「第22回Mt.富士ヒルクライム」大会前日の6月6日、メイン会場の富士北麓公園ではサイクルエキスポが開催。ステージ上では別府匠さん、史之さん兄弟によるコース攻略ガイドなど、様々なイベントが行われた。次の日の富士ヒル本番に向けてタメになる情報やモチベーションの上がるトークに、多くの参加者が耳を傾けていた。
「コース攻略ガイド」富士ヒルはトータルマネジメントで乗り切ろう!
別府匠さん、史之さんによる「コース攻略ガイド」。匠さんは現役時代の2007年に当時の富士ヒルコースレコード58分35秒を樹立。ヨーロッパを中心にプロ選手として活躍してきた史之さんは、現役引退後4年連続で富士ヒルにゲストライダーとして参加している。
(左から)別府匠さん、史之さんが自らの経験と最新の理論をもとに富士ヒルの走り方を伝授
富士ヒルは全体の平均勾配が約5%ながら、一合目までは8%ほどに跳ね上がる区間がある。ここが注意すべきポイントだと2人は念を押した。
史之さんは「このコースの攻略法は、トータルマネジメント。最後までペースダウンしないことが一番大事。最初の区間はちょっとセーブして走らないと、おそらく後半ペースダウンの恐れが出てくる。私が走ってみてわかったのは、ギアをかけた方が上れるので、気持ちギアを重めにして走っていただきたい。ただ、体や肩が揺れるようなギアだと重すぎるので、そうなったらひとつ軽くしようという感じですね」と変速のタイミングについても言及した。
ステージ前には多くの参加者が詰めかけ、自転車界のレジェンドである2人の話に聞き入っていた
匠さんも、一合目までは7割5分ぐらいの力で走るといいとアドバイス。しかし酸素が薄く気圧の低い高地では本来のパフォーマンスが出せない「高地効果」があるので、パワーメーターの数値に頼りすぎないようにとも説いた。
「ここ(富士北麓公園、標高約1000m)でも、みなさんのパフォーマンスは高地効果で5%ぐらい落ちている。例えば普段のパワーが200Wとして、スタートで200W出したらすでにいつもより5%高いんです。上れば上るほどその効果が出てきて、五合目では15~18%ぐらいパフォーマンスが下がってしまう。だから、パワー値よりは体のきつさがそのまま出る心拍計を見て走った方がいいと思います」(匠さん)
さらには前日からの補給や下山時の服装など具体的な対策にも触れ、参加者は熱心に聞き入っていた。
ビオレーサードリームチームの今年のメンバーが、ステージに登場! 2021年にスタートした同チームは、毎年富士ヒルにかける熱い思いを持つサイクリストを一般公募から選出。6年目の今年はチームメンバー11人、アンバサダー2人で結成。ケガや病気を乗り越えて富士ヒルに挑むメンバーも多く、それぞれが意気込みを語った。アンバサダーのにんにんさん(左2人目)は「来年以降もドリームチームが続いていれば、みなさんどんどん応募していただきたい」と呼び掛けた
「株式会社ピエクレックス」のステージ。電気の繊維「ピエクレックス」は、微弱な電気による抗菌効果や、堆肥(たいひ)として再利用できるなどの特徴がある新素材。今大会の完走記念品のタオル(右)はピエクレックス製で、フィニッシャーリングが全色描かれている。「走り終わった後の汗拭きだけでなく、記念にもなると思います」
第1回大会から富士ヒルをサポートする「グリコ・パワープロダクション」。元体操選手のスタッフが宙返りを披露するパフォーマンスで会場を沸かせた。ステージ上では「高級茶葉に含まれるアミノ酸テアニンが含まれ、疲労回復プラス睡眠の質向上を狙った」エキストラアミノアシッド テアニンなどを紹介
エキップアサダ代表・浅田顕さん(右)が主宰する次世代のプロロードレーサーを育成するプロジェクト「RTA(ロード・トゥ・ラヴニール)」の若手選手たちが富士ヒルに挑戦、ステージ上で抱負を語った。浅田さんは、この若手たちが将来プロになり「あの選手、富士ヒルに出てたな、なんていう日が来ることを夢に見ております」と語った。RTAの選手たちの富士ヒルでの活躍は別項で!
左右立体製法のソックスで、サイクリストを始め多くのアスリートが愛用する「RXL(アールエル)」。2017年富士ヒル王者でRXLのアドバイザーを務める兼松大和さん(中央)が、ステージ上で2018年から8年間愛用しているRXLソックスを披露。快適な履き心地だけでなく「つま先が破れないので、実は今も現役で使ってます」とその丈夫さをアピールした
ジャイアントのステージでは、元ロード選手でロードバイクライドコーチの岸崇仁さん(中央)と自転車ジャーナリスト小俣雄風太さん(左)が、軽量バイク「TCR」(右)と今年フルモデルチェンジが発表されたエアロロード「プロペル」(左)を徹底比較。岸さんは「この2台は見た目ほどの差はない。どっちに乗っても同じようなパフォーマンスは出せると思うし、あとは乗り手次第」と、小俣さんは「以前、新型プロペルは『エアロロードの民主化』と書きましたが、それだけ万人のためのエアロロードバイクになってきている」と、そろって新型プロペルのオールラウンドな性能を賞賛していた
ステージイベントの最後は恒例の抽選会。渡辺正志大会実行委員長(写真)らの抽選により、オージーケーカブトの最新ヘルメット「FALUX(ファルクス)」などの豪華賞品が参加者にプレゼントされた
取材:光石達哉、写真:小野口健太、武智佑真
著者プロフィール

FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。