2019年05月07日
ファンライドイベント参加者分析「この10年サイクリストはどう変化したか?」
秋の2大FUNRiDEイベント「富士チャレンジ200」(9月7日開催:富士スピードウェイ)と「グランフォンド ピナレロ 八ヶ岳」(10月5日、6日開催:山梨県北杜市)は、富士チャレンジが18回目、八ヶ岳が11回目の開催です。今回はこの2つのイベントの「参加者の変化」をデータから見てみましょう。
ともに中心世代は「40歳代」
ロードレース系「富士チャレンジ」とロングライド系「グランフォンド八ヶ岳」
まず、両イベントの昨年参加者データを見てみよう。このデータは「10歳代刻み」による「年代別参加者構成率」を示したものだ。
グランフォンド ピナレロ 八ヶ岳(以下、八ヶ岳)、富士チャレンジ200(以下、富士チャレンジ)ともに、もっとも多い年代は「40歳代」。しかし前後世代の違いが明らかだ。まず50歳代では八ヶ岳が26%と、40歳代に次ぐ割合を示すのに対し、富士チャレンジの50歳代は18%にとどまっている。一方、30歳代を見ると富士チャレンジでは40歳代に次ぐ29%だが、八ヶ岳は19%だ。二つのイベントでは30歳代と50歳代がほぼ入れ替わって構成されている。男女比の違いも明らかだ。八ヶ岳は全体の12%を女性が占めているが、富士チャレンジの女性参加率は4%に過ぎない。
サイクリストは「老いて益々盛ん」?
次に、過去データと比較してみよう。
下のグラフは2010年と2018年大会の「年代別参加者構成率」を比べたものだ。両イベントともに2010年と比べ50歳代の構成比率が高くなっている。中心年代は過去も現在も40歳代だ。
30歳代に注目しよう。八ヶ岳では30歳代の減少幅が大きく、50歳代以上の増加率が目立つ。一方の富士チャレンジでも、八ヶ岳ほどではないが30歳代が減少し、50歳代以上が増加している。なお、構成比率は小さいものの、八ヶ岳では20歳代が増加し、富士チャレンジではほとんど差がない。両イベントともに30歳代と40歳代が突出していた2010年と比べ、年代間の「差」は縮まっている。
「タイムが目標」の富士チャレンジと、「走り切ること」が目標の八ヶ岳。コンセプトは異なるが、年代構成はともに30歳代以下が減り、50歳代以上が増加している。この傾向、実はフルマラソンもほぼ同じだ。一方、グラフにはないが「イベント参加人口」を2010年と比べると、マラソン、自転車ともにも全年代で増加している。Doスポーツ全体は10年前と比べて確実に拡大しているのだ。
今後の課題は「生涯スポーツ」としての環境整備だろう。せっかく体験したスポーツバイクの爽快感を、人生の一時代にとどめておくのはもったいない。「生涯に渡って取り組める場の提供」が、これからのファンライドイベントの課題だ。
人生100年時代。健康であり続ける意味はますます大きくなる。自転車は20歳代の参加率が増えるなどランニングには見られない傾向もある。目標を持ってトレーニングに励むサイクリストの増加が、社会を明るくしていくだろう。
◆グランフォンド ピナレロ 八ヶ岳HP(エントリーもこちらから)
http://gf-yatsugatake.jp/
◆富士チャレンジ200HP(エントリーもこちらから)
http://www.fujichallenge.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。