2017年08月15日
【夏の特集】まだまだ暑い! ウォーターボトル パフォーマンス テスト&チェック(前編)
とても暑い日が続いている(いた?)日本列島ですが、サイクリストの皆さんはライドに夢中になっていることでしょう。とくにこの季節で注意したいのは、とても気温と湿度が高いということ。風を切って進むサイクリングは、涼しげですが思った以上に体温も上がるし、直射日光の影響も受けています。するとどうなるか。脱水症状ですね。
また高い湿度も気温以上に暑く感じさせる要因のひとつ。日陰に入っても感じる絡みつくような暑さはまさに湿度の影響でしょう。
同じ運動でもランニングは発汗していることに気がつきやすいですが、自転車の場合は風を受けているので気化しやすく汗をかいても乾きやすいので、気がつかないうちに脱水になっているというケースが多いでしょう。そして停車した瞬間に滝のような大量の汗が吹き出したなんていう経験をされた方も多いと思います。
給水はとても重要です。体重の2%以上の水分を失った時点でパフォーマンスは著しく低下し、さらに失うと命の危険性さえ発生します。細かい話をすると水分だけでなく、糖質や塩分なども同時に補給することが重要なのですが、その話はまた別の機会に。
サイクリングは長時間に及ぶこともあるのでバイクにはウォーターボトルを搭載できるようになっていますよね。200年の歴史をもつ自転車に、なぜボトルの台座がついているだろうということから考えましょう。深く考えなくても非常に重要であるパーツであることを歴史が暗に示しています。
この季節では頻繁に給水するといいとされていますが、それだけ頻度が高く使うパーツ=ボトルは使い勝手のよさで選ぶべきです。ハイスペックなものが使い勝手がいいのでしょうか?
そこで、ボトルにおけるハイスペックとは一体どんな性能を示しているでしょう。色々と考えてみると
・飲みやすさ
・取りやすさ
・容量
・保冷機能
・軽量?
と、このあたりの機能にニーズがありそうです。
飲みやすさは飲み口やボトル本体の形状が関係しそうです。
取りやすさとは、片手を離してダウンチューブに備え付けられたボトルをボトルケージから抜き取る。この作業も慣れないとなかなか怖いもの。取りやすいもの、あるいは悪路で落ちにくいもの。そういった性能が求められます。
保冷機能。いわゆる魔法瓶的なボトルも最近は多くのメーカーからリリースされていて、容量や保冷時間などの性能も気になりますね。
軽さについては、ヒルクライムレースなどでは1gでも軽くし、有利なレース展開にしたいという心理に強く働きかけそうです。
今回はこれらの要素について、日本で手に入るボトルを独断と偏見でノミネートし、テスト&チェックを行いました。
大きくは2点。保冷機能付きのボトルに関しては保冷機能を調査しました。簡単なもので、同量程度の氷と水を入れ、炎天下の中、どれだけ水温をキープできるかというもの。メーカースペックを参考にまずは2時間冷たさをキープできるか、水温計を用いて調べてみました。
そしてもう1つは実際に使ってみてどう感じるかFirst Impressionをお届けします。FUNRiDEから山本健一と、ジャーナリストの菊地武洋氏の2名で調査を行いました。
とても暑い日もありますから、2本積めるボトルのうち、1本は保冷ボトルを持っていくといいですね。
◆商品ラインナップ◆
◆KOALA BOTTLE
◆THREMOS FFQ-600 真空断熱ストローボトル
◆POLAR BOTTLE
◆PURIST Hydroflo WaterGate Water Bottle/INSULATED WATERGATE BOTTLE
◆ELITE FLY GRANFONDO ELITE/ICEBERG THERMO BOTTLE
◆CAMELBAK PODIUM BIG CHILL 750ml / PODIUM ICE 620ml
◆FABRIC CAGELESS WATER BOTTLE
KOALA BOTTLE ケージセット22oz/4,800 円、ボトル単体/2,200円、ケージ単体/3,200円(いずれも税抜)
サイクリストのために設計された革新的な磁気ボトルシステムのコアラボトル。「もう煩わしい抜き差しは不要!(ホームページより抜粋)」 ケージに磁石が配置され、ボトルのくびれ部分にはステンレスのリングを装着し、磁気の力でボトルとボトルケージを固定する画期的システム。使い方はボトル下部をクイッと上げて取り外し、戻すときはケージに置くだけでカチッと装着完了。目線を逸らさず・スピードを落とさず、効率的に水分補給ができるスグレモノ。
ボトルネックに付けられたマグネティックリングにより、360ºどこからでも磁力が作用する。その固定力は自転車が持ち上げるほど強力であるが、ボトルを下部から持ち上げると“テコの作用”により比較的軽い力で取り外しができる。リングのみの販売もしている。ボトルはスペシャライズド・ピュリストを採用している。カラー:レッド、グレイ、クリア、グリーン、ブルー、イエロー、オレンジ
ボトル:Specialized purist
キャップ:Specialized watergate
容量、重さ:ボトル-22oz、ケージ 53g、リング17g
素材:ボトル(ポリエチレン)、ケージ(ポリカーボネート)、リング(400シリーズステンレス)問い合わせ:mesutta inc. Tel:03-5941-6560
http://koalabottle.jp/
THREMOS FFQ-600 真空断熱ストローボトル 3,600円(税抜)
サーモスが生み出した自転車用保冷ボトル。ワンタッチ・オープンの飲みやすいストロータイプで、すばやく水分補給可能。しかも飛び散りにくい開閉構造だ。そして高い保冷力が最大の特徴といえる。ステンレス製魔法びん構造で10度以下を6時間キープできる。うれしいのはその形状だ。ボトルケージにぴったりとフィットする設計(最大胴径約73mm)。かつボディリングで握りやすく、持ちやすい。※パッキン・交換用部品について:製品の交換用部品はオンラインショップで購入できます。交換方法や部品の詳細については取扱説明書を。カラー:ステンレスホワイト(SWH)、ステンレスブラック(SBK)
容量(L) 0.6
保冷効力(6時間) 10度以下
口径(約cm) 4.5
本体寸法/幅×奥行×高さ(約cm) 7.5×7.5×23
本体重量(約g) 270
●保冷効力とは、室温20度において製品に規定量の4度の冷水を満たし、所定時間放置した場合の温度です。
問い合わせ:マルイ
取り扱い説明書:http://www.thermos.jp/product/detail/product_file/file/ffq.pdf
http://www.thermos.jp/product/detail/ffq-600.html
POLAR BOTTLE
POLAR 保冷ボトル ラージ 24オンス(約700ml)1,350円(税抜)、(Limited Color・1,905円 税抜)
ポラーボトルは熱を遮断するのに効果的な金属ホイルと空気層を二重に重ねた構造のボトル。単にドリンクと氷を入れただけでも驚くべき保冷力を発揮してくれる。なんといってもそのカラーバリエーションの多さが魅力(Limited Color・1,905円 税抜)。保冷ボトルのパイオニア的なブランド。OTHERS
POLAR 保冷ボトル スモール 1,250円(税抜)
POLAR 保冷ボトル XS 1,150円(税抜)、リミテッドカラー 1,905円(税抜)
問い合わせ:インターマックス
http://www.intermax.co.jp/products/polar-bottle/
PURIST Hydroflo WaterGate Water Bottle/INSULATED WATERGATE BOTTLEPURIST Hydroflo WaterGate Water Bottle 1,458円(税込)
Purist Hydroflo Watergate Bottleはラインナップ中もっとも柔軟性が高く、握って中身を出しやすいボトル。さらに最大の流量を提供するうえ、Puristテクノロジーにより、いつでもクリーンでピュアな飲み物を口にできる。
カラー トランスルーセントPURIST INSULATED WATERGATE BOTTLE 1,998円(税込)
保冷ボトルのINSULATED WATERGATE BOTTLEは、Purist加工がボトル内の臭いや汚れ、雑菌の付着を防ぎ、つねにピュアな水とクリーンなボトルを維持する。SPECIALIZEDオリジナルの断熱ライナーを封入した二重構造が熱放射をブロックし、他の保冷ボトルと比べておよそ20%長い保冷時間を実現している。SPECIALIZEDオリジナルの素材を使ったPurist Insulatedは、市販品のなかでも柔軟性が高く、握って中身を出しやすく断熱性の優れたボトル。Heart Valve™ を採用。シンプルなハンズフリー開閉式のWatergateバルブ(Heart Valve™を使用)。流量が多いうえ、バルブが開いている時でも中身が漏れない設計である。カラーバリエーションあり。
問い合わせ:スペシャライズドジャパン
http://www.specialized-onlinestore.jp/shop/c/c16/
ELITE FLY GRANFONDO ELITE/ICEBERG THERMO BOTTLEFLY GRANFONDO ELITE700円(税抜)
従来製品に対し圧倒的に軽量で、柔らかく握りやすいボトル。新型の吸い口を採用、旧製品に比べ流量がアップ。ドリンクを注ぎやすく、洗いやすい広口のボディ。BPA不使用。※本製品はサイクルスポーツ用途への最適化を目的に開発されています。軽さ、握りやすさ(やわらかさ)を実現するために、構造上液体の密封は完全ではなく、ボトルを逆さにしたり、かばん等に入れて使用すると液体が漏れる場合がある。
カラー ブラック、ホワイト(UCIワールドツアーチームボトル有り)
容量 550ml
重量 54gICEBERG THERMO BOTTLE 1,470円(税抜)
保温機能を備えた握りやすいスクイーズボトルに新型の吸い口を採用、旧製品に比べ中身が流れる容量がアップ。ポリエチレンシートと空気層の二重構造によりアイスでもホットでも約2時間、保冷/保温効果が持続する。泥やほこりから吸い口を守るキャップは取外し可能。MTBからロードバイクと幅広い用途で使える。ドリンクを注ぎやすく、洗いやすい広口のボディ。
※本製品はサイクルスポーツ用途への最適化を目的に開発されています。軽さ、握りやすさ(やわらかさ)を実現するために、構造上液体の密封は完全ではありません。ボトルを逆さにしたり、かばん等に入れて使用すると液体が漏れる場合がありますのでご注意ください。
※「食洗機対応」と記載のある製品は、本体や付属品も含め食洗機での洗浄に対応しておりますが、食洗機使用中の耐熱温度は40℃となっております。
カラー レッド、ブラック
容量 650ml
耐熱温度 75℃問い合わせ:カワシマサイクルサプライ
http://www.riogrande.co.jp/brand/node/2437
CAMELBAK CAMELBAK PODIUM BIG CHILL 750ml / PODIUM ICE 620ml/ PODIUM ICE 620mlPODIUM BIG CHILL 750ml 2,106円(税込)
柔らかくて飲みやすい、大容量750mlの保冷ボトル。2重構造+保冷素材で2倍の保冷性。冬は温かい飲み物の保温も可能。軽く握るだけで水分補給、理想のサイクリングボトル。自動で開閉するJet Valveはキャップの開け閉めのストレスと飲料の飛び散りがゼロ。押しても吸っても給水可能。ボトルは飲みやすいように徹底的に柔らかさを追求している。Tru TasteポリプロピレンとHydro Guard加工を組み合わせた内部は夏もいやな臭いがゼロ(*熱湯には対応していません。飲める程度の温度まで対応)。持ち歩く時はバルブを回転させれば完全にロック可能。
カラー レースエディション、カーボン、レッド、パープル、メトリックミント、スプリント、グリーン、ぺースピンク、ブレイクアウェイブルー、プライムパープル、パワーピンク、クリア/ロゴ、クリムゾン/ロゴ、アトミックブルー/ロゴ、スプリントグリーン/ロゴPODIUM ICE 620ml 3,888円(税込)
PODIUMは、保温・保冷性、飲みやすさ、洗いやすさ、耐久性など、サイクリストのニーズに応えた理想のボトルシステム。ボトルの飲口を引っ張ったり、噛んだりする必要はありません。ボトルを押しても吸っても給水ができます。TRUTASTE POLYPROPYLENEとHYDRO GUARD加工を組み合わせたボトルの内部には嫌な臭いが発生することがない。豊富なカラーバリエーションで、どんなバイクやウェアにもコーディネイトしやすい。※熱湯には未対応
カラー:ファイヤー、スノウ、コズミックブルー、シルバー/ロゴ問い合わせ:ライトウェイプロダクツジャパン
https://www.riteway-jp.com/pa/camelbak/camelbak.html
FABRIC CAGELESS WATER BOTTLE
CAGELESS WATER BOTTLE 1,700円(税抜、600ml) 2,200円(税抜、750ml)
ケージレスとは、ケージを使わずにフレームに直接セットできる革命的なウォーターボトルのこと。1.5gと超軽量のアダプターに取り付け、取り外しも確実に行え、すっきりとした自転車のフォルムを実現。
カラー:ブラック×グレー、ブラック×クリア、レッド×クリア、グリーン×クリア、イエロー×クリア、ピンク×クリア、ホワイト×グレー
BPA フリー
容量:74mm x 205mm(600ml)、74mm x 248mm(750ml)問い合わせ:キャノンデール・ジャパン
http://jp.fabric.cc/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得