2016年06月26日
全日本自転車選手権大会ロードレース3日目 エリート男子速報
1日目、2日目とは打って変わって気持ちのよい晴天となった大島。スタート時はやや肌寒く感じるが、湿度も低く、非常にコンディションがいい。次第に気温は上がり、強い日差しが降り注いだ。この2日間の鬱憤を晴らすような晴天の中、レースは進む。序盤、小石佑馬(NIPPO-VINI FUNTINI)、キナン サイクルレーシングチームが上りでペースを上げる。2周目に集団を分裂する強いアタックがかかる。しかしほどなくして鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、中根英登(愛三工業レーシング)のロングエスケープが決まる。これにより集団はスローペースになり、遅れた選手が集団に合流する。小康状態は残り5周、鈴木が単独で先行し、中根が集団に戻ると、50名ほどの集団は逃げを捉えた。上りではブリヂストン勢が集団を牽引する。ラスト2周、西薗良太、佐野淳也(マトリックスパワータグ)らがアタックをかける。決定的となったのは残り7kmで木村圭佑(シマノレーシング)がアタックをしかけ、初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)がチェック。この2名に石橋学(NIPPO-VINI FANTINI)、西薗が追走。石橋を振り切った西薗だけが先頭に合流することができた。
そこから西薗がペースメイクを開始。木村がアタックをかけるが初山が反応、西薗が木村を振り切り、ワンツーフィニッシュを遂げる。初山が勝利を確信したのはゴール15mだったという。田代恭崇氏以来、12年ぶりにブリヂストンアンカーへナショナルチャンピオンが戻った。序盤の落車で内間康平を失い、戦略を大きく変更せざるを得なかったが、選手層の厚さが勝利へ繋がった形となった。
エリート男子リザルト
1位 初山翔(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 4:14:57(AVE36.40km/h)
2位 西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 0
3位 木村圭佑(シマノレーシング) 00:02
4位 石橋学(NIPPO-VINI FANTINI) 00:42
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) 00:43
6位 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 00:43
メイン集団のペースは落ちつきながらもチーム間で心理戦が繰り広げられている。
鈴木を吸収した後、集団の動きは不安定に
ラスト3周の上り終盤、西薗のアタックの後、さらにNIPPO ヴィーニファンティーニ、小石が攻撃を仕掛ける。
4位にはメイン集団に詰め寄られるも先行していた石橋、メイン集団の頭をとったのは増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得