストは71分で。目標は「70分切り!」
「練習はあまりしてないけど、機材はキャノンデールのCAAD12ブラックインクに変えて1㎏ぐらい軽量化して、6㎏弱ぐらいになりました」
もちろんジャージにもこだわりが。「ヒルクライム専用のクライマーというワンピースです。空気抵抗を減らして。ポケットもなくして重量は160g。全員ぶち抜くつもりで頑張ります!」
梶原隆司さん(クラフト・ツインズ)
ジャージブランドのクラフトなどを取り扱うツインズからは、代表の梶原隆司さんが出走。
「普段はトライアスロンをやっていて、ヒルクライムは今回が初めて。バイクが好きなんで、バイクだけのレースも出てみたいと思って参加しました」
本番で履くVERVE GLOWビブショーツは、快適性がポイント。「トップモデルのウレタンパッドを使っていて、クッションがすごくいい。痛みもないし、一体感がある。10km走れば違いがわかると思います」
雨中の対決! 栄冠は誰の手に!
ご存じの通り、富士ヒル当日は雨模様。ということで、貴重な展示車での出走を予定していたピナレロの福田さんとウィリエールの山崎さんは残念ながらDNS!
それでも参加したみなさんの多くがブロンズ獲得と、さすが各ブランドの健脚自慢が集まっただけにハイレベルな争いに。その中で、トップタイムをたたき出したのはサンボルトの荒木さん。冷たい雨に苦しみながらも、1時間11分43秒と唯一のシルバーリング獲得となった。
「ずっと単独で走っていました。どんどん体温が下がっていくのが辛かったですが、踏む力はよかったので、いい走りができました。使おうと思っていたクライマーは着れなくて、セパレートワンピースで走りました」
2位は東商会の佐藤さん1時間16分40秒。目標のシルバーにはわずかに届かずも、堂々のタイム。
3位はルックの岡部さんで、1時間18分33秒。「去年より3分落ちちゃったのでガッカリです。頑張って練習しなおしですね。雨の中、みなさんDNSしないで頑張っていて熱気がすごいなと思いました。
GOKISOの近藤さんは、自己ベストを約10分更新の1時間20分台!
ヒルクライム初挑戦のオギノパン荻野さんは1時間31分と大健闘!
来年も開催しますので、皆様の挑戦(ご出展も)をお待ちしております。
写真:海上浩幸、小野口健太
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。