2016年06月25日
全日本自転車選手権大会ロードレース2日目 U23男子速報
早朝から激しい雨と風が吹き付けた大島。一時は1時間で60mmもの豪雨となったが、U23スタート前には雨は収まった。しかし風は依然強く、U23男子の周回は2周短縮され、8周回(95.2km)での決戦となる。1周目で大きな落車が発生し、30名ほどの選手が分断される。この落車の影響もあり序盤で多くの選手がタイムアウトになってしまった。2周目で小林、岡、小野寺など昨日のTT上位入賞者を含む20名ほどが先行する。後方には30名ほどの集団となるが、強力なメンバーがはいった先頭集団はタイム差を徐々に広げていく。
先頭は人数を減らしながらも優勝候補は残る。残り4周で鹿屋体育大の徳田(優)のアタックなど動きも活発になる。しかし今日、もっとも強かったのは昨日の個人TT優勝者の小林海だった。ラスト一周で4人(徳田優/鹿屋体育大学、松本/明治大学、小橋/シマノレーシング、小林/明治大学)を振り切り、1分3秒の差をつけて単独でゴール。移り変わる天気、吹き荒れる強風。それに対応できた強いメンタルとフィジカルを持った選手が集団に残った結果となった。
1周目の海岸線の丘で大きな落車が発生した。強風の影響もあるだろう。
小林選手のコメント「レース距離が短くなったことはレース開始20分前に知ったが、長いほうがよかった。17人で抜け出したとき、嫌な展開になったと思った。スプリント勝負になるのは避けたかったから。レース中盤にスピードを上げたとき集団から抜け出してしまった。そこに徳田優など強いメンバーだけが追いついてきたので、そのまま行こうと協調して、後続を引き離すことに成功した。ここで勝利を確信した」。ラスト1周の上りで抜け出したが、ラスト数キロ、海岸線の向かい風が強いが、上りで付いてこれないなら、平地で追いつかれる心配はないと思っていた、とコメントした。
現在は単身、スペイン・アストゥリアス地方のアマチュアチームで活動を行っている。
U23男子(95.2km/8周回)
1位小林海(Team KUOTA C.PAULINO) 2:38:58(AVE:35.92km/h)
2位徳田優(鹿屋体育大学) +01:03
3位松本祐典(明治大学) +01:05
4位小橋勇利(シマノレーシング) +03:02
5位小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +03:06
6位岡本隼(日本大学) +03:17
7位西村大輝(シマノレーシング)
8位小林和希(明治大学)
9位西尾勇人(那須ブラーゼン)
10位石井駿平(鹿屋体育大学)
徳田優(鹿屋)の動きも目立っていた
ラスト1周、集団を引き連れて上りにはいる小林海
追いすがる2名を大きく引き離して単独でゴール
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得